綾ちはるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
これがデビュー作という新人さん。
新人賞受賞作というだけあって、面白く読めました。
内容は現代のファンタジーっぽいお話。ハッピーエンドに至るまでの仕掛けは肩透かしをくらったかのようにあっさり書かれているけど、よくよく読み解くと成程というもの。意外な人達の正体で二度びっくりと、隅々まで見事ツボを押さえていてさすが新人賞という感じ。
だけど個人的に良かったのは、キャラクターの造形。
攻めも受けも魅力的で、どうして互いに惹かれたのかが読んでいてとても納得できたのが良かったです。それが物語の芯である、人生をやり直してもまた恋人同士になるという筋に説得力がもてました。
そして、本編もさることながら、二番目の攻め視点のお話も良かった…!こういう結末になるとわかっていても、涙腺がゆるみました。
盛り上がりに対してあっさり目の結末でしたが、それもまた良しといったところ。なんにせよ楽しみな新人さんが現れたものです。 -
Posted by ブクログ
新人賞受賞作です。どんな作風なのかな?と開拓気分で購入。ところがですね、これが予想以上に読み応えがあって、ぐいぐい引きこまれてしまったんです。
♂同士ということを除けば、どこにでもいそうな大学生の恋人同士の武彦と冬至。
ストーリーは、武彦とのデートに向かう途中で冬至が事故で死亡するところから始まります。自分が死んだことに気付いた冬至は、死神から一つだけ願いを叶えてくれるときいて、もう一度、人生をやり直したいと頼みます。生き返ることはできないんです。再び同じ日の同じ時刻に死ななくてはいけないんです。だったら、なぜ?と思いますよね…
死を扱っていながら、どんより落ち込まない不思議な持ち味。
死神が登場してファンタジーな部分があるせいかと思いましたが、それ以上に青春とか恋愛について深く考えさせられるものがあったからかな…と。まっすぐでピュアな想いが、物語全体にあふれかえっているんですよね。
前半の「イエスタデイをかぞえて」は、冬至視点で彼のやり直し人生が描かれています。外見からは、ただ何となく楽しく生きていただけに見えた冬至ですが、根底には優しさや思いやり、そして強さがあったんだなと、だんだんわかってきます。
独りにしてしまった武彦を悲しませたくないから二人の関係をなかったことにしようと、あれこれ努力してみる冬至が、どれだけ相手のことを愛しているかがわかって、胸に迫るものがありました。態度とはうらはらな想いに、切なくて泣けました。
そして「イエスタデイをひろって」では、武彦視点で冬至を想う気持ちがあふれんばかりに描かれているんです。どうして、どこにも共通点がなさそうな相手をこれほどまでに一途に好きになったのか、やっと腑に落ちました。
素晴らしいんですよ、心理描写が。
武彦の気持ちが痛いほど伝わってきました。そして、もちろん冬至についても、どんどん印象が変化していくほどに。
冬至は男っぽいけど、意外に尽くし型。そして、王子と言われる武彦の実態も、納得の理由ですごくよかったです。
相手に対する深くて純粋な愛情は、他の何物にも代えがたいのだと、つくづく思わされた物語です。
せいいっぱいの愛に、感動しました。
これからも、様々な感動をくれそうで楽しみな作家さんです。 -
購入済み
初読みの作家さん
新人賞を取られた作品なんですね
いきなり亡くなるところからの展開にはびっくりしました
椿と三島、由美子と長谷川同級生四人の関係性と気持ちがすごく作品に読みごたえを与えていて
まさか死に神が、、、、びっくりしました
後半は、回顧録のようにこの四人の過去と今が書かれていてよかったです
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購入済み
酢こんぶ!
と言いましょうか(笑)読み出しこそとっ散らかったよーな印象で読みにくいと感じましたが中盤以降グッと盛り返してくれます。噛めば噛むほど味が出る、ですね(笑)。エロ度低いかなりライトな作風ですが精神面で考えさせられるとゆーか純粋に愛情ととは何かと教えてくれるような心に沁み入ってくるお話、なかなか良かったです。
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Posted by ブクログ
実父からのDV をきっかけに、スイという別人格を作り出した翠。やさしい養父母、いつでも隣にいて自分を見守ってくれる幼なじみの真優。周りの愛情を受けながら、それでも過去の心の傷のせいで自分を肯定することができない。真優から好きだと告げられても、自分に自信が持てない翠は第二の人格のスイだけを残して忽然と姿を消してしまった。いつだって辛い出来事から翠を守ってくれた強くて賢いスイなら、養父母のことも真優のことも幸せにしてあげられるはずだ。
ただひとり残されたスイを周りは優しく受け止めてくれる。でも真優は翠が好きだという。翠が帰ってくるまでいつまででも待ち続けるという。
翠は弱いから真優から逃げ出したのに。スイの方がずっと真優を幸せにできるのに。何もかもうまくいくはずなのに。でもスイは自分は翠の偽物なのだという罪悪感から抜けだせない。
翠を想う真優に思いを寄せるスイ。不条理な一方通行。
翠とスイが自分をみつめ直して自分が自分であることを受け入れるまでの物語。
スイから翠に宛てた最後の手紙にちょっと泣いた。 -
Posted by ブクログ
全体的にちぐはぐな感じがした。妄想のカズオミの存在が生かしきれていない。きっかけだった攻めとの誤解の理由も、安易な上わりにあっさり解けてしまうし。受けは繊細で超美形キャラだけど、それだけなので攻めも含めて周囲にモテモテな理由に説得力がない。ひどい義母には同情するが、攻めが庇ってくれておしまい。あと本当の家族が現れたよ!の流れに、このエピソードは本当に必要だったのかどうか疑問が残る。あとがきにあったけど、担当さんに前作のような不思議な話…とふられて無理しちゃったのかな。個人的には以前サイトにあった話は好みで同人誌も買っちゃったほどだから、作者さんにはまだまだ期待はしたいところ。期待値も含めてこの点数。次回作は、自分が好きな話を無理することなく書いて欲しい。