P・G・ウッドハウスのレビュー一覧

  • ジーヴズの事件簿 大胆不敵の巻

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    最高にハッピーな極上のユーモア小説。
    まさに今読みたいものど真ん中だった。
    自分の中で【英国フェア】を開催中なので、その繋がりで初ウッドハウス。

    1番面白かったのが『長説教大賞ハンデ戦』。教会の牧師さんをなんと〈競走馬〉に見立て、誰の説教が一番長いかをハンデまで付けて大真面目に賭ける。
    下調べで「この牧師は名馬だ!」と喜んだり、牧師の調子次第で賭けの倍率は大荒れに。
    何も知らない牧師のおじいちゃんたちには悪いけど、お坊ちゃんたちが大真面目に一喜一憂する姿は、おバカでくだらなくて愛おしい。
    学生時代の校長先生の朝礼を思い出すような遊び心が全開で、自分もあの頃に戻ったような気分で楽しかった。

    執事のジーヴズは、聡明でどんな無理難題も涼しい顔でパーフェクトに解決する天才。
    完璧な執事だけど、ただ従順なだけではないところも面白い。
    キャラクターもみんな好き。

    そして、クリスティの『ハロウィーン・パーティ』の冒頭「P・G・ウッドハウスに捧げる」というあの献辞。あの時は恥ずかしながら「誰だろう…」と思っていたけど、ここでまさか繋がるとは!

    気になって調べてみたら、2人はお互いの作品を愛する友人で長年文通するほどの交流があったとのこと。最高!2人の文通見てみたい。

    さらに、この作品にはポアロ好きには嬉しいサプライズまで!ここはテンションが上がった。
    ちなみに、作中に出てくる恐ろしい〈アガサ叔母さん〉もクリスティとの繋がりかと思って調べたら、こちらはウッドハウスの叔母さんがモデルだった。

    そして読み終わってから、文春文庫の傑作集のこれは2冊目だったことに気が付いた。
    読む順番を間違えた!
    でも、どこから読んでも面白いお気楽な作風なので気にせず戻ろう。

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    2026年09月02日
  • 春どきのフレッド伯父さん

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    若者たちが抱える金銭的問題を解決すべく(?)ブランディングス城に乗り込むイッケナム卿一行。
    事態はどんどん複雑化していきますが天才的な閃きと軽妙な話術でもって物事をあるべきところに収めていく様が気持ちよかったです。


    「それ自体で善いことも悪いことも存在しないんだ。善悪を決定するのは思考だ」

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    2025年10月31日
  • ジーヴズの事件簿 大胆不敵の巻

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    ジーヴス頼りになりすぎる。一家に一ジーヴス。
    バーティとビンゴのキャラも最高。
    主人のファッションセンスを絶対受け入れないジーヴスと、威厳を保つべく無駄にちょっと抵抗してみるバーティが毎回冷戦状態になるのが何気に大好き。

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    2025年08月12日
  • ジーヴズの事件簿 才智縦横の巻

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    ずっとクスクスにやにやしながらあっという間に読み終わった。
    こういうユーモアのセンスが一番好き。品がある。

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    2025年08月12日
  • ジーヴズの事件簿 大胆不敵の巻

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    「田舎の牧師長説教レース(ハンデ付き)」はもう発想が馬鹿で大好きすぎる。賭けるなよ笑。相変わらずふにゃふにゃのバーティもビンゴも面白いがそれを勢いで上回ってくる双子がお気に入り。元気が出てくる。モンテカルロで勝負師の血を滾らせるジーヴスのスピンオフが欲しいよ。

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    2022年10月15日
  • ジーヴズの事件簿 才智縦横の巻

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    なんか気晴らしになるような楽しい本ない!?って言われたらおすすめしたい。藤色靴下をめぐって冷戦状態でも、あっさり素直にジーヴスを褒めちゃうバーティと、なんだかんだ(扱いやすい)ご主人との暮らしを気に入ってるらしいジーヴスが面白い。バーティとビンゴってスポンジ・ボブみたいな挙動してそうだよね。

