井上岳一(日本総合研究所)のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
目的Maasの基礎を把握し、現状と展望を自分なりにまとめる
締切12/20
MaaSの目的
◯あらゆるモビリティサービスの統合と、その最適化によって利用者や都市、交通の課題を解決する
→マイカーの削減
→車ではなくヒト中心のまちづくり
MaaSによって実現されること
①移動のパーソナライズ化
②都市・交通の全体最適化
③ヒト中心のまちづくり
日本は海外と比較してマイカーへの依存度が大きい。一家に一台マイカー所有というのが一般化しているため、渋滞や駐車場の乱立といった交通・都市課題が存在している。MaaSの実現によって人の移動がパーソナライズ化できればマイカーの所有は必要なくなり、様々な都市課題を解決することができる。さらに言えば、現在のクルマ中心の都市をヒト中心に作り変える機会となりうる。
現在、日本では外出というのが減少しているがそれはクルマ偏重の社会により、徒歩圏内に魅力的な施設がないことが挙げられる。地方都市を歩いて楽しめるまちに作り替えることができれば、経済の活性化にもつながる。
MaaSは交通の最適化を行うだけでなく、その先に様々な産業と連携してスマートシティを構築することにある。
交通の最適化により移動することへのハードルを下げることができれば、不動産価値の変化や医療等の社会的サービスの提供方法の変化など、様々なものが変化する。
◯日本のMaaSの現状
・プラットフォーム
ソフトバンクとトヨタのモネテクノロジーやJR東日本のコンソーシアムなど
現在の日本のMaaSプラットフォームの候補はこのように交通事業者が中心となっているが、このまま進めば、交通全体の最適化ではなく、その交通事業者にとっての最適化が行われる可能性がある。ユーザ目線で考えても中立な立場のプラットフォーマーの出現が待たれる。
今の日本では公共交通機関が発展しているのに対して、配車サービスや乗合タクシーのようなラストワンマイルを繋ぐサービスが欠けている。現在はタクシー業界の既得権益のおかげで海外資本の参入を防げているという現状があり、ここに日本のMaaSの勝機があると考えられる。日本のクルマ産業を軸にこのラストワンマイルをつなぐ新ビジネスが提供できれば、それをパッケージ化して海外に輸出することも可能だろう。
◯当社にいまできること
プラットフォーマーになろうとするのは間違い。プラットフォーマーが出てきたときにそれにうまく参入することが求められる。
鉄道会社がMaaSに参入するために解決しておくべき課題
・決済の簡略化→随時決済ではなくプラットフォームを中継して顧客からお金を回収するシステム
→改札の省略→GPSによる移動履歴の追跡
・駅周辺へのラストワンマイルを担う交通事業者の乗り入れ
→車が駅にアクセスしやすく、駅から人をピッキングしやすい駅構造への変革
・営業制度の簡略化
サブスクが始まったときに他社との利益分配を行うためには営業制度を簡略化し、乗った距離に応じて料金を徴収するシステムに一本化した方がいいのでは?
現在の大都市近郊区間や特定都区市内制度は平均的な顧客のための制度であり、一人一人に応じたサービスであるMaaSとの親和性は低い。 -
Posted by ブクログ
MaaSについての本。
MaaSはサービスのひとつであるので、
当然、その地域の人間のwant,tobeが絡んでくるはずである。
当書では、シームレスな移動、決済など「便利になること」が多数書かれていた。それはそれで素晴らしいことですが、結局、目的のレイヤーが低いまま終わってしまった印象があります。
MaaSの達成の先に何を睨むのかが不明でした。
あるいは、素晴らしい移動手段があったとしても、移動したくなるような街でなければそれは意味がないのでは?と地方都市の現状を聞いて感じた。
MaaSですら駆け出しの状況の今、最終的にスマートでセクシーな街になる日はかなり遠そうであると認識した。
私のようなコンサルトにとっては、モノのサービス化の目的を改めて考えることができたので、本としては素晴らしいものであると認識している。 -
Posted by ブクログ
MaaSの基礎的な知識が網羅されている良書。
さらに、今後の各産業への影響、著者らのアイディアも記載があり勉強になる。
個人的に、自動運転が普及した後のメンテナンスの大切さに触れている点が印象に残った。高度な技術を搭載した車が増えるほど、整備の難易度は上がり、人材の確保が難しくなる。
現状、車の整備は人気のある業界ではないので、今後確実にMaaS進展のネックになるだろう。
だからこそ、メンテナンス関連は人手不足解消に躍起になっているし、知識を持った人が重宝される。
IT関連が花形になってきて久しいが、これからは“自己研鑽に励むブルーカラー”の市場価値が高騰するのでは?と考えている。
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Posted by ブクログ
世界における事例を踏まえながら日本版MaaSの方向性・最新動向をわかりやすく伝えてくれる2020年3月の本。
100年に一度といわれる変革が起きている中、どういった可能性がありうるのか、はたまた各種業界がMaaSと組み合わせてどういったことを始めているのか、そしてSmartCityとのつながりはなんなのか、といったところをわかりやすくまとめてくださっていて、この業界に関わっているものからすると大変ありがたい本。
2018年11月の前作に引き続いて、さらに今一歩踏み込んだ事例として書かれているのでわかりやすいし、理解がより深まる。
盲目的にこの本に書いてある情報を信奉するわけではないが、検討の方向性や協業のヒント、そしてこの業界に関わっている営業担当としては、なんらかの課題解決に寄与する提案の仮説が導き出されたのはうれしいこと。
(昨今、ちょっと別で勉強したエネルギーインフラとの連携や、蓄電池との連携などもヒントになった)
