新井見枝香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
出てくる食べ物がどれもこれも美味しそうでお腹が空いたし、食事にもっと集中して食を大切にしようと思った。
私は好きな作家のひとりに千早茜を挙げるが、好きな所のひとつに「食べ物の描写が異様に上手い」というのがある。どの作品でも読むとお腹が空いたり、作中に出てきたものを自分も食べたくなる。きっと美味しいものをたくさんご存知なのだろうと思っていたが、食に対する意識が私と全然違った。目の前にあるものを五感でまるっと体験し、それらをメモすることで経験値として蓄積している。彼女の文章には普段の積み重ねが遺憾無く発揮されているのだろう。
そんな『ちはやん』の胃の合う相棒『新井どん』こと新井見枝香という人のことを私はこの本で初めて知ったのだが、なかなかその辺にはいないユニークな方だと思う。文章も結構アクロバティックというか、「見事な着地」と思わず拍手したくなるような意外な発想は面白くて思わず笑ってしまう所が多々あった。
食に対して似た意識を持つ二人が一緒に食べながら全然違うことを考えているのが判明したり、二人の関係性が楽しい。こんな関係性の友人が私もほしいと少し羨ましくもある。挿絵はおふたりそれぞれのハイライト部分を一つの絵にうまく落とし込んでいてまた笑ってしまう。
これを読んでどうしても気になって初めて湯圓を食べたのは良い思い出。次は家で中国茶を楽しもうと思っている。 -
Posted by ブクログ
お茶をこよなく愛する記録魔の作家・千早茜。季節を問わずかき氷を食べまくるストリッパーの元書店員・新井見枝香。「胃が合う」2人が集えば、とびきりの美味探求が始まる。
千早茜さんと新井見枝香さんの往復エッセイ。
おいしいものを好きに食べ、自由に生きる2人の姿が軽やかで素敵です。
私も美味しいものが大好きなので、ここ行ってみたかった店だ! とかこれ食べたことある! とかもちょいちょい出てくるのが楽しい。
でも、「銀座パフェめぐり編」だけは羨ましすぎて嫉妬しました(笑)私も銀座でパフェを5杯はしごできる強靭な胃とそんなハードな行程に付き合ってくれる友達が欲しい……!!
食べ物のことだけでなく、月日の流れによるライフステージの変化や、コロナ禍での生活、2人つかず離れずの友情や信頼関係がしっかりと見えて、友情小説としても良いです。
居心地の良い素敵な関係。何かの折に、また近況が聞いてみたい。そんな気分にさせてくれるからっと爽やかなで美味しい往復エッセイでした。 -
Posted by ブクログ
新井見枝香さんがかつて三省堂書店のカリスマ書店員時代、個人文学賞の先駆け的な「新井賞」を主催し、第1回受賞作(2014)が千早茜さんの『男ともだち』でした。当時三省堂書店で平積みされ、思わず購入したのが私の千早さんと新井さんとの出会いでした。
新井見枝香とは何者?と『本屋の新井』を読み、「新井賞」を追いかけてたら、え?ストリップ劇場の踊り子としてデビュー! 千早さんが直木賞を受賞した2023年に「新井賞」終了発表…。そんなこんなで、本書はずっと気になっていました。
はは〜ん、なるほど「胃が合う」とはそういうことでしたか。美味いものを食べるのを邪魔されたくないのは井之頭五郎、胃袋のキャパはギャル曽根に合い通じるかな? でも五郎さんはパフェのハシゴはしないよなぁ…。
胃が合うのに2人の個性は対照的です。セオリーなしで自由奔放な新井さん、緻密で記録魔の千早さん。Wエッセイ集の通り、対談形式ではなく、全編同じ食体験から新井さん・千早さんの順に書かれ、視点や表現の違いが興味深いです。
性格と行動のギャップあれど、胃の相性がいい…ここが本書の一番の魅力でしょう。食への執着や追求だけでなく、仕事や生き方への姿勢の真摯さも表れていて、楽しく読めました。新井どん&ちはやんは最強コンビ! ごちそうさまでした、満腹です。