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    2022年10月05日
  • ボドキン家の強運

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    イギリスからアメリカへと向かう豪華客船上で繰り広げられる3組の男女+αのドタバタ喜劇、という「これぞウッドハウス!」って感じの名作で大変満足です。
    本の分厚さを感じさせない物語のテンポの良さが素晴らしい。さらに、登場人物が皆、変わり者だけと根は良い奴という結果起こる善意の玉突き事故みたいなものが、よくもまぁこの3組のカップルの間で破綻なく伝播していくなぁ…、といった、ウッドハウスのプロット構築の巧みさや登場人物の性格付けと物語の組合せの妙技みたいなものがたっぷり堪能できて、これは確かに後書きで訳者の方も仰るとおり、「大名作」ですわ。
    基本、セレブな美男美女が入り乱れる豪華客船のこの喜劇、舞台(もしくはミュージカル)で見てみたい逸品でした。

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    2021年11月13日
  • ジーヴズの事件簿 大胆不敵の巻

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    ネタバレ

    大好きな一冊。
    旅行の時とかに持って行きたい。
    イギリス的ブラックユーモアも面白く、電車の中でにやけてしまうので注意が必要です。
    バーディを助けるジーヴズが意外と意地悪な方法だったり、バーディ的にはアウトかな!?な話も多かった。
    ビンゴが結婚してビックリした。

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    2019年11月17日
  • ジーヴズの事件簿 大胆不敵の巻

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    ネタバレ

    頭の弱いお人好しのバーティーと、完全無欠な執事のジーヴズのコンビシリーズ、第二弾。

    バーティーを取り巻くメンツは第一弾の「才智縦横の巻」で出てきた顔ぶれと同じで、バーティーの子ども時代からの友人のビンゴ・リトルは女性を見れば誰であってもとりあえず惚れるというのは相変わらず。バーティ―の従兄弟の双子、クロードとユースタスのダメ人間ぶりと鬱陶しさも相変わらず。
    全ての登場人物が強烈な個性を発揮しつつ、基本的には彼らの行動の全てがバーティーにとって不幸と災いの種にしかならない、というのがこの作品の面白いところ。優柔不断で頼みを断れず、されるがままに流されるバーティーをすんでのところで救い出し、問題を解決してしまうジーヴズの手腕がこの作品でも楽しめる。

    しかし、イギリス人は賭け事が好きなんだなぁ、というのがこの作品からはつくづく見て取れる。登場人物のほぼ全員が、ギャンブルで散財するか苦境に陥るか、あるいはギャンブルに金をつぎ込むために誰に軍資金をせびろうか、ということしか考えてない気がする。前作でもギャンブルはストーリーの大きな構成要素の一つであり、問題解決役のジーヴズですら、小さな(でも確実に勝てると分かっている)賭けに手を出している。時代を問わず、イギリスの一つの文化のようなものなのだろう。

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    2018年07月07日
  • ジーヴズの事件簿 才智縦横の巻

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    徹底的なお気楽さに救われた。
    このジーヴスの世界観を読んでいる間は、現実の嫌なことや不安なことを思い出さないですむ。

    悪意のある人間は出てこない。
    人間関係のドロドロも、悲しい出来事も不安になる心配もない。
    どんなにバーティが泥沼にはまっても、最後は執事のジーヴスが絶対に何とかしてくれる。

    ものすごく恵まれた現実味のないユートピア。だからこそ、現実逃避するようにこの世界に引きこもりたくなる。
    「おバカだなぁ」と笑っているうちに、いつの間にか気持ちが軽くなる。

    エピソードそのものは、個人的には『第2弾 大胆不敵の巻』の方が面白かったけど、この本の解説には興味深い話があった。

    第二次世界大戦中、ドイツ軍に捕らえられたウッドハウスが、自分の無事を知らせたい一心で敵国のラジオ放送に出演したことで英国で激しく批判された。その際にジョージ・オーウェルなどがウッドハウスを擁護したという。

