アレン・エスケンスのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『償いの雪が降る』に出てきた刑事と教授(弁護士)が主人公。
読んでいなくてもまったく支障はないけど、彼らがどちらも信頼のおける人物で、いい友人同士ということがわかっているとより一層、その二人が対立しなければならない状況のつらさが浮き彫りになる。
女性が殺害され、その夫が疑われる。なんとか犯行を証明しようとする担当刑事と、依頼人の無罪を証明しようとする弁護士、その両側からの視点で描かれる。
どちらも正義のために力を尽くしているのがわかるだけに、片方に有利な事実が判明すればもう片方には不利ということになり、読んでいるこちらはとても複雑だ。ただ、どちらかというと弁護側に肩入れしたくなるかもしれない。
刑事は数年前の妻の死を引きずっており、その危うさは本人も自覚していて、思い込みで間違った方向に舵を切ってしまうのではないか、という不安がつきまとう。違法に証拠をでっちあげるとは思わないけれど、どこか信用しきれない。
一方、弁護士の方も過去に苦しめられているが、それはむしろ「絶対に罪のない人を有罪にしない」という信念を強固にしていて、有利に働いているように思う。
リーガル・サスペンスが面白いのは、真相さえわかればいいわけではないところ。起訴して有罪にできるか、あるいは無罪にできるか。そこには政治的な思惑も絡んできて一筋縄ではいかない。
どちらの主人公も人の道に反することはしないと信じられるので、その点ではストレスなく読むことができた。
翻訳ではこれが2作目だが、実際はこの前にマックスの弟の事件が、そしてこの後にジェニの事件についての話もあるらしい。できれば刊行順に訳してほしかったなあ。
ひとまず翻訳3作目を早く読みたい。こちらは『償い〜』と同じくジョーが主人公とのこと。 -
Posted by ブクログ
面白かった。希望を感じさせつつもほろ苦いラストがいい。
序盤の30ページくらいはなかなか頁が進まなかったけど、裁判の資料を取り寄せたあたりからぐんぐん勢いがついてきて、そこからは一気に読んでしまった。
事件の真相はすぐに想像がつく(実際ほぼその通りだった)。だが本書の見所はそこではない。
何故そうなったのか?真相をいかに証明するか?その過程でこれでもかと発生するトラブルの数々…。
事件絡みを抜きにしても、主人公ジョーの人生は苦難の連続だ。時には逃げ出したり、見て見ぬふりをしながらも、少しずつ前進していく。
苦学生、死期がせまった人との交流、というのでなんとなく本多孝好の「MOMENT」を思い出した。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・あらすじ
大学生のジョーは課題で身近な年長者の伝記を書くことになった。
祖父母、父親はおらず母親はアル中という家庭環境のため題材探しのために訪れた先の介護施設で14歳の少女の強姦殺人の罪で服役していたカールを紹介される。
カールは膵癌のため余命宣告を受けていた。
カールにインタビューをする中でカールが無実ではないかと疑いを抱いたジョーは独自に調査を開始する。
・感想
定番、王道な展開だった。
王道は嫌いじゃないけどもうちょっと何かが足りない。
面白くない訳ではないんだけど…キャラクターの味付けも事件も全部ありふれてる感じがした。
ミステリーというよりサスペンスかも。
サスペンスにしても起こる出来事が全部予定調和っていうか終始予測可能な範囲内で展開してた。
ボーディの子供時代である4作目を1番最初に読んだからボーディが出てきたの嬉しかった。 -
Posted by ブクログ
田舎町に暮らす少年ボーディ。その街で一人の女性が失踪する事件が起きる。そして近所に黒人一家が越してきて、その家には同い年の少年トーマスが。
あらすじが難しい。失踪事件があり、トーマスとの友情譚があり、隣人ホークの過去話がいろいろと絡み合って・・・なかなかに興味深い。いや面白いんですけどね。黒人差別的なものがそこかしこにでてくる。白人至上主義の過激団体とか。そして差別的な人物はことごとく悲惨な末路をたどるわけで。なんだろうな、説教臭さみたいなものを感じてしまった。この手の差別問題とか、あと環境問題とかを物語に持ち出すとものすごくわかりやすく単純に善悪がはっきりするのであんまり好きじゃない。「面白い」お話じゃなくて「正しい」お話をしないといけないみたいな窮屈さを感じる。特に最近の海外文学では。
いやまあそれを抜きにしても面白い話ではあったんですけどね。なんでもこの作品の主人公ボーディくんは別の作品では成長した姿でまた主人公を務めているんだそうで。機会があったら是非読んでみたいと思います。 -
Posted by ブクログ
アレン・エスケンスじゃん!
新作じゃん!
すぐさま借りました
この作家さん大好きなんです
『償いの雪が降る』『たとえ天が堕ちようとも』『過ちの雨が止む』と、これまで三作品が訳されています
エスケンスの作品群は、作者自身はシリーズではないと語っているそうですが登場人物を通してつながっています
ある作品の主人公が他の作品では脇役として登場し、その作品に登場した人物がまた別の作品では主役を務めるといった形で主な登場人物たちは作品間で重なり合っている
そして、人々が困難な事態に真摯に向き合う姿に心を打たれるのがアレン・エスケンスの作品の魅力のひとつだろう
本作は『償いの雪が降る』『たとえ天が堕ちようとも』に登場したボーディ・サンデンの少年時代の物語である
元弁護士で、ロースクールの教授のボーディが成熟した大人ではなく、まだ十代の若者で非凡な経験を通じて成長する姿が描かれている
本作と他の作品を併せて読むことで、少年の頃のボーディと、後の成長した姿を並べてその思いを馳せることができるだろう
また、複数の作品が重なり合うことでさらに深い感動をもたらしてくれるでしょう!
今後の作品も楽しみです