森バジルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
こんな素敵な物語の締めくくり方を〈私〉は知らない、と〈私〉は知っている。この物語に出会ってしまったから。本書は舞台を共有する五つの物語で構成されている連作短編集です。別にそれ自体はめずらしいことではないか、と思います。でもこの作品では、ひとつの短編が終わるたびに、作品のジャンルも変わっていきます。ミステリ→青春小説→SF→ファンタジー→恋愛小説、というふうに。
じゃあノンジャンルでまったく別種の物語が展開されていくか、というと、そういうわけでもなく、物語同士は密接に繋がっています。帯には青崎有吾さんの〈「ひとつの街の中で極小のジャンル・リミックスに挑んだ『ノウイットオール』。分断も壁も幻 -
Posted by ブクログ
ネタバレ恋愛がミステリーに絡まるのが得意ではなかったけれど、この作品は面白かった。
小石の独特な個性や恋愛模様がトリックとしてもかかっていて、双子を見分けられる力が欲しいなぁとも思ったり。
何かと変わった依頼が多いものだなと思いながらも、最後には、自分の文字から読み取った偏見や既成概念が露わにされたようで驚いた。。
さすがに双子の妹を内縁の妻とかはわかんないよ!!とも言いたいが、FaceIDやら、謎が解けてから読み返すと、引っかかる言葉にも思えるのでなお面白かった。
全体的に謎が二重にも三重にもかけられていて驚き。
まさか雛未ちゃんがあの時の春風だったの?!と思ったら小石(照屋)のことが好きだっ -
Posted by ブクログ
【先入観の隙をついた謎解きに捲られる】
ミステリー小説に出てくるような殺人事件を解決したい小石が主人公。ただ毎回くる依頼は浮気調査ばっかり。そして恋の矢印が見える小石は浮気調査が超得意なのであった。依頼をこなす日々の中、浮気調査や素行調査の関係者が胸にひび割れたハートマークをつけられるという障害事件が立て続けに起こる。それは10年前、小石がトラウマを抱え記憶を封じ込めた事件と関係があり、小石は事件の真相解明に挑むことになる。
まずこの恋愛を全く理解できないが恋のベクトルが見えちゃう振り切れた主人公の設定が好きw字面だけ追っていたら、いつ間にか自分も先入観の罠にハマっていて、最後の事件の真相を -
Posted by ブクログ
面白くて一気読みしてしまった!
でも面白さは誰が読んでも明らかだとは思うんだけど、作者の圧倒的勝利っていうよりは反則勝ちされた感じ。
フーダニット(犯人当て)+叙述トリックのハイブリッドミステリの構造で、フーダニットとしてはヒントはしっかり与えられてたし、比較的オーソドックスで論理的に絞っていけるから、フェアプレー小説と言えると思う。
でも、叙述トリックとしてはフェアと言えるかどうかかなり微妙だなぁと思った。
そこが面白さでもあって、そういう作品と割り切って楽しめればありだと思うのだけど、倫理・社会通念レベルの前提を崩してくることは「それ出されたらこっちは戦えないじゃん」ってルール外のカー -
Posted by ブクログ
ネタバレやはり叙述トリックは良いねぇ。ライトな表紙から日常探偵ものを想像していたが、しっかり伏線が貼られたミステリだった。
過去編の主人公が、まさか蓮杖君とは。警察おじさんの正体にも気づかなかったので、普通に騙されてしまった。
父親の浮気調査を依頼しに来た女子高生が実は探偵の実力を図るためだった。夫婦が共に浮気調査をしたと思ったら妻が風俗通いを隠すためだった。アイドルの誘拐犯は元プロデューサーだった。
ここまででもちゃんと話が成り立っていたのに、さらに裏があったのがわかった時になるほどねと。ハートの傷をつけられている人はきっとミスリードだろうなぁと思いながら読んでいたけれど、少しだけ出てきた元カレ