    まさかこんなところでオーウェルとつながるとは!
    『一九八四年』のあのオーウェルとウッドハウスに、こんな接点があったことが意外で、とても興味深かった。
    もっと知りたくなって思わずググったら、作品だけでは見えてこなかった、二人の人物像を知ってますます興味が湧いた。

    解説からもウッドハウス自身は主人公バーティのような余裕のある生活を送っていたわけではなく、むしろ苦労の多い人生だったことがわかる。
    それでも作品はどんな時代の読者も笑わせ、明るい気持ちにしてくれる。
    国境や時代を越えて今も世界中で愛されているのも、きっと私と同じようにこの作品に救われてきた人がたくさんいるからなんだろうな。

    昨日はクリスティとの接点に驚いて、今日はジョージ・オーウェル。
    これまで読んできた作品の作者たちが思わぬところで繋がっていて、こういう思いがけない繋がりに出会えたことも嬉しかった。

    なぜだかわからないけど、英国の古典にとても惹かれる。

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    2026年09月03日
  • スウープ!

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    ネタバレ

    侵略者の描写や国民の対応や暗躍するボーイスカウト達の活躍、ある章が3行で終わったりと相変わらずめちゃくちゃで面白いけど、これが発表された当初の世相を考えるとより凄みを感じます

    国際情勢の緊張が高まっている現代においてもまた広く読まれるべき一冊だと思いました

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    2025年09月21日
  • ジーヴズの事件簿 大胆不敵の巻

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    イギリスの作家「P・G・ウッドハウス」のユーモアミステリ小説集『ジーヴズの事件簿 大胆不敵の巻(原題:The Casebook of Jeeves Ⅱ)』を読みました。

    『ジーヴズの事件簿 才智縦横の巻』に続き、「P・G・ウッドハウス」作品です。

    -----story-------------
    「ジーヴズ」、おまえの知恵を貸してくれ

    時は20世紀初頭。
    ロンドンのマンションの一室に、執事「ジーヴズ」は今朝も流れるように紅茶を携えやってくる。
    村の牧師の長説教レースから実らぬ恋の相談まで、ご主人バーティの難題をややいじわるな脳細胞が華麗に解決(?)。
    「バーティ」たちが通うドローンズ(のらくら)倶楽部の愉快な面々も少し顔をのぞかせる、ユーモア小説傑作選第2弾!
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    ユーモア小説作家「P・G・ウッドハウス」の代表作である「ジーヴズ」シリーズの傑作選です… ぐうたらでダメ男の若旦那「バーティー」と、とんち男の召使い「ジーヴズ」が活躍する小説集の第2弾、、、

    牧師の説教は誰がいちばん長いのか? 村の賭事から実らぬ恋の相談まで、執事「ジーヴズ」の脳細胞が優雅に解決… 前作に続き痛快ストーリーが愉しめました。

     ■トゥイング騒動記
      (原題:The Great Sermon Handicap/The Purity of Turf/
           The Metropolitan Touch,1922)
      ・その一 長説教大賞ハンデ戦
      ・その二 レースは神聖にして
      ・その三 都会的センス
     ■クロードとユースタスの出航遅延
      (原題:The Delayed Exit of Claude and Eustace,1922)
     ■ビンゴと今度の娘
      (原題:Bingo and the Little Woman/All's Well,1922)
      ・その一 ビンゴと今度の娘
      ・その二 終わりよければ
     ■ジーヴズと白鳥の湖
      (原題:Jeeves and the Impending Doom,1926)
     ■ジーヴズと降誕祭気分
      (原題:eeves and the Yule-Tide Spirit,1927)
     ■文庫版特別収録 ビンゴはすべて事もなし
      (原題:All's Well with Bingo,1937)
     ■収録作品解題
     ■訳者付言 岩永正勝,小山太一

