チャールズ・A・オライリーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
両利きの経営とは、深化と探索の両方を追求する経営のこと。
社会や技術が素早く変化する現代においては、既存事業の成功が”時代を遅れ”を生み出す元凶になる場合もある。(サクセストラップ)
よく勉強をしている人ならば、「そんなことはわかっている」と思ったかもしれない。
この本がすごいのは、「両利きの経営が大切だ」とただ声高に叫ぶだけでなく、様々な企業の成功事例、失敗事例から、両利きの経営を目指したときにあらわれる課題や、その課題の乗り越え方まで踏み込んでいるところだ。
深化と探索は、反対方向の力が必要だ。(探索とは既存事業の焼き直しや、小さな改善イノベーションではなく、自社にとって未知の領域への拡大を指す)
方向性が違うので、既存事業のマネジメントやリーダーシップでは、適応できない。つまり同じ組織・風土の中で両立させるには常に矛盾が生じる。
本書では経営者(層)や中間管理職(ミドルマネジメント)による、リーダーシップの課題であると位置づけている。
つまり、両利きの経営の成否はリーダー次第ということだ。
両利きの経営を実行する際に必要なリーダーシップの5原則を以下に抜粋する。
1. 心に訴えかける戦略的抱負を示して、幹部チームを巻き込む
2. どこに探索と深化の緊張関係を持たせるか、明確に選定する
3. 幹部チーム間の対立を回避せずに、向き合う
4. 意図的にユニットごとに異なる基準を課して「一貫して矛盾する」リーダーシップ行動を実践する
5. 探索事業と深化事業に関する議論や意思決定の実践に時間を割く
第1,第5の原則は、普遍的なリーダーシップのありかただが、2,3,4に関しては複雑かつ高難度なリーダーシップである。
経験や明晰で論理的な思考力だけでなく、強い意志、精神力、高度な調整力などが求められると感じた。リーダーとしてはかなりのハードモードと言える。
この時代に経営の持続可能性を担保するには、訓練により身につけた強さとしなやかさを兼ね備えたリーダーシップが必要なのだろう。
チャレンジしてみたい気持ちはあるが、正直、うまくできる自信はない。 -
Posted by ブクログ
ー 本気で組織を進化させるには、人材の入れ替えと組織カルチャーの刷新は避けられない。コングルエンス・モデルにおける「人材」「組織カルチャー」という「横ライン」への働きかけ(組織プロセスへの刺激)である。
経営者が本気になれば、組織カルチャーは変えることができる。ただし注意すべきなのは、組織カルチャー「だけ」をいきなり変えることはできないという点だ。組織カルチャーを変えたいなら、経営者は以下の問いに向きあう必要がある。
・我々はどういう企業でありたいのか?(経営者のリーダーシップ: 意志表示と価値判断)
・それを実現するための策とは何か?(企業戦略)
・戦略を実行するために、どのような実行課題があるのか?(KSF)
・そのためには、どんな経験や能力、行動スタイルをもった人材がフィットしているのか?(人材)
・その人材の貢献をどのように評価する仕組みが必要なのか?(公式の組織)
・その人たちはどういう仕事のやり方をすれば能力を発揮しやすいのか?(組織カルチャー)
つまり、組織カルチャーだけを変えようとするのではなく、他の基本要素とセットで、新しいアラインメント形成の一部として、カルチャー・チェンジを図る必要がある。組織カルチャーそのものをいきなり変えることはできない。カルチャーは結果として変わるものだ。 ー
すごくいいことを書いているんだけど、すごく当たり前のことのように聴こえてしまうのがもったいない。だからといって簡単に実践出来ることではないので、よく考えながら読み込む必要がある一冊なんだと思う。