小佐野彈のレビュー一覧
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小佐野彈さんの名前をはじめて見たのは、「たわわ台湾」という朝日新聞のコラムで。
私は気に入った新聞記事をスクラップ(いまどきアナクロですな…)する癖があるが、2021年12月23日の記事はこうだ。
――台湾在住の小佐野さんがたまに帰国すると、友人たちはあえて中華料理ではないイタリアンなどで会食をセットしてくれる。でも本音を言えば、彼が日本で真っ先に食べたいのはそれらではなく「『日本の』中華料理」だ。台湾では大陸を含めた各地の中華料理が食べられ、たしかにそれらは本格的でおいしい。だが日本のまちなかにある中華料理の味が恋しい。実際、彼は帰国後に都心のチェーン中華料理店で中華丼を注文し、「肉と野菜が -
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恋の駆け引き、男同士の上下関係、売れない悲しみ
感情がぎゅっと詰まってる一冊。
でも短歌だからあっという間に読めて楽しい。
★この人を支えたい!会いたいホスト短歌賞
君の来ない夜にトイレで聞いている
あいつの席のシャンパンコール
寂しいトイレと盛り上がる場内の対比が好き。
トイレの扉一枚隔てて全く違う空間が広がっているのが情景として分かる!
扉の向こうとこちらとでは、照明の明るさも、音の大きさも、空間の広さも、人の感情も何もかも違う。
扉の向こうからドンドンした低音が響いてくるのを項垂れながら聞くホストの姿を勝手に想像して悲しくなる。
寂しいのは「君が来ない」からっていう理由がキュ -
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第2段が出てたー!
コロナの勢いが衰えない中でZOOMで続けられた歌会。
世の状況を反映しながら、色恋、仕事、社会など、さまざまな言葉、表現で
彼らにしか書けない歌が生まれる。
巻末の座談会を読んで、確かにこれは仕事詠でもあるんだなと気付く。
コロナの中にあったリアル。
いずれコロナ禍という大きな歴史を記録した本にもなりそうな。
川柳めいた笑えるものもあり、小説のように世界が垣間見えるものもあり。
選考している側からは、読み手の上達具合や出世具合まで分かるようで面白い。
またプロの歌人が忘れていた基本のようなものを、刺激する力もあるようだ。 -
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とんでもないお金持ちの家に生まれ恵まれた環境で育ったと思われる主人公が、30ぐらい歳の離れた異母弟を養子に迎えて同性パートナーと子育てする話
パートナーとの出会いから始まったので、2人の話かと思ったらお受験がメインだった
登場人物の育った環境にもお受験戦争にもピンとこなくて感情移入は難しそうだが、だからこそ淡々と俯瞰的に読み進めることができた
主人公は恵まれた環境を享受しながら、飄々と世間を渡り歩いているが、その実自身も強さもなく、気持ちも浮き沈みしがちだ
そんな中で子育てとお受験を通して自身の弱さや醜さと向き合い、傷付き涙しながら成長していく話であり、セクシャルマイノリティの現実の話であり、 -
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純粋にセイシャルワーカー=男娼の大衆化されたもの、とまでは言えないがその周辺。あるい副次的産業。
コロナ自粛で昼職は途絶えても風俗嬢は来店するらしい(射精産業に協力金は出ない)/歌舞伎町という表のシモの銀座に相当するエリアで女子昼職の社会的地位収入の向上に応じてホストも中卒普通から「早稲田慶応ザラ」に移行/プレバトの俳句は俺が唯一、配偶者と同時視聴する番組で、評価不定のうちにツベコベあげつらう楽しさ(歌の前では平等)は、平安時代からの大和心。17音とちがって31音は因果関係、時代変遷を描写できる/「褒めてもらいたい欲求」男性客はゲイバーにないものを求める/作者写真を見ると顎が弱そうで失望。村上 -
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コロナ禍でいろいろな記事を読んでいる時に、とても興味深いインタビューを読んだ。
作家・辻 仁成さんと、歌舞伎町ホストの手塚マキさん。
「夜の街」と「歌舞伎町」はコロナのエピセンターとして、あちこちから叩かれていた場所。
でも実際のところはどうなんだろうととても気になっていて、
この記事には、現在の歌舞伎町がやっているさまざまな対策や取り組みのことが語られていた。
帯ニュースがどれだけイメージで夜の街を語り、
世間の偏見におもねるような方向で報道しているのかとげんなりする。
その中で、この本の存在を知って、がぜん興味が。
コロナの感染が始まるより前から、手塚氏はホストを集めて歌会をやっていたら -
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