綾ちはