青谷真未のレビュー一覧
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近所の本屋で何気なく手にした本。帯に小島秀夫さんの「いとも簡単に”読書の真髄”を教えてくれる。なんとも素晴らしい小説だ。」とのコメントに興味を持ったので購入した。
読書に興味のない高校二年生の荒坂浩二さんが、楽な仕事と思って入った図書委員。そこで図書新聞の再刊を任されてしまい、同級生の読書好きの藤生蛍さんとともに紙面づくりに奔走する。読書感想文の執筆を先輩、同級生、先生の三人に依頼していくが、果たして無事に感想文を入手することができのか?というお話。
文芸書を読む楽しみ方にはいろいろな視点があり、その視点が人生をより豊かにしていく原動力になっている。
豊かな人生を送る糧としての読書を体感できる -
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ネタバレ本屋さんや出版社をフォローしているだけのTwitterで出版前からやたら評判がよかったので気になっておりました。
重くない物語が読みたいと思った時のチョイス。
読書嫌いの主人公が楽だろうからという理由で図書委員になるけれど、読書嫌いが理由で司書の先生に「図書新聞を作れ」と無茶ぶりされる。記事にするための読書感想文を通したミステリっぽい学園ものでした。
容易に一気読みできる面白さ。さわやかさ。
途中、主役の子をアマデウスかよ!と思ったのですが最後なんだそれチートっぽくね?みたいな感じでしたが、すっきり読めました。この二人のコンビでビブリオミステリ面白そう。 -
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ネタバレ伏線の張り方が凄かった。
確かに冒頭に「全て想定内」と言ってはいたが、主人公は分かっていたんだなと。
初恋相手が何故主人公のことを思い出せなかったのか、主人公が極端に多くを望まない理由などなど、段々と明かされる秘密に「ああ、だからこういう書き方していたんだな」と後からびっくりさせられること多数。
構成がうまい。
幻香師という職業も細やかに練られていて、素敵な職業に思えた。
実際はクレームも多いのだろうが。
自分が実際に身に着けているお守りの力を信じてみたい、そんな気にさせてくれる話だった。
そう、主人公が彼のことを「魔法使い」だと信じてきていたから、彼も救われたことが多々あった。
信じる力は -
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ネタバレ村の揉め事をあくまで現実的な理論で解決へ導く綾乃。
母のことがあったとは言え、その観察眼恐るべし。
その理論も、各調停後のご当主と当事者の会話で非日常へとひっくり返るのは驚きつつも面白かったです。
人間の世界から、話が進むごとにじわりじわりと妖たちの世界へと誘われる、その匙加減が絶妙でした。
桜の話が特に素敵で泣けました。
ご当主家と綾乃の母との因縁が分かりそうで分からない、ラストでようやくその点の謎も明かされてすっきり。
そして、更なる暴露話でご当主の謎(本人にしてみれば綾乃にだけは明かされたくなかったであろう事実)も明らかになり、読者側にしてみれば何たる嬉しいサービスもあり、大団円で終わっ -
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スカイツリーを見上げる下町の片隅にある、架空の商店街の物語、第3弾。
知らない作家さんの名前も増えてきたが、今回もまた一段と、箱庭世界が充実していった。
自分のコレクションが増えていくような気持ち。
自営業と後継ぎという定番の物語、古くなってしまった業種、逆に商店街にはそぐわないようなおしゃれな店舗のことなど、品ぞろえ多数。
その中、シリーズで一番最初のお話だったカフェ・スルスのその後の様子を知ることができてよかった。
また、店の内情は一つもうかがわせず、舞台として使われている「アイスバイン」は、ちょっと異色で、文学的にして官能的である。
『明日の湯』が一番好きかも。
そして、お店をやってい -
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ネタバレ大好きな明日町シリーズ、第三弾
一軒目「カフェ スルス~一年後~」大島真寿美
平均年齢60歳。老後の楽しみに開いたお店に咲く恋の花。
二軒目「ブティックかずさ」 越谷オサム
三十近いひきこもりがちのバンドマンの一人息子VS昭和の香りプンプンな「ブティックかずさ」を守り続けている父。
三軒目「エステ・イン・アズサ」青谷真未
お互いを思いやるお嫁さんと姑さん、なんて素敵なんだ。
四軒目「明日の湯」秋山浩司
銭湯の壁の絵にまつわるおばあちゃんの恋心に、心がぽかぽか♪。
がんばれ三太郎!
五軒目「ドイツ料理屋・アイスバイン」島本理生
ずっと好きでいたいからと、他の男性と結婚した主人公。
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幼い頃に両親を亡くした善治は、伯母の家に引き取られ、伯父と従兄の大我と暮らしていた。優しい伯母たちだが、善治は迷惑をかけてはいけないと、ずっと思っている。大我は犬の訓練士になり家を出ているのだが、善治が大学生になると、元警察犬のアレックスをしばらく預かってほしいと家に連れて来る。実は犬が苦手な善治なのだが、犬好きの伯母たちに気を使って、一緒に犬の世話をすることになるの…。
それぞれに訳アリの犬たちと飼い主たちが登場する。そして、犬と人間が抱えている様々な困難な気持ちが、少しづつほぐれていく。
犬好きの人だけでなく、犬が苦手な人にもお薦めかもしれない。