青谷真未のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
図書室が舞台の小説が読みたくて、初めての作家さん。
司書さんや図書委員目線のお話はありがちだけど、読書嫌いの主人公はなかなか珍しいのでは。読書が苦手な理由も予想外でびっくりした。周囲の人の文字や筆跡、色に関する文章が多かったのはそういうことか。
自分の本棚や好きな本を知られるのは、胸の内を晒しているようで苦手だけど、なるほど読書感想文もそうかも。それを宿題でやってたって…今思うとすごい。
読書は現実逃避じゃなくて、現実に立ち向かう術の一つ。素敵な考え方。樋崎先生の憎めない感じも良い。
荒坂くんと藤生さんのコンビも良い。もっとこうすればいいのにって思うのは、相手に期待してるから。荒坂くんの擦れて -
Posted by ブクログ
切なくて,透明で,胸がきゅっとなる話。
青谷真未さんの小説の言葉の透明感が好きで,特にこの話の言葉の使い方が大好きです!ピアニストの指使いのようにすらすらと導かれているみたいに言葉が頭に入ってくるのが,魅力的です。
自分を持つこと,わがままを許してあげることが,一生に一度しかない自分の人生を楽にしてあげるために必要なことなのかもしれないなと思いました。人生は案外短い。他者や過去に縛られてばかりだと,自分の人生は見えなくなってしまう。他者や過去に流されてばかりになるのではなくて,自分がしたいこととしっかりと向き合ってみることが必要なんだろうなと感じました。
記録には残らない今を自分なりでいい,ま -
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて借りましたが、期待以上に楽しめました。
読書が嫌いなのに楽そうだからという安易な理由で図書委員になった主人公荒坂浩二。廃刊になり久しい図書新聞の再刊を頼まれ、同じクラスの図書委員であり、本が大好きな藤生蛍とともに図書新聞を作るべく、読書感想文を書いてくれそうな人に依頼する事になるのですが…。
依頼相手の選んだ本を巡りミステリー仕立てに話が展開して行き、謎を負ってたどり着いた先には思いもしなかった真相が待っていました。
この中で何冊か本が紹介されていますが、藤生さんの本の知識が素晴らしい。森鴎外や安部公房、ヘルマン・ヘッセなど今は自分から進んで読まなくなっていたけれど改め