藤島大のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「ラグビーのワールドカップは『記憶の祭典』である」
この一文が心に深く刺さりました。
観戦した試合の経過や結果よりも、スタジアムで感じた興奮や感動、それと少しばかりの後悔が鮮明に記憶に残っています。
雨の横浜でフラワー・オブ・スコットランドとアイルランズ・コールの大合唱に参加でき、なぜか胸に込み上げるものを感じたこと。
釜石の真っ青な空にブルーインパルスが残したまっすぐな白い線。そしてスタンドで見かけたあの人は確かにスコット・ファーディーだったのに、声をかける勇気がなかったこと…。
ラグビーワールドカップ2019はまさに私だけの「記憶の祭典」なのです。
この本のフィジーvsウルグアイの章を読 -
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(2016/12/31)
2015年にエディジャパンが成し遂げたワールドカップでの活躍の大本となっている理論は、
実はそれより数十年前に大西鐵之祐が構築していた、ということがわかる。
海外の理論をそのまま取り入れても、体格の劣る日本人が海外勢に勝てるわけがない。
日本は日本の特性である勤勉性や重心の低さを活かして、敵に勝つ方法を考えよ、
エディのいうジャパンウエイを、大西はとっくに実行していた。
それが1971年のジャパンの伝説のイングランドとの死闘であり、
1968年のオールブラックスジュニアへの勝利だった。
かつて日本は世界に通用していたのだ。
もう一人、世界に通用した監督は1989年 -
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「幸せでした。早稲田のキャプテンやって優勝た時は幸せすぎて死んでもいいと思った」
柯子彰
文中にある言葉です。
この瞬間、自分は世界で一番幸せだと思えたらこんな素晴らしいことはありませんね。
好きな箇所
早稲田大学スポーツ社会学の教授でもあった大西鐡之祐の講義の1場面
『今日文学部のスロープを上がってくるとき、授業を終えて坂を下りてくる女子学生に声をかけたやつはおるか?』
ざわつく教室。
『そこで、ええ娘やなあ、思うたら声をかけるんや。それで、お茶でも飲んで、語り合って。もう、みんなの年齢なら、はっと、いいなあ思ったら決まりだ。それをする人間と、しない人間では、全然、人生が違うんだ』
早 -
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早稲田大学ラグビー部の春から大学選手権決勝に至る1年間を新入部員の草野点の視点から追ったスポーツ小説。あくまでもフィクションですが、おそらくは著者の藤島氏自身の経験(著者は元早稲田大学ラグビー部在籍)と取材を基に、描かれており、80年代の早稲田大学ラグビー部の実情をかなりのリアリティーで描いています。巻末の解説でも清宮克幸氏(元早稲田大学ラグビー部監督)が触れておられますが、本書に登場する個性あふれる部員の姿は「おそらくあの人」という、実在の選手がモデルになっているようです。
描かれているのは日常の練習風景が大部分です。冬の公式戦でのレギュラー獲得を目指して、部員一人ひとりが自らを鍛えぬく様子 -
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歴史を辿っているかのような感覚になる。
熱くて厳しく優しい。
そして何よりも、「ラグビー」にフェアな立ち位置で見つめられた文章。
記事やコラムを時系列でまとめた一冊で、別々の時間に書かれたものとは思えない一貫した想いを感じることが出来る。
新聞記事など即時性の高いものもあるだけに臨場感があって迫力がある。
シンプルというより愚直。
虚飾が無いからこそ、熱さが伝わってくる。
スポーツへの愛ってこういうことだと思う。
ワールドカップ開幕前から1週目にかけて読んでいただけに気持ちがシンクロして全部のワールドカップを体感しているみたいだった。
帯、最高。
「28年間の醍醐味をこの一冊に凝縮 -
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日本ラグビーの黎明期にラグビーを始め、当時は大学対抗など国内での試合がメインであった日本ラグビー界に日本代表チームの存在を打ち立て、海外の代表や大学チームとの試合にも実績を残した指導者、大西鐵之祐氏のラグビー人生と、ラグビーに対する哲学をまとめたノンフィクション。
ラグビーに限らず、スポーツとは何か、なぜ勝ちにこだわるのか、といったスポーツに纏わる普遍的な問いに対する大西氏の哲学が、様々なシチュエーションでの大西氏の言葉で綴られいます。以下、本書抜粋
「スポーツにおける闘争を教育上重要視するのは、ラグビーで今この敵の頭を蹴っていったら勝てるというような場合、ちょっと待て、それはきたないことだ、 -
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1970年代の最後のあたりから1980年代なかばの早稲田大学ラグビー蹴球部を舞台とした小説である。主人公は福島県出身のフッカー・草野点(くさの・ともる)。彼の大学一年生の一年間が描かれている。※「岡田次郎」という大学二年生のキャラクターが、早大学院(早稲田大学の付属高校)が昭和52年度に初めて花園出場した時に高校3年生という設定なので、時代背景としては「1979年」の要素が大きいか。
作者・藤島大は早稲田大学ラグビー部出身のスポーツライターで、卒業後はコーチを務めるなど長く早稲田大学ラグビー部に関わっているため、文章のあちこちから往時の「ワセダラグビーのリアル」が色濃く感じられる。もともと藤島 -
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硬く素っ気なさを意識したハードな文体なのに所々で甘えん坊さんのかわいい系を狙った感じが出てしまうのはなんなんだろう。早稲田大学ラグビー部での日常こそが既に非日常であり異彩を放っているので、文体で遊ぶ必要は全然ないと思うのだけど。
主人公の他者性のなさき自閉した感じで独特。ライバルとか同期とかってもっと鮮烈じゃない?先輩の最後の試合ってもっと華やかなものじゃない?中学時代に捨てた不良の仲間に対する思い入れはなくてラグビーの仲間だけがあなたの本当の友達なの?おおこわ、ドライに過去を切り捨てるのこわ。
と文句ばかりになりましたが大変面白く手が止まらな9なるので読むべし。 -
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著者がスポーツ記者として過去に書き連ねた文章を、ラグビーW杯という形でまとめた本。
最後の2014年大会は、熱量も伝わって読んでて熱くなった。
ただし、それ以外の大会、特に初期の大会だと、著者の力量の問題なのか、あるいはスポーツ雑誌特有の言い回しが自分の肌に合わないのか、何とも読みづらかった。
単に歴史を知るのであれば、ちゃんと推敲された文章の方が良い。
おそらく、当時の熱量を伝えるには、そのとき書いた文章が良い、という判断で出版された本なんだろうけども。
とはいえ、今までラグビーにほぼ興味がなく、しかし、せっかくの2019年日本開催ならば、すぐに観に行ける環境なのだから観てみよう!と