森バジルのレビュー一覧
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こんな素敵な物語の締めくくり方を〈私〉は知らない、と〈私〉は知っている。この物語に出会ってしまったから。本書は舞台を共有する五つの物語で構成されている連作短編集です。別にそれ自体はめずらしいことではないか、と思います。でもこの作品では、ひとつの短編が終わるたびに、作品のジャンルも変わっていきます。ミステリ→青春小説→SF→ファンタジー→恋愛小説、というふうに。
じゃあノンジャンルでまったく別種の物語が展開されていくか、というと、そういうわけでもなく、物語同士は密接に繋がっています。帯には青崎有吾さんの〈「ひとつの街の中で極小のジャンル・リミックスに挑んだ『ノウイットオール』。分断も壁も幻 -
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バラエティプロデューサーとしてがけっぷち
の状態にある主人公が自身の命運をかけ、人気トーク番組『ゴシップ人狼』の生放送特番に向けて奮闘するも、なぜか本番直前に出演者である大物俳優の「本物の」死体がスタジオに現れる。一緒に死体を発見したADと共にその存在を隠しつつ、犯人が用意したと思われる番組の台本に従って生放送の放映を決断するが。。
『ゴシップ人狼』とは、出演者が持ち寄った芸能界ゴシップについて語りながら、そこに混じっている嘘つきを推理するという作中の架空の人気トーク番組。
物語は何人かの主要な出演者と、ある視聴者、そして主人公のプロデューサーの視点で物語が進む。
物語当初のポップな雰囲 -
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ネタバレ3章までは、少し風変わりな恋人の不貞疑惑に対する依頼(最後の傷害事件ぽいのは置いといて)で、どういう風に最後落とすのかなーと思ったらそうきたかという感じ。
叙述トリック?にはすっかり騙された。けど、1章と2章別に気づくとこ特になかったしな…?
「バニラは俺の嫁」てのは結構違和感あったけど…
というか人形だとすると君塚結構だいぶ気持ち悪い。
ちょっと詰め込みすぎというか、身近に関係者置き過ぎというか…
めちゃくちゃ激重ストーカーたちに粘着されてるじゃん…
小石ちゃんと、女子の雛未ちゃんが古泉雛未で響き似てるし、「こいちゃん」て呼んでるのどっちともとれるなと思って、え、実はわたしが小石だと思っ -
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ネタバレ密室殺人事件の解決を夢見る小石にふりかかるのは、不倫調査ばかり。だが、実はそこには重大な秘密が隠れて?
非常に面白い作品だと思いました。私自身ミステリーの小説を読んだ経験はなく、「ここに、こんなキーポイントが隠されていたなんて!」と、感じさせる。そこに醍醐味があるのだと思います。そしてこれは、この先別のミステリー小説を読んでいくうえでも感じられることでしょう。
この作品のなかで一番謎を暴くうえで大切なのは、先入観や偏見にとらわれるてはいけないということだと思います。「この人は~でしょ?」と、話される言葉や書かれている文字だけで考えると作者の思うつぼにはまります(多分)。
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小石探偵事務所の代表でミステリオタクの小石は、名探偵のように華麗に事件を解決する日を夢みている。推理案件は一向にこないが、ある理由から色恋調査が病的に得意なため、色恋案件を解決していたが、思わぬ事件が進行していて…。
『偏見』や『先入観』をうまく取り入れた内容でした。
前半の伏線であろう箇所のつっかかりが気になりましたが、後半の伏線回収パートはとても面白かったです。何となくそうかなーと思っていたところから、そこもそうだったのか!という驚きにも段階がありました。ラストの蓮杖くんと小石の結末にほっこり。
2025年話題になったのも納得です。