松成真理子のレビュー一覧
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2025年度 読書感想文課題図書 低学年
つうがくろのとちゅうにネコがいた。なんどもいた。あめがふってきたのにそこにいる。かえるところがないのかな。つれてかえって、おかあさんにはこにはいってすてられていたとうそをついた。かってもいいって!おなじころ、てんこうせいがきたんだよ。ひっこしのときにネコがにげたんだって。ぼくはドキリとした。
ネコを飼ったことがなくても主人公に感情移入しながら読める良いお話でした。お母さんにも、転校生にも嘘をついてしまい、どうやらネコは彼の家のネコのようで、うそをついたことと、ネコを手放すこと両方に苦しみます。さあ、彼はどうするのでしょうか。
総ルビ、79ページ。全見開 -
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ネタバレいきなりタイトルを裏切るけど、僕の猫ではないのです。
連れ帰ってしまった猫への愛情。
実はその猫を探している転校生との友情。
“捨てられていた”と親に嘘をついてしまったことへの罪悪感。
返さないといけない、返したくないの間で生まれる、後ろめたさ。
転校生を拒絶した自分への嫌悪。
友達が探しているのが、どうか違う猫でありますように!という、小さくも強い願い。
まだ低学年であろう主人公の心の中が、色んな気持ちでいっぱいいっぱいになっているのが切ない。いやこれ大人でも心ぐちゃぐちゃになる体験。
でも猫の気持ちを最優先に考えたら、やるべきことは1つだけだったことに、ちゃんと気づく。転校生の家に走 -
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この本、とても良かったです。幼い頃に大切にできる動物に出会えること、その感性が生まれること、備わっていることは、他に代わりきかない幸せだと思います。
見つけて自分の猫にしたポーは、転校してきたクラスメイトの猫のトムかもしれない。
主人公の男の子の心の揺れ動きが伝わってきます。
松成真理子さんのやわらかい絵が物語全体を包み込んでくれます。主人公の男の子にエールを送りつつ、大丈夫だよと語りかけるようでした。
多くの子に読んで欲しい一冊ですし、可能な限りコンパニオンアニマルと接する、生活する経験を沢山の子にさせてあげられるといいなと思います。私も幼少期にそんな経験があったら、きっと性格も人生もも -
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漢字 小学校低学年レベル
フリガナ あり(全ての漢字に)
文字の大きさ 大
長さ 中くらい(79ページ)文字大きめ
出版年 2024年
内容 近所で拾って買い始めた猫が、転校生の森君の「いなくなった」飼い猫ではないかと気づいた主人公が、葛藤しつつも、猫を返すまでの物語。2025年読書感想文コンクール課題図書。
感想 幼い子どもの一人称視点(その比較的狭い視点と、近視眼的なものの考え方)が上手く描かれていて、まるで自分が子どもそのものになったように入り込める。主人公は「ポーの気持ち」を慮って猫を返す。できれば森君の気持ちも慮れるようになれたらよかった、と一読後には思ったが、幼い子どもらしいといえ -
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はるをよぶ ねこの 絵本ですね。
かんのゆうこさんの四季のねこシリーズのはるです。
ぶんは かんのゆうこさん、東京生まれ。絵本作家。
えは 松成真理子さん(1959ー)大分県生まれ大阪育ち。イラストレーター、絵本作家。
あやちゃんのもとに いっつうの てがみと、わかくさいろの きんちゃくぶくろが とどきました。
きょねんの はるさきに であった はるねことの
ものがたりが はじまります。
春にふさわしい、夢のあるファンタジーで、ワクワクする絵本です。
絵も水彩画で、優しく春の薫りがわきたつような、ふわりとした爽やかな魅力的な作品です。
今の季節にぴったりな絵本を楽しませていただきました。 -
Posted by ブクログ
かんのゆうこさんの「四季ねこ」シリーズの、春バージョンは、これまで読んできた、「あきねこ」や「ふゆねこ」とも共通するものとして、その季節でしか味わえない雰囲気を、五感で見事に体感させてくれた、絵本ならではの、色鮮やかに柔らかく匂い立つような、暖かい春を楽しめる作品です。
また、これまでの、ねこが何かをしてあげる物語とは対照的に、ねこが子どもに助けてもらう物語には、春の到来と重ね合わせた、希望の到来を叶うことが出来るのが、まるで純粋無垢な子どもであるようにも思われた、そんな前向きで健気な明るさが、爽やかな春の到来と見事に呼応しているようで、心地好く感じられると共に、それを叶えるための鍵が子