あらすじ
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今年はなかなか春がきません。“はるねこ”が「はるのたね」をなくしてしまったらしいのです。そこで、あやははるねこと、おりがみで春をつくることにします。
・文/かんのゆうこさんからのメッセージ
以前、あるテディベア作家さんの作品を見ていたときのことです。
テディベアが並ぶ中、なぜかいっぴきだけ、ねこがちょこんとすわっていました。
そのねこが、今までに見たことのない、若草色をしたねこだったのです。
それがとても心に残り、いつか若草色のねこの話を書きたいなぁ、と思っていました。
季節は……そう、春がいい。そこには春を待ちわびる女の子がいて……。
だんだんと私のイメージはふくらみ、このお話が生まれました。
松成さんの描いてくださった、いのちの輝きあふれる春の世界を存分に味わいながら、
はるねこの物語を楽しんでいただけたらうれしいなぁ、と思います。
・絵/松成真理子さんからのメッセージ
はるねこ はるねこ わかくさいろのねこ なくしたきんちゃくぶくろに はるのたね。
「えー!わかくさいろの ねこですって?」と、最初にお話の中のあやちゃんみたいに驚いた後、猫を飼ったことがないので、近所の猫を観察に出かけました。こちらから声をかけると大抵、無視出来ずに振り向いてしまうようです。そして“目ぢからくらべ”をした後 、『私たちの猫時間に何か用でも? 用がないなら行くわよニャ~』と言って去っていきました。猫時間を大切にしているんですね。ごはんの時間、猫会議の時間、ひなたぼっこの時間はことさらに。どの猫も一人前(一匹前)に堂々と誇らしく見えて素敵でした。
丁度今頃、はるねこが、はるのたねをはこんでいます。もうすぐ春がやってきます。
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感情タグBEST3
Posted by ブクログ
今の季節にぴったりの絵本です。
カラフルな色使いで描かれた絵がとってもキレイで、本の中で春を感じることができました。
また、登場人物のあやちゃん、はるねこもとってもかわいかったです。
お気に入りは、はるねこが春が来なくて寒がって鼻水が垂れちゃってるページです。
春が来るのが待ち遠しくなりました。
Posted by ブクログ
はるをよぶ ねこの 絵本ですね。
かんのゆうこさんの四季のねこシリーズのはるです。
ぶんは かんのゆうこさん、東京生まれ。絵本作家。
えは 松成真理子さん(1959ー)大分県生まれ大阪育ち。イラストレーター、絵本作家。
あやちゃんのもとに いっつうの てがみと、わかくさいろの きんちゃくぶくろが とどきました。
きょねんの はるさきに であった はるねことの
ものがたりが はじまります。
春にふさわしい、夢のあるファンタジーで、ワクワクする絵本です。
絵も水彩画で、優しく春の薫りがわきたつような、ふわりとした爽やかな魅力的な作品です。
今の季節にぴったりな絵本を楽しませていただきました。
Posted by ブクログ
かんのゆうこさんの「四季ねこ」シリーズの、春バージョンは、これまで読んできた、「あきねこ」や「ふゆねこ」とも共通するものとして、その季節でしか味わえない雰囲気を、五感で見事に体感させてくれた、絵本ならではの、色鮮やかに柔らかく匂い立つような、暖かい春を楽しめる作品です。
また、これまでの、ねこが何かをしてあげる物語とは対照的に、ねこが子どもに助けてもらう物語には、春の到来と重ね合わせた、希望の到来を叶うことが出来るのが、まるで純粋無垢な子どもであるようにも思われた、そんな前向きで健気な明るさが、爽やかな春の到来と見事に呼応しているようで、心地好く感じられると共に、それを叶えるための鍵が子どもの折り紙である点も、とても印象に残ります。
折り紙には、子どもが自らの創造力と手で新しい何かを生み出すイメージがあり、私が子どもの頃、初めて鶴を折り上げた時の喜びが忘れられないように、その過程には、まるで命を吹き込んでいるような特別な気持ちを抱いていた、そんな子どもにとって、夢のあるものからは、もしかしたら、いろんな春も折り上げることが出来るかもしれないねといった、素敵な気持ちにさせられる展開が、まさに子どもにとって、春を心待ちにするだけでなく、自分で呼び寄せたくなる心境にさせてくれるような、そんなワクワク感があり、しかもそれが春の象徴でもある、はるねこにとっての喜びにもなることには、まるで子どもと春に共通点があるような様に、人と自然が共存するあり方を教えてくれるようです。
そして、そんな子どもの無垢な気持ちを後押ししてくれるのが、松成真理子さんの、まるで子どもが描いたような夢の中の心象風景に近い、素朴でメルヘンチックな感覚の中に、色鮮やかで立体的な五感を心地好く刺激してくれる水彩画であり、表紙の絵こそ少し怖いイメージがあったものの、物語の展開を追っていく内に、それも次第に消えていき、そこには、女の子「あや」とはるねこが一緒に楽しみながら、春を作り上げてゆく過程を知ることで、絵も優しいものに感じられていった、そんな二人の純粋無垢な思いと、かんのさんの文章と松成さんの絵とが、こんなにも見事に結実した一体感は、淡い水色の空と、桃色と黄色の花々と、たくさんの動物たちに囲まれた中を吹き抜ける、春一番の風からも実感させてくれた、春の持つ、明るく爽やかな希望の力を、改めて教えてくれます。