水瀬さらのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「流行の余命要素」というおすすめコメントを見て、正直、命を軽々しく扱うお話だったら嫌だなぁ…と懸念しながら読み始めた。
けれど、これは健康な野球少年が、誰かのために頑張ることで失敗を乗り越える物語だった。そして、その原動力となるのは、病弱な栞里という少女。彼女は病気で寝たきりの状態になっており、一時は両親でさえ、延命治療を諦めかけていた。
でも、そんな一見何もできない彼女でも、1人の少年に、挫折を乗り越えて前進するための力を与えられるのだ、ということを、この物語は教えてくれる。
人間はたった1人で生きているわけではないし、たった一度の失敗で全てを失うわけではない。
誰にだって、誰かを助ける力は -
Posted by ブクログ
青春恋愛小説タイムスリップもの。
過去を変えたい瑞希。
池田先生がグッジョブ。
先生は一度タイムスリップを経験していて、
過去を変えることは代償が大きいと警告した。
先生の彼女は世界に羽ばたき、先生は不幸になったという。
危険。そう思う。過去は変えたらいかん。
それを心配しながら読んだが、、、。
プールに飛び込む。→過去に行ける。
同級生の夏帆のことが好きな瑞希は、
毎年、兄の千尋と3人で花火へ行くことにモヤモヤしていた。
兄の死により、母親が悲しみから逃れるため、瑞希のことをいつも千尋と呼ぶ。
そのことにもモヤモヤしていた。
喜怒哀楽がハッキリしている主人公に共感。
応援したくなる。
野球部 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大学生になって帰る郷里。
過去の後悔を抱えたまま戻った郷里で、早瀬瑞希は幼馴染の夏帆、大好きだった兄を守るために過去に遡る。
タイムリープ、タイムトラベル物を何冊も読んでいる人には、舞台設定や過去に戻りたい理由など、どこかで見た(読んだ)ような既視感があって少し物足りなく感じるかもしれません。
それでもアイスキャンディの当たり棒、プールに映える花火の光、池田先生との妙な味のある会話など、読んでいると物語の端々に浮かぶ景色の美しさに気持ちよくなってしまいます。
そして、先生として接する海斗との会話の描き方などはニヤニヤとしてしまいます。素敵な作品でした。 -
購入済み
丁寧に書かれた物語
ヒロインの相手が重い病気になっている という大変によくありがちなストーリー設定であるが、心情描写がとても丁寧に描かれているので感情移入しやすい。ストーリーの舞台 小道具として「桜」が効果的に使用されているので、美しいけれども儚い世界を象徴している。ただ主要登場人物が死んでしまうという 設定は、感動を強要されるようでどうしても好きになれない。