アレン・エスケンスのレビュー一覧
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面白かった。希望を感じさせつつもほろ苦いラストがいい。
序盤の30ページくらいはなかなか頁が進まなかったけど、裁判の資料を取り寄せたあたりからぐんぐん勢いがついてきて、そこからは一気に読んでしまった。
事件の真相はすぐに想像がつく(実際ほぼその通りだった)。だが本書の見所はそこではない。
何故そうなったのか?真相をいかに証明するか?その過程でこれでもかと発生するトラブルの数々…。
事件絡みを抜きにしても、主人公ジョーの人生は苦難の連続だ。時には逃げ出したり、見て見ぬふりをしながらも、少しずつ前進していく。
苦学生、死期がせまった人との交流、というのでなんとなく本多孝好の「MOMENT」を思い -
Posted by ブクログ
ネタバレ・あらすじ
大学生のジョーは課題で身近な年長者の伝記を書くことになった。
祖父母、父親はおらず母親はアル中という家庭環境のため題材探しのために訪れた先の介護施設で14歳の少女の強姦殺人の罪で服役していたカールを紹介される。
カールは膵癌のため余命宣告を受けていた。
カールにインタビューをする中でカールが無実ではないかと疑いを抱いたジョーは独自に調査を開始する。
・感想
定番、王道な展開だった。
王道は嫌いじゃないけどもうちょっと何かが足りない。
面白くない訳ではないんだけど…キャラクターの味付けも事件も全部ありふれてる感じがした。
ミステリーというよりサスペンスかも。
サスペンスにしても起こ -
Posted by ブクログ
田舎町に暮らす少年ボーディ。その街で一人の女性が失踪する事件が起きる。そして近所に黒人一家が越してきて、その家には同い年の少年トーマスが。
あらすじが難しい。失踪事件があり、トーマスとの友情譚があり、隣人ホークの過去話がいろいろと絡み合って・・・なかなかに興味深い。いや面白いんですけどね。黒人差別的なものがそこかしこにでてくる。白人至上主義の過激団体とか。そして差別的な人物はことごとく悲惨な末路をたどるわけで。なんだろうな、説教臭さみたいなものを感じてしまった。この手の差別問題とか、あと環境問題とかを物語に持ち出すとものすごくわかりやすく単純に善悪がはっきりするのであんまり好きじゃない。「面白 -
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アレン・エスケンスじゃん!
新作じゃん!
すぐさま借りました
この作家さん大好きなんです
『償いの雪が降る』『たとえ天が堕ちようとも』『過ちの雨が止む』と、これまで三作品が訳されています
エスケンスの作品群は、作者自身はシリーズではないと語っているそうですが登場人物を通してつながっています
ある作品の主人公が他の作品では脇役として登場し、その作品に登場した人物がまた別の作品では主役を務めるといった形で主な登場人物たちは作品間で重なり合っている
そして、人々が困難な事態に真摯に向き合う姿に心を打たれるのがアレン・エスケンスの作品の魅力のひとつだろう
本作は『償いの雪が降る』『たとえ天 -
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ジャケット、タイトルの素敵さから購入。
面白かったです。
アレン・エスケンスさんの日本デビュー作。
主人公のジョーは、毒親、自閉症の弟をもち、大学の学費を払うにもなかなか払えないという苦境にある。
それでも勤労しながら大学に通っている最中、レポートを書くため、老人介護施設で入所者にインタビューをすることになった。そこで出会ったのは、かつて少女を斬殺して有罪となった凶悪犯カール。
さて、どうなるのかといった…
非常に重たい出だしから始まるも、最後はとても印象的なラストを迎える。
少しハッピーエンドすぎるんじゃないかなあ、という。
それにしても
『The Life We Bury』の邦題が『償