    前作からの続きの連作短篇という感じで、主要な登場人物は変わっていないので安心して愉しめる一冊でしたね… 本作は「ビンゴ」とギャンブルを組み合わせたネタが多かったですねぇ、、、

    「ジーヴズ」のトラブル解決法は、相変わらずキレッキレですが、「バーティー」は、頭が狂っているとか、おつむが弱いとか… そう信じ込ませることで解決させることが、一度ならず、二度、三度とあって、「バーティー」にとっては、哀しい結末が多かったですね。

    それに対して、恋多き男でギャンブル好き、お金のことを含め、自己管理能力がゼロに近い「ビンゴ」の方は無事に結婚できて… しかも、お相手は前作で名前だけ登場した作家の「ロージー・M・バンクス」ですからねぇ、、、

    さらに、妻から禁じられていたにも関わらず、モンテ・カルロでカジノに挑戦… すっからかんになったと思いきや、その後、ルーレットで大儲け、しかも、妻がカジノで負けちゃったことからお咎めなしという幸運さ。

    人生、わからないものですね… 深く考えることなく、愉しませてもらいました。


    以下、主な登場人物です。

    「バーティー・ウースター」
     暇を持て余す伯爵位継承予定者。
     ジーヴスは彼にとって一種の先導者であり、哲学者であり、友人である。
     思慮は浅いが、親族や友人のためにためらいなく一肌脱ぐなど、情誼に厚い気持ちのよい人物。

    「ジーヴス」
     バーティーに仕える従者。
     あらゆることに精通しており、主人のバーティーのみならず、その親族や友人たちをその頭脳で助けてきた。
     保守的で、バーティーが買ってくる前衛的なファッションには大抵強硬な態度で反対する。
     ロージー・M・バンクスのファン。

    「ビンゴ・リトル(リチャード・リトル)」
     小中高大学まで一緒に通った、バーティーの幼なじみ。
     何かにつけてバーティーに「お前は俺の友達だろう?」と頼み事をする。
     伯父からの潤沢な小遣いで陽気に暮らしている。春になると誰かしらに恋をするうえ、猛烈に惚れっぽい。

    「モティマー・リトル(ビトルシャム卿)」
     ビンゴの伯父。「脚すっきりしなやかリトルの湿布薬」で蓄財し、先頃引退したばかり。
     作中ではビンゴ・リトルと区別するために「老リトル」と表記されるが、後に結婚し、国王から貴族に列せられ、ビトルシャム卿となる。

    「アガサ・グレッグソン」
     バーティーの叔母。バーティーが子どもの頃から彼を低能呼ばわりし、人生を空費していると指摘し続けている。
     バーティーが最も恐れる人物。身長179cm。

    「ロージー・M・バンクス」
     巷で話題のロマンス小説の作者。
     ビンゴが伯父についた嘘のせいで、ビトルシャム卿はバーティーをバンクスだと思い込んでいた。

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    2023年03月13日
  • ジーヴズの事件簿 才智縦横の巻

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    イギリスの作家「P・G・ウッドハウス」のユーモアミステリ小説集『ジーヴズの事件簿 才智縦横の巻(原題:The Casebook of Jeeves)』を読みました。

    少し軽めの内容の作品を読みたくなったんですよね。

    -----story-------------
    「機略と手際」、これが紳士に仕える私のモットーです

    20世紀初頭のロンドン。
    気はいいが少しおつむのゆるい金持ち青年「バーティ」には、厄介事が盛りだくさん。
    親友ビンゴには浮かれた恋の片棒を担がされ、「アガサ叔母」は次々面倒な縁談を持ってくる。
    だが「バーティ」には嫌みなほど優秀な執事がついていた。
    どんな難帯もそつなく解決する彼の名は、「ジーヴズ」。
    世界的ユーモア小説の傑作選。
    -----------------------

