水瀬さらのレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
大事な人の死をどう受容れるか、そこに到る経緯も想いも、そしてどう区切りをつけるのか、想いを残すのか人それぞれ…。
この物語の様に色々な偶然が噛み合って落とし処を見付けられる人は稀なんじゃないかと思う…。
寂しいという想い…。
でも、それすらも忘れさせる時間も人それぞれで…。 -
ネタバレ 購入済み
大事な試合でイレギュラーバウンドとは言え、失点、敗退し、幼馴染の甲子園の芽を潰してしまったと、逃げる事しかできなくなった高校2年生男子・柚原瑛太。
1年間逃げ回った瑛太が偶々訪れた古びた図書館。
そこで出会ったのは、雨か曇天の日にしか会えない儚げな少女・真宮栞里。
この少女、どうにも幽霊じみた描写でしたが、不治の難病で余命僅かな少女の生霊だった様で…。
入院先を知るも彼女は昏睡状態のまま、でも彼女は「野球をやってる瑛太を応援したい」と言っていた…。
奇跡的に目を覚ますも…。
最終的には辛い別れでも、今度は前を向けると -
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Posted by ブクログ
ネタバレ表紙が何とも切なくて釘付けに
そして帯の言葉に導かれるように
手に取ってすぐにページを捲った1冊。
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転校生の千紗と病気で留年した寛人。
ふたりの出会い方がすでに運命的で
これからどんな物語を旅できるのかと
最初の数ページでワクワクしてきた。
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千紗はピアノが大好きなのに
ある日のお母さんの言葉が理由で
ピアノが弾けなくなってしまう。
お母さんの再婚を機に転校して
寛人と出会って軽音部に入部して
ピアノが今も大好きなことに気づいて
再びピアノが弾けるようになった千紗。
だけど
ピアノが弾けなくなったきっかけが
お母さんの言葉だから
軽音部に入部したことは隠していた。
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Posted by ブクログ
ネタバレヤンキーのような見た目をしているが故に、皆から怖がられてしまう天君が、幽霊である陽菜から「お姉ちゃんを守ってほしい」と頼まれることから始まる青春小説。
水瀬さんの作品を読むのはこれで二冊目ですが、「青い風、きみと最後の夏」同様に、とても優しい物語と地の文でした。読んでいて心が暖まるような……そんな小説でした。
親友を失ってしまったことで深い傷を心に抱えている天君と、家族の仲を修復しようと奮闘する舞衣ちゃんを見ていると、とても胸が締め付けられるような思いがしました。誰よりも優しいからこそ、二人とも必要以上に傷ついてしまう。最後は二人とも報われる終わりだったので、とてもホッとしました。
天君と舞衣 -
匿名
購入済みなかなか不思議な展開
縁結びという言葉を聞くと、神秘的な出会いを思い浮かべるものだと思いますが、この作品では紅子の受難を回避することを目的として縁結びミッションを繰り広げている特徴があります。恋野の存在が彼女にどのような影響を与えるのか、続きが気になるので確認したいです。
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Posted by ブクログ
ネタバレバス事故によって陸上部の仲間たちを失ってしまった夏瑚と碧人の感情がつぶさに表現されていました。皆には訪れなかった明日。自分たちにだけ訪れた今日。幸せになっていいのか?と悩む彼女たちに、読んでいる私も心を震わせられました。
託された想いや願いが重すぎて、一人ではとうてい背負いきれない。だからこそ、二人で手を取り合って生きていく。とても素晴らしいエンディングだったと思います。
夏瑚の周りには、沢山の支えがあったのも素晴らしかったです。両親や妹を始め、鴨ちゃん先生や篠宮さん。そして、亡くなってしまった美冬。皆の励ましの言葉が、夏瑚と碧人を前に進めてくれました。
ストーリーは重たいですけど、とてもピュ -
ネタバレ 購入済み
受け入れがたい現実を、タイムリープによる過去改編で覆す物語。
端的に言ってしまえばそれまでなれど、代償としての深い傷を負う者も表面上おらず、夏休みのお盆の時期、4年分の遡行があったとしても表現されるのは花火大会に纏わる部分を中心に…、読後に清涼感のある作品でした。 -