感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2020年08月28日
『Xという患者』の参考文献として挙げられていたので気になり、あまりの面白さに一気読み。
学生時代『唯ぼんやりとした不安』という言葉は「わかるようなわからないような、いやわからない」と思っていたけれど、彼のことを知るほどに、一言では言い表せないような深い闇が浮かび上がる。他人に問われればそうとしか表現...続きを読むしようがないのだろうなということも。
そして昭和2年と令和2年にいくつか不穏な共通点を見出してしまい、彼の生きた時代の空気もこんな感じだったのかな、と思いを馳せる。
時折文壇の男たちの仲が良すぎる場面も描かれていて微笑ましく、少しだけほっとした。
Posted by ブクログ 2019年11月17日
主治医のスタンスを超え、芥川と昵懇の下島勲(いさおし)医師。その日記に、誰ひとり注目していなかったのは不可解だ。
達筆すぎて読めない日記の解読を縦糸に、死へ向かって逡巡し、疾走する芥川の動きが描かれる。
自殺に至る要因が多すぎて、真犯人が特定できない。私なら5回は死んでいるだろう。
芥川が周...続きを読む囲から愛されていた様子が窺えて、一つの涼味になっている。