    ユーモア小説作家「P・G・ウッドハウス」の代表作である「ジーヴズ」シリーズの傑作選です… ぐうたらでダメ男の若旦那「バーティー」と、とんち男の召使い「ジーヴズ」、、、

    世界的に有名なこの名コンビと、オマヌケな「ビンゴ」やお節介屋の「アガサ叔母さん」たちが繰り広げる抱腹絶倒の人間喜劇… 天才執事「ジーヴズ」が、様々な事件やトラブルを解決していく痛快ストーリーが愉しめました。

     ■ジーヴズの初仕事(原題:Jeeves Takes Charage,1916)
     ■ジーブズの春(原題:Jeeves in Springtime,1921)
      ・その一 ジーヴズ、知恵を絞る
      ・その二 婚礼の鐘が鳴る
     ■ロヴィルの怪事件(原題:Aunt Agatha Her Mind/Pearls Mean Tears,1922)
      ・その一 アガサ叔母の直言
      ・その二 真珠は涙か
     ■ジーヴズとグロソップ一家
     (原題:The Pride of Wooster is Wounded/The Hero's Reward/
          Introducing Claude and Eustace/Sir Roderick Comes to Lunch,1922)
      ・その一 ウースター一族の名誉の問題
      ・その二 勇士の報酬
      ・その三 クロードとユースタスの登場
      ・その四 サー・ロデリックとの昼食  
     ■ジーヴズと駆け出し俳優(原題:Jeeves and Champ Cyril,1918)
      ・その一 紹介状
      ・その二 エレベーター・ボーイの瞠目すべき装い
     ■同志ビンゴ(原題:Comrade Bingo/Bingo Has a Bad Goodwood,1922)
      ・その一 同志ビンゴ
      ・その二 ビンゴ、グッドウッドで敗退
     ■バーティ君の変心(原題:Bertie Changes His Mind,1922)
     ■『ジーヴスの事件簿』刊行によせて トニー・リング
     ■P・G・ウッドハウス小伝 小山太一

    舞台は20世紀初頭のロンドン… 気立てはいいがおつむがゆるく、服装のセンスも微妙にマズい「バーティ」のもとには、次々と面倒ごとが舞い込んでくる、、、

    「ジーヴズ」が彼の屋敷に到着した日も、「バーティ」は、ちょっとばかり堅苦しい婚約者たっての頼みで、叔父が書いた回顧録の原稿を盗み出さなくてはならなくなった。

    叔父は回顧録の出版を熱望しているし「バーティ」は財政を叔父に頼っている… ところが婚約者は、自堕落で破廉恥な回顧録が出版されてしまったら、「バーティ」とは結婚しないと言い出した、、、

    さて、どうする? 苦悩の末に「バーティ」は行動を起こすが、主人の服装に関してはいささか差し出がましい口をきく「ジーヴズ」の明晰な頭脳は、それをはるかに上回る解決策を弾き出していた(『ジーヴズの初仕事』)。

    「バーティ」に降りかかる災難は、これだけでは終わらない… 親友の「ビンゴ」はいつだって恋の渦中にいるし、「アガサ叔母」は逃げ出したくなるような縁談ばかり持ってくる。

    どの作品も面白かったのですが、イチバン印象に残ったのは『ジーブズの春』ですね。

    好天に恵まれた春の午後、バーティーの恋多き幼なじみ「ビンゴ」にまたしても想いを寄せる女の子が現れた… 相手はロンドン・ピカデリーのしみったれたパン食堂のウェイトレス「メイベル」、、、

    伯父「ミスター・リトル」からの援助で生活している「ビンゴ」は、いかにも「ミスター・リトル」が反対しそうな彼女との結婚が上手く行くよう、「ジーヴス」に手を貸して欲しいと頼む… 「ジーヴス」のアドバイス通り、巷で流行っている「ロージー・M・バンクス」のロマンス小説を読み聞かせることで「ミスター・リトル」の警戒心を解いた「ビンゴ」は、「メイベル」との結婚を了承を得るため、「ロージー・M・バンクス」の正体は「バーティー」だと大嘘を付いていた。

