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Posted by ブクログ
日蓮の研究は、それぞれの宗門内部で活発におこなわれており、尊敬すべき仕事も多くありますが、それらはいまだ十分に宗門の外に対して開かれたものとなっていないように思われます。一方アカデミズムにおいては、戦前の日蓮主義が政治への積極的なコミットメントをおこなってきたことへの反省に立って、日蓮の国家へのかかわりについて慎重な立場をとりつづけてきました。
著者は、教学上の立場にとらわれることなく、日本思想史研究者の立場から『三大秘法抄』のような偽撰説のあるテクストについてもくわしく検討をおこない、同時に日蓮の思想と政治との緊張を孕んだ結びつきを解きほぐしています。
本書は入門書なので平易な言葉に書かれていますが、宗門から自由な日蓮像を確立するための出発点を確立したという点で、優れた内容の本ではないかと思います。
Posted by ブクログ
内村鑑三が「代表的日本人」で取り上げた日蓮。
理想を追い求める一方で、現実から遊離しない。現実の中に本質を見ながら、かつ理想を忘れない。このバランス感覚が魅力の一つだ。
それゆえ、現代においても色あせない哲学を打ち立てることができた。
また、波乱万丈の61年の生涯を通じて、情熱を持ち続け、進化し続けた姿は、現代を生き抜く私たちにとって、大きなヒントを与えてくれる。
例えば、日蓮の打ちたてた唱題は、念仏の実践を取り入れている。また、真言密教の不動明王を曼荼羅に包含している。
日蓮はなぜ、大情熱を持ち続けることができたのか。
日蓮はなぜ、進化し続けることができたのか。
仏ゆえに成し遂げたことか。
追記:著者の末木文美士(すえきふみひこ)氏は、「東日本大震災は日本への天罰である」という記事を書き、批判を受けている。被災者の叫び声を聞けば、この記事は書けまい。被災者の叫び声が聞こえないのは、学問を追いかけてきた学者だからではないか。
人を救うためには、自分が苦労しなければならない。
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