新井見枝香のレビュー一覧
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食レポ系のエッセイかな、と思った。
千早茜、新井美枝香、2人の往復エッセイ。
ふたりとも、美味しいものには目がなくて、
食への姿勢が合うらしい。
ただ何でもいっぱいと言うのではなく、好みに合致したものをかなりたっぷりと!
新井どん(文中千早さんがそう呼ぶ)は好みの物や事に正直で、思い切りよく、ひと目を気にせず豪胆!
しかし、繊細であり、配慮も出来て、気を許している人への可愛らしさが、いい味出している。
ちはやん(文中新井さんがそう呼ぶ)は、自分の事を記録魔と云う。
人の記録にはルールがある。
まず決して暴いてはいけない。
その人が見せてくれる顔、言動を文字にするだけ。
こういう人だろう予 -
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おそらくお二人は、食を通して「ひとつ」になっていくのが嫌なんだろうな、と。
それぞれ独立した食材が、口の中で咀嚼されて、ぐずぐずの「ひとつ」になってしまう感じ。だけどお二人は、一緒に食事しても独立した「ひとりとひとり」でいられるから、それが心地良いのだろうな、などと考えてしまった(赤の他人がそのように分析し決めつけるのは、ひどく失礼だし無粋だとは思うが)。
食に対する妥協のないスタンスが、もはや運命的と言えるほど合っているのだろうな。
食に対するスタンスってもしかしたら一番重要で、そこが合わないと他の性格や価値観的なアレコレも合わないだろうし、だからお二人がとても羨ましく思えた。
自分 -
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新井見枝香(1980年~)氏は、東邦音楽大学中退後、三省堂書店有楽町支店のアルバイト社員を経て、契約社員、正社員となり、池袋本店、営業本部、神保町本店に勤務した後、HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGEを経て、同渋谷支店。三省堂勤務時より、カリスマ書店員として注目を集め、新井氏が個人的に推す本に贈られる「新井賞」を2014~2020年に主催した(同賞は、芥川賞・直木賞発表日の夜に発表され、売上が直木賞受賞作を上回ったこともある)。
本書は、2017年発表の処女エッセイ集『探してるものはそう遠くはないのかもしれない』に次ぐ2作目であり、2018年に出版、2021年に文庫化された -
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書店員、エッセイスト、踊り子の3足のワラジを履く新井見枝香さんのエッセイ。
気になる書店員さんがストリッパーを始めたとWebニュースで知り、時々携帯でググっていた。書店員を辞めた訳でもなく、エッセイは出していて、ストリッパーも続けている。
もう気になって仕方なく、このエッセイが出るのを心待にしていた。
内容は、著者のストリッパーとしての活動について綴られている。
ストリッパーとしての苦労も綴られているが、本人が選んだ仕事。悩んだり、面白いと思いながら続けている様子がストリップ観てみたいかも。って思わせるような、そうでもないような。そのように、描いている訳ではないのだろう。
ただ、ストリッパーの -
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新井さんとは一回だけ仕事でお会いすることがあったが、サバサバした印象の女性でこのエッセイから感じられる人物像に近かった。
そもそも「新文化」という業界紙で読んでいたが改めて読みたくなって購入。
まとめて読んでみると、その文章力(特に構成力)に驚く。とにかくまぁ面白いんだ。いろんな出来事に遭遇してるし、その遭遇したエピソードをうまく文章にしてるし、さらにさりげなく本の宣伝もしてしまうんだからもう脱帽しかない。
しかも、この本には収載されていないが行動力もすごい。そのエピソードを初めて読んだときは呆然としてしまった。
それでいて、意外と女子なところも微笑ましい。エッセイ読んで初めて思ったことだが、 -
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ネタバレ「新井賞」は聞いたことがありましたが、普段、文芸書を読まないのであまり興味はありませんでした。
タイトルに惹かれて、読んでみました。
大量に本を読んできた方が文章を書くと、軽快で、言葉選びが絶妙で、こんなにおもしろいのか! と驚きました。
編集者さんとの原稿の直しバトルの部分が共感できました。そうそう、ちょっと直されただけで、自分の文章でなくなってしまうのですよね。ほんの小さな言葉の違いなのに、ニュアンスが変わってしまうこと、よくあります。
私も、編集者さんに屈せず、自分の想いを伝えられるように、強い信念を持とうと思いました。