    この計画は成功し、「ビンゴ」は「ミスター・リトル」から「メイベル」との結婚について許しを得るが、価値観の変わった「ミスター・リトル」は自宅で雇っている料理人で「ジーヴス」が婚約していた「ミス・ワトソン」と結婚しようとしてしまう… まさか、「ジーヴス」がここまで計算していたとは、、、

    恐れ入ったし、ちょっとブラックなオチでしたね。


    以下、主な登場人物です。

    「バーティー・ウースター」
     暇を持て余す伯爵位継承予定者。
     ジーヴスは彼にとって一種の先導者であり、哲学者であり、友人である。
     思慮は浅いが、親族や友人のためにためらいなく一肌脱ぐなど、情誼に厚い気持ちのよい人物。

    「ジーヴス」
     バーティーに仕える従者。
     あらゆることに精通しており、主人のバーティーのみならず、その親族や友人たちをその頭脳で助けてきた。
     保守的で、バーティーが買ってくる前衛的なファッションには大抵強硬な態度で反対する。
     ロージー・M・バンクスのファン。

    「ビンゴ・リトル(リチャード・リトル)」
     小中高大学まで一緒に通った、バーティーの幼なじみ。
     何かにつけてバーティーに「お前は俺の友達だろう?」と頼み事をする。
     伯父からの潤沢な小遣いで陽気に暮らしている。春になると誰かしらに恋をするうえ、猛烈に惚れっぽい。

    「モティマー・リトル(ビトルシャム卿)」
     ビンゴの伯父。「脚すっきりしなやかリトルの湿布薬」で蓄財し、先頃引退したばかり。
     作中ではビンゴ・リトルと区別するために「老リトル」と表記されるが、後に結婚し、国王から貴族に列せられ、ビトルシャム卿となる。

    「アガサ・グレッグソン」
     バーティーの叔母。バーティーが子どもの頃から彼を低能呼ばわりし、人生を空費していると指摘し続けている。
     バーティーが最も恐れる人物。身長179cm。

    「ロージー・M・バンクス」
     巷で話題のロマンス小説の作者。
     ビンゴが伯父についた嘘のせいで、ビトルシャム卿はバーティーをバンクスだと思い込んでいた。

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    2023年03月13日
  • アーチー若気の至り

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    シーヴスのシリーズが好きです。今回、初めてシーヴス以外のウッドハウスシリーズを読んでみました。
    苦手な翻訳物なのでちょっとドキドキしましたが、まあ、途中でちょっとしんどくなったものの、それなりに最後までテンポよく読めた。1921年とか、当時NYCとイギリスの英語てどれぐらい違いがあったんやったっけ、、昔なろたけど忘れたな。ともかく、アーチーのいかにもイギリスっぽいくどい喋りがたまらんうける。元ネタで読みたいとおもったが、売ってない!!ちえっ。

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    2022年05月05日
  • ジーヴズの事件簿 才智縦横の巻

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    一編だけ読んだけど、ニヤニヤだ止まらない。(ちょっと行き過ぎた)バカバカしさも、イギリスをイギリスたらしめている特徴なんだと思いいたる。

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    2022年04月14日
  • ジーヴズの事件簿 大胆不敵の巻

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    ネタバレ

    小さい頃読んでいた海外児童文学を読み返したくなりました
    海外っぽいなあっていうユーモアととか皮肉とか馬鹿らしい事件とか、すきです
    ジーヴスが意外と頑固ですぐ服装のことでバーディの冷えた関係になるのもにやにやしてしまいます

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    2022年04月03日
  • ジーヴズの事件簿 才智縦横の巻

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    ちょっと前に途中まで読んで放置してたやつ

    面白かった!どうしようもなく「おぼっちゃま」な主人公と、抜け目ないジーブスの日常がくだらなすぎてのんびり読んでられるところが好き!

