綾ちはるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレこれがデビュー作ということで、非常に勢いを感じる作家さんが
現れたなと嬉しくなりました。
安易な死ネタは好まないのですが、バッドエンドも好きなので、
正直表題作だけでは評価は★3だったと思います。
というのも、ハッピーエンドに持って行くためにかなりの
パワープレイをしたな、と読者が分かるくらいの無理くり感が
あるのです。
そんなあからさまなご都合ラストにするくらいなら、思い切って
死なせておいて、転生ものにでも切り替えてくれた方が私は
満足したかなと思います。
このラストのパラドックスには頭を捻るし、どう考えても
無理があるしで、そこまでの感動を返せって思ったほどです。
もの凄い消化不良感 -
Posted by ブクログ
ラストまで読んで、初めて「彼」が「誰」を愛したのかがわかる、ちょっと捻ってあるお話。
「彼」と主人公の、寂しさと暖かさが同時に漂う感慨深いラストは必見。と、物語的にはとても良かったとは思いますが、その代わりに受と攻の恋愛に的が絞り切れてない感があって、個人的にはそこがちょっと残念でした。
もしかしたら成就したかもしれない、隠された「彼」の片想いなど、萌える設定なのにあまり使われずもったいなかった点もあり。
全体的に秀作と呼べるよい作品だと思いますが、わがままを言うと変化球より直球なものを読みたかった。ちょっと物足りなかったかもしれません。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ初読みの作家さんで、あらすじを読んで購入しました。
多重人格の子と幼馴染みの話。
実の父親のDV被害にあって、別の人格「スイ」を作り出してしまった翠だったけれど、ある日スイを残して翠が消えてしまった。翠“が”好きな幼馴染みの真優は、翠が戻ってくるまで待つという。
スイはそれを聞いて「僕にすればいいのに」と云い続けていたけれど。
詳しい感想を書くと、ネタバレになるのでそこらへんはふれないように。
多重人格は、有名どころの「ビリーミリガン」を読んで、これは「ああ、すごいなあ。不可解な事が世界にはあるんだなあ」と理解出来ましたが、色々TVのドキュメンタリーを観ていて、これ人格じゃないんじゃ?という -
Posted by ブクログ
これがデビュー作という新人さん。
新人賞受賞作というだけあって、面白く読めました。
内容は現代のファンタジーっぽいお話。ハッピーエンドに至るまでの仕掛けは肩透かしをくらったかのようにあっさり書かれているけど、よくよく読み解くと成程というもの。意外な人達の正体で二度びっくりと、隅々まで見事ツボを押さえていてさすが新人賞という感じ。
だけど個人的に良かったのは、キャラクターの造形。
攻めも受けも魅力的で、どうして互いに惹かれたのかが読んでいてとても納得できたのが良かったです。それが物語の芯である、人生をやり直してもまた恋人同士になるという筋に説得力がもてました。
そして、本編もさることながら、二番 -
Posted by ブクログ
新人賞受賞作です。どんな作風なのかな?と開拓気分で購入。ところがですね、これが予想以上に読み応えがあって、ぐいぐい引きこまれてしまったんです。
♂同士ということを除けば、どこにでもいそうな大学生の恋人同士の武彦と冬至。
ストーリーは、武彦とのデートに向かう途中で冬至が事故で死亡するところから始まります。自分が死んだことに気付いた冬至は、死神から一つだけ願いを叶えてくれるときいて、もう一度、人生をやり直したいと頼みます。生き返ることはできないんです。再び同じ日の同じ時刻に死ななくてはいけないんです。だったら、なぜ?と思いますよね…
死を扱っていながら、どんより落ち込まない不思議な持ち味。
死神 -
購入済み
初読みの作家さん
新人賞を取られた作品なんですね
いきなり亡くなるところからの展開にはびっくりしました
椿と三島、由美子と長谷川同級生四人の関係性と気持ちがすごく作品に読みごたえを与えていて
まさか死に神が、、、、びっくりしました
後半は、回顧録のようにこの四人の過去と今が書かれていてよかったです
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購入済み
酢こんぶ!
と言いましょうか(笑)読み出しこそとっ散らかったよーな印象で読みにくいと感じましたが中盤以降グッと盛り返してくれます。噛めば噛むほど味が出る、ですね(笑)。エロ度低いかなりライトな作風ですが精神面で考えさせられるとゆーか純粋に愛情ととは何かと教えてくれるような心に沁み入ってくるお話、なかなか良かったです。
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Posted by ブクログ
実父からのDV をきっかけに、スイという別人格を作り出した翠。やさしい養父母、いつでも隣にいて自分を見守ってくれる幼なじみの真優。周りの愛情を受けながら、それでも過去の心の傷のせいで自分を肯定することができない。真優から好きだと告げられても、自分に自信が持てない翠は第二の人格のスイだけを残して忽然と姿を消してしまった。いつだって辛い出来事から翠を守ってくれた強くて賢いスイなら、養父母のことも真優のことも幸せにしてあげられるはずだ。
ただひとり残されたスイを周りは優しく受け止めてくれる。でも真優は翠が好きだという。翠が帰ってくるまでいつまででも待ち続けるという。
翠は弱いから真優から逃げ出したの -
Posted by ブクログ
全体的にちぐはぐな感じがした。妄想のカズオミの存在が生かしきれていない。きっかけだった攻めとの誤解の理由も、安易な上わりにあっさり解けてしまうし。受けは繊細で超美形キャラだけど、それだけなので攻めも含めて周囲にモテモテな理由に説得力がない。ひどい義母には同情するが、攻めが庇ってくれておしまい。あと本当の家族が現れたよ!の流れに、このエピソードは本当に必要だったのかどうか疑問が残る。あとがきにあったけど、担当さんに前作のような不思議な話…とふられて無理しちゃったのかな。個人的には以前サイトにあった話は好みで同人誌も買っちゃったほどだから、作者さんにはまだまだ期待はしたいところ。期待値も含めてこの