あらすじ
昭和二年七月二十四日未明、芥川龍之介は睡眠薬により、自らの死を選んだ……。しかし、致死量に至る睡眠薬の入手は、芥川の治療のために出された処方によれば困難である──主治医の日記、龍之介の書簡などから、自死の真相に迫る、渾身のノンフィクション。第十七回新田次郎文学賞受賞作。
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Posted by ブクログ
『Xという患者』の参考文献として挙げられていたので気になり、あまりの面白さに一気読み。
学生時代『唯ぼんやりとした不安』という言葉は「わかるようなわからないような、いやわからない」と思っていたけれど、彼のことを知るほどに、一言では言い表せないような深い闇が浮かび上がる。他人に問われればそうとしか表現しようがないのだろうなということも。
そして昭和2年と令和2年にいくつか不穏な共通点を見出してしまい、彼の生きた時代の空気もこんな感じだったのかな、と思いを馳せる。
時折文壇の男たちの仲が良すぎる場面も描かれていて微笑ましく、少しだけほっとした。