    やっぱ海外の読みやすい作品好きかもなあ、
    イギリスではホームズシリーズと並んで有名らしいけど本当なのかな、初めて知った〜

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    2022年04月01日
  • 春どきのフレッド伯父さん

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    可哀想なポンゴ.(トウィッスルトン)の奴は、しょっちゅうあいつのフレッド伯父さんの話を僕にしてくるんですが、その時奴の目に涙が浮かんでなかったと言うなら、僕には涙がどんなものか、そいつを見てもわからないってことでしょう。ハンプシャー州イッケナム、イッケナム.ホ-ルのイッケナム伯爵は、一年の大半はそこの田舎で過ごすんです。
    ですが時々いやらしい具合に首輪をすり抜けて逃げ出して、アルバニ-のポンゴのフラットを襲撃するんです。それでその度毎回、あの哀れな青年は何かしらの魂の試練にさらされるんですよ。あの叔父さんの問題っていうのは、御年六十何歳かになってはいるんですが、帝都に到着するやいなや、弱冠二十二歳の若造みたいな気分になっちゃうところなんです。「過剰」って言葉の意味をご存知かどうか分かりませんが、それが田舎から出てきたポンゴのフレッド叔父さんがロンドンにいるとき、必ずしでかすことなんですよ。-本文より。
    イギリス貴族はこうだと分かる、気位が高いどころかとんでもなく高慢チキで、高圧的。大金持ちの貴族はほんの一握りだが、その金に群がるのはいかさまペテン師だけでは無い。親族だって負けてはいない。博打には金を惜しまないが、身内の無心には耳を貸さない。徹底している。そんな中、我らがフレッド叔父さんは過剰な愛に溢れる人だ。ゆけゆけフレッド叔父さん、甘美と光明を振りまくために。

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    2022年03月02日
  • ジーヴズの事件簿 才智縦横の巻

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    安定の面白さ。虫食い的に読んでいる。なかなか本屋さんにないのは気のせいかな。また見つけたら読んでみようと思う。

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    2022年02月02日
  • ボドキン家の強運

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    気の利いた会話、自立した女性という設定に風変わりな人物が加わって騒動を巻き起こす、映画でいうなら、スクリューボール・コメディ。ウッドハウスが二度にわたり、脚本家としてハリウッドに招かれていた三十年代は、その全盛期。三組の男女の結婚をめぐる顛末を描いたこれは、些細な出来事を大仰なセリフ回しで聞かせる「話芸」を楽しむユーモア小説。主たる舞台は、大西洋航路をアメリカに向かう、R・M・S・アトランティック号の船上。「主な登場人物」は以下の通り。

    モンティ・ボドキン………気のいい青年紳士。大金持ち。ガートルードと婚約中。
    ガートルード・バターウィック………イングランド代表女子ホッケー選手。
    レジ―・テニスン………モンティの友人。ガートルードのいとこ。
    アンブローズ・テニスン………レジ―の兄。モンティの友人。小説家。
    ロッティ・ブロッサム………映画スター。スペルバ=ルウェリン映画社所属。
    アイヴァ―・ルウェリン………スペルバ=ルウェリン映画社社長。
    メイベル・スペンス………ルウェリン氏の妻グレイスの妹。
    アルバート・ピースマーチ………R・M・S・アトランティック号所属スチュアード。

    冒頭、ルウェリンが、真珠の首飾りを密輸せよという妻の指令を、義妹の口から聞くところから話が始まる。そのとき突然話しかけてきたモンティを彼は関税局のスパイだと勘違いしてしまう。なんとか金で丸く収めたいルウェリンは、モンティに口止め料を払う代わりに、俳優として雇おうと持ちかける。何といってもハリウッド黄金期。この話を断る馬鹿はいないはず。モンティは金に不自由はない。ただ、ガートルードの父が無職の夫に娘は遣れないと婚約を認めない。職につけば結婚ができるのだ。

    アンブローズは脚本家としてルウェリン社と契約し、ハリウッドに向かうため海軍省をやめてきた。ところが、ルウェリンが欲しかったのは、あの有名な詩人のテニスン(とっくの昔に死んでいる)だった。人違いと知ったルウェリンはアンブローズの契約を破棄する。アンブローズはロッティと婚約中だったが、プライドの高い小説家は女優に食わせてもらうことをよしとせず、婚約は破棄されること必至。

    弱ったロッティは、ピースマーチの勘違いで手に入れた、モンティがガートルードにプレゼントしたミッキーマウスのぬいぐるみをかたにとり、ルウェリンとの契約条項にアンブローズとの契約も付け加えさせようとする。一方、伯父に命じられてカナダの会社に向かおうとしていたレジ―は、船中で出会ったメイベルに一目惚れ。結婚したくてもレジ―には金がない。ぬいぐるみを取り戻せたらアメリカでの滞在費を出すというモンティの話に乗り、ロッティの部屋に忍び込むが、そこにロッティと兄が現れる。

    アンブローズがロッティに非を悟らせたことで、ぬいぐるみは無事モンティの手に戻るが、兄の立派な振る舞いに自分の至らなさを思い知らされたレジ―は、自分も妻の資産に頼ることをやめる。それでも、メイベルをあきらめきれないレジ―は一計を案じ、首飾りの密輸を引き受ける代わりに、ルウェリン社と契約を結ぼうとする。

    その嫉妬深さでモンティを散々振り回すガートルードの焼きもちの激しさと言ったらない。まあ、昔の恋人の名前を刺青した胸もあらわな写真を婚約者に送りつけるモンティもモンティだが。彼女がまたもや嫉妬した相手が女優のロッティ。赤毛で奔放。子ワニをペットとしてバスケットに入れて旅行中も持ち歩くところから見ても、かなり変わっている。おまけにこうと思ったら汚い真似でも平気でやらかす。メイベルはハリウッド・セレブ御用達のオステオパシーの施術師で、姉譲りの美貌だけでなく怜悧で仕事のできる女性。

    元気で行動的な女性に比べると。男たちは人柄の良さ以外に誇るところがない。モンティは金はあってもその使い方を知らない。レジ―はモンティのためにひと肌も二肌も脱ぐのだが、やることなすこと裏目に出る。海軍省に勤務しながら小説を書くオックスフォード出身の小説家とくれば、まるでル・カレだが、アンブローズは真面目一点張りで融通が利かない。美貌の妻の尻に敷かれ、義妹を厭いながらもその力を借りずにいられないハリウッドの大物ルウェリンもそうだが、総じて男の影が薄い。

    真珠の首飾り、ミッキーマウスのぬいぐるみ、結婚、というお題による三題噺。金もあり、家柄も人柄もよい青年紳士が、無職というだけで結婚できない、という不条理さが笑える。モンティのような億万長者が働く必要がどこにあるだろうか。まあ札束で人の頬を引っぱたたいたりしないところは買えるが。テニスン兄弟にしたところで、女性は立派な職業婦人として自活しているのだから、結婚してから何なりと仕事を探せばいいだけのことだ。そのいかにも上流階級らしい浮世離れしたところに、俗世間とズレた面白さがある。

    映画『めぐり逢い』をはじめとして、大西洋航路を舞台にとった名作は数多い。飛行機ではなく、ゆったりとした旅程を楽しむ、サウサンプトン発、シェルブール経由ニューヨーク行きの六日間の船旅。人との出会いや別れを描くには最良の舞台だが、それを逆手に取って、船室を交換したことによる、すれ違いや人違いを使って、家柄と人の良さだけが取り柄の男たちを徹底的にいたぶる、人を食ったユーモアはウッドハウスの真骨頂。ジーヴスが有名だが、今回初登場のピースマーチもそれに負けない働きぶり。新シリーズから目が離せない。

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    2021年08月31日