神津凛子のレビュー一覧
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購入済み
こわかった、、、このじわじわと近づいてくる感じ。やましいことはするもんじゃないね。家を買うまでは希望や期待に胸を膨らませていただろうに、こんなラストになってしまって悲しい。でもストーリーはおもしろくて、あっという間に全部読んだ。
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ネタバレ「“おむつ”を変えますね」
彼女から発せられたこの言葉に全てが詰まっていると思う。
神津凛子の作品を読むのはこれで2作目だが、やはり読みやすく面白い。彼女の描く心の奥底まで抉り出すような胸糞の悪さと、ラスト1ページでつい ふふっと笑ってしまうような爽快感さえ覚えるイヤミス度はクセになってしまったようだ。
時代錯誤も甚だしい義実家と
味方になっている“フリ”で現実逃避をする夫。
或いは《父親》を演じる悪魔と
精神がおかしくなってしまった母親。
二つの《毒親家庭》の元に閉じ込められた彼女と彼がこれからは形は違えど【幸せ】な人生を歩めるよう、心から願う。 -
Posted by ブクログ
めっちゃ好みの部類。積読本消化中で、これも以前から気になっていたホラーミステリ。神津凛子さん初読み。帯の煽りが「怖い!怖すぎる!」「まさにオゾミス!」と。あとひとこと感想を書いてる作家さんたちも「狂気に迫りおおせた作品」とか「最期の1ページ、ここまでやるか」等々読欲を掻き立ててくる。
東京から夫の実家のある長野に移り住んだ夫婦。授乳の度に寒さを感じていた妻。長野の寒い冬を乗り越えるため、住宅展示場を回る。そこで素敵な担当さんが対応してくれた、あたたかい家を購入することに。床下のスペースに全室に効果がある暖房があり、冬でもT シャツ短パンで過ごせるような通称”まほうの家”。
夫の実家には統合 -
Posted by ブクログ
怖くて家を建てられない。
理想の家が恐怖の館になってましたね。
読み進めていけば犯人は分かってきます。
分かったとしても、、ゾッとする怖さがあります。
日本にはあまり無いかもだけど
アメリカとかでは結構聞くから、笑えないよね(笑)
犯人が理想に近づけていく為に犯行を繰り返す様は
ページを捲る度にゾクゾクしてきます。
あと終盤にかけて盛り込みすぎですよ(笑)
「やべぇな」という独り言ちを呟きながら
読み進めてました。
そしてラストね、、、そこまでしますか⁉
賢二には帰る場所は無かったのかもしれないですね。
あそこまで追い込まれると、壊れます(笑)
とても恐怖を味わえる作品だったと思い -
Posted by ブクログ
2018年に「小説現代長編新人賞」を獲得したデビュー作。
新人にしてはよく書けていて文章も悪くない。面白くてずっと楽しんで読めた。
身につまされる部分があった。というのは、本作の主人公賢二の兄が統合失調症なのだが、2006年にガンで死んだ私の姉も重度の統合失調症だったからだ。たぶん作者はちょっと文献を参考にして書いただけだろうが、重い統合失調症患者の家族の思いがリアルに、よく書けていると思った。
これを原作にした映画「スイート・マイホーム」も見てみたが、やはり映画はあっさりとしていて、本書ほどの重さはなかったと思う。
なかなか良いエンタメ小説だった。