末木文美士のレビュー一覧
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日本の宗教史をざっとさらった一冊。長すぎず短すぎず、古代から現代までにおける宗教の数々を拾ってかいつまんで説明しているので、概論を押さえるのには良書だと思う。
筆者は丸山眞男の「古層」という考え方を元に日本の宗教史を展開していっており、その古層は時代を上るとともに「発見」され、「創出」されていくことを説明している。これらは特に江戸時代や明治時代において顕著であり、日本の原始から存在する思想はなにか、日本的ルーツはどこにあるか、というのは昔からの大きなテーマだったことがよくわかる。
宗教とは関係なくなってしまうけれど、個人的には筆者が聖徳太子を『源氏物語』の光源氏と結び付けたところに面白味を感じ -
Posted by ブクログ
「日本仏教入門」というタイトルの本ですが、その思想的・哲学的側面についての議論はあまり見られません。どちらかというと、思想史的な広い観点から、日本仏教にかんする現在の研究状況についてわかりやすく解説している本という印象です。
著者は、明治以来のいわゆる「プロテスタント仏教」的な理解と、それに対する批判として大きな影響力を現在にまでおよぼしている黒田俊雄の顕密体制論について触れた上で、日本仏教を東アジアの歴史のなかに置きなおしたり、日本仏教の社会的な側面をとりあげたりして、いっそう広い観点からその特色を考えなおそうとしています。
期待していた内容とは少し違いましたが、勉強になりました。 -
Posted by ブクログ
内村鑑三が「代表的日本人」で取り上げた日蓮。
理想を追い求める一方で、現実から遊離しない。現実の中に本質を見ながら、かつ理想を忘れない。このバランス感覚が魅力の一つだ。
それゆえ、現代においても色あせない哲学を打ち立てることができた。
また、波乱万丈の61年の生涯を通じて、情熱を持ち続け、進化し続けた姿は、現代を生き抜く私たちにとって、大きなヒントを与えてくれる。
例えば、日蓮の打ちたてた唱題は、念仏の実践を取り入れている。また、真言密教の不動明王を曼荼羅に包含している。
日蓮はなぜ、大情熱を持ち続けることができたのか。
日蓮はなぜ、進化し続けることができたのか。
仏ゆえに成し遂げたことか。