新井見枝香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
食レポ系のエッセイかな、と思った。
千早茜、新井美枝香、2人の往復エッセイ。
ふたりとも、美味しいものには目がなくて、
食への姿勢が合うらしい。
ただ何でもいっぱいと言うのではなく、好みに合致したものをかなりたっぷりと!
新井どん(文中千早さんがそう呼ぶ)は好みの物や事に正直で、思い切りよく、ひと目を気にせず豪胆!
しかし、繊細であり、配慮も出来て、気を許している人への可愛らしさが、いい味出している。
ちはやん(文中新井さんがそう呼ぶ)は、自分の事を記録魔と云う。
人の記録にはルールがある。
まず決して暴いてはいけない。
その人が見せてくれる顔、言動を文字にするだけ。
こういう人だろう予測を立てる事も、話してくれない事を探ることもしてはいけない。
自分の意図が絡むとそれは、もう記録ではないから。
そばにいることを許されているのだと忘れないようにする。
ちはやんの母は国語教師だった。
その母に毎日、日記を提出する日課があった。
赤ペンで真っ赤に染まった日記が返ってくる。
5歳頃からの積み重ねが今の素晴らしい文章表現に繋がっているのだろうか。
結局、この本は単なる食レポではなかった。
(美味しそうな店はいっぱい出てきたけれど!)
2人、それぞれの生き方、人との関わり方、大切にしていることが書いてあった。 -
Posted by ブクログ
新井見枝香(1980年~)氏は、東邦音楽大学中退後、三省堂書店有楽町支店のアルバイト社員を経て、契約社員、正社員となり、池袋本店、営業本部、神保町本店に勤務した後、HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGEを経て、同渋谷支店。三省堂勤務時より、カリスマ書店員として注目を集め、新井氏が個人的に推す本に贈られる「新井賞」を2014~2020年に主催した(同賞は、芥川賞・直木賞発表日の夜に発表され、売上が直木賞受賞作を上回ったこともある)。
本書は、2017年発表の処女エッセイ集『探してるものはそう遠くはないのかもしれない』に次ぐ2作目であり、2018年に出版、2021年に文庫化された。尚、初出は出版業界の専門誌「新文化」の連載コラムである。
内容は、本や書店における日常をテーマに、新井氏の思いを徒然に綴ったもの。
私は、ノンフィクション物を中心に本をよく読む方であるが、本や読書について書かれた本はやはり好きで、今般偶々新古書店で本書を目にし、手に取った。
一読して、著者の、ネタを見つける鋭い感性、及びそれをキャッチ―な表現にする技術の高さに舌を巻いた。カリスマ書店員として、ヒット作を次々と世に送り出したのもむべなるかなである。
それにしてもである。著者は「はじめに」で次のように書いている。「現役書店員によるコラムは、ネタが尽きることもなく100回以上続いている。その間にたくさんの書店がなくなり、多くの仲間が業界を離れていった。それでも、書くことで何かを変えたいという気持ちは未だに湧いてこない。本屋で働くことに、特別な意味を見出せていないし、無理に続ける気もないのだ。仕事がなくなれば別の仕事を探すまでよ。それは、悲しいことでもかわいそうなことでもない。ちょっと面倒くさいだけの話だ。」 本が好きであること、書店員の仕事が大好きであることは、本書のあちこちから滲み出ているにもかかわらずである。
著者はおそらく、何を売ってもカリスマ店員になるのだろう。しかし、著者が書店員になったことは、本人のみならず、そして、著者が勤める書店のお客さんに限らず、このように本書を楽しめる我々にとってもラッキーなことに違いない。
(2023年5月了) -
Posted by ブクログ
書店員、エッセイスト、踊り子の3足のワラジを履く新井見枝香さんのエッセイ。
気になる書店員さんがストリッパーを始めたとWebニュースで知り、時々携帯でググっていた。書店員を辞めた訳でもなく、エッセイは出していて、ストリッパーも続けている。
もう気になって仕方なく、このエッセイが出るのを心待にしていた。
内容は、著者のストリッパーとしての活動について綴られている。
ストリッパーとしての苦労も綴られているが、本人が選んだ仕事。悩んだり、面白いと思いながら続けている様子がストリップ観てみたいかも。って思わせるような、そうでもないような。そのように、描いている訳ではないのだろう。
ただ、ストリッパーの先輩の姐さんたちとの、合宿のような生活や仕事終わりに温泉に入り疲れを取っている所の話は本当に楽しそう。
何にも執着しないという著者が、執着してしまう気持ちが分かる。
しばらく新井見枝香さんから目が離せそうにない。 -
Posted by ブクログ
新井さんとは一回だけ仕事でお会いすることがあったが、サバサバした印象の女性でこのエッセイから感じられる人物像に近かった。
そもそも「新文化」という業界紙で読んでいたが改めて読みたくなって購入。
まとめて読んでみると、その文章力(特に構成力)に驚く。とにかくまぁ面白いんだ。いろんな出来事に遭遇してるし、その遭遇したエピソードをうまく文章にしてるし、さらにさりげなく本の宣伝もしてしまうんだからもう脱帽しかない。
しかも、この本には収載されていないが行動力もすごい。そのエピソードを初めて読んだときは呆然としてしまった。
それでいて、意外と女子なところも微笑ましい。エッセイ読んで初めて思ったことだが、彼女が幸せな日々を送れたらいいなと願う。まずあなたな!と言われてしまいそうだけど。