この業界に関わるものからすると、絶対読んでおかねばならない必須本ではないでしょうか。 -
Posted by ブクログ
「MaaS」が出版されてから1年と少し。日本国内におけるMaaSの状況は大きく変わった。
本書の冒頭で次々と紹介される国産のMaaS、実証実験がその変化を雄弁に語っている。
本書ではMaaSの最前線、そしてDeep MaaSとBeyond MaaSといった「MaaSの先」について触れている。
国内外のプレーヤーによるインタビュー、国内屈指の有識者である筆者陣による未来予想図は読み応えがある。
紹介されている実証実験の「参加者には好評だった」という定性的なところから、ビジネスとしての飛躍までどう繋げていくのか。その点と点を繋ぐ道筋はまだおぼろげだ。
それはMaaSの先鋒をひた走るWhimのサンポ氏のインタビューからも感じられた。
様々な実装がなされ、その成果がちらほら見えてきている今だからこそ、輝かしい未来への展望への道筋を無邪気には信じられないというのが正直なところ。
それが前著が出てから本書が出るまでの変化なのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
Maasについてその本質と各国での取り組み、今後のアクションプラン等について解説した本。
僕は東京に住んでいて、自動車はあまり使わず専ら地下鉄+徒歩での移動ですが、もう少しバスが上手く使えたら便利だろうなと思ったり、タクシーみたいな交通手段がもう少し安価に利用できれば効率的だと感じたりすることがあります。
Maasは、地下鉄、バス、タクシーなど諸々の交通手段をパッケージ化して、今いる地点から行きたい地点へのシームレスな移動を実現するものです。Maasの導入により、乗り継ぎや予約などの手間を考えずに生活をすることができ、また都市空間を行き来する自動車の量が減ることで、駐車場や道路などの空間を、人間のための空間に転用できる点がポイントかと思います。
本書はこうしたMaas導入に関する基本的な議論が分かりやすく説明されており、入門本として相応しいのではないかと思いました。 -
Posted by ブクログ
MaaS(Mobility as a service)という言葉は全然知らなかったけど、この本を読んで知った。フィンランド発の案というのも何かおもしろかった。
MaaSは、あらゆる交通機関がクラウド的に統一され、予約から決済まで一元化して利用できるサービスのことだった。
車に関して「所有から利用へ」というのは、私的には非常に賛成で、早くそういった世界になってほしい。実際、都内よりも地方の方がこのサービスを進めるべきだと思う。都内は、現状でもだいぶ交通においては、優れていると思うのだが、そもそも運転のできなくなった高齢者が多い地方こそ、こういったサービスを充実させることで、家から出られない老人を外に出すこともできるし、必要なものも買い物に行くこともできるし、いいことが多いように思う。世界的には、MaaSが進んでる国があって、何なら地方自治体が率先して主導しているところもあった。というか結局MaaSって一サービスというよりも、トータル的な街づくりの話でもあるので、行政も絡んでくるし、何なら法整備も必要になる。また、そういったサービスができると、色々な他のサービスも変革せざるをえなくなるので、結構なパラダイムシフトだと思う。そういう色々巻き込んだ変革って、保守的な日本としては遅い気がしてならないから、このサービス実現するのどれくらいかかるんだろうと思う。本当は、2020年に東京オリンピックあるんだから、それまでに都内で実装できてたら、すごいスマートな進んだ国って海外から見られて日本の評価上がりそうなのに、そもそも色んなことが政治含めグダグダだから、まぁ無理なんだろうな。
日本だとTOYOTAとsoftbankが提携して、色々と画策してるらしいけど、こういったプラットフォーム事業って覇権をにぎったらめちゃくちゃ儲かるだろうし、ユーザーからすると便利でしかないから、だれでもいいからやってって思う笑。
なぜかこのレビューを書いていたら、現状の政治にめっちゃ腹立ってきた笑。 -
Posted by ブクログ
MaaSという概念が日本でもキーワードとして普及してきた2018年の末に、その概念や現状、未来の方向性についてまとめられた本。 関わる業界の人にとって入門編として非常に勉強になるのではないか、と。
レビューというよりも、「序章」の部分に書かれている筆者陣のこの心意気を紹介したいではないか。
『そこで、海外を含めて少しでも筆者たちの見聞きしたこと、感じたこと、考えたことを日本に伝えたい。 またMaaSの「本質」及びその「先」にある交通および社会、あらゆる産業のビジネスモデルの変革が、果たして危機なのか、輝ける未来なのか。 モビリティの世界に閉じるのではなく、日本再興を期する全産業のチャンスとして捉え、MaaSのその先にある「Byond MaaS」の答えを、本書をきっかけとして読者の皆様と創り上げていきたい。これこそが、筆者たちが本書を世に問う一番の動機である。』
そして終章には以下の記載がある。
『最後に本書の内容は、4人の筆者それぞれが作成した素案の文章に全員で手を入れ、疑問点を修正しあった。 分担執筆ではなく、全員で書き上げた本である。』
特に日本の産業の先行きに憂いを感じて、こうして人が集まりチームを組んで、まだ普及していない概念を紹介していこうという心意気、ありがたいではないですか。確かに教科書的/紹介多数なので、Webページを調べれば出てくることも多数あります。 ごもっともです。いや当たり前ですがWebページのほうが新しいです。
しかしながら、この時代の変わり目に自らはじめて本にまとめて世に問おうとした筆者のみなさまへの敬意を含めて、たくさんの方に読んでほしい。
そして個人的には20年後に未来はどうなっていたか、を検証の意味で読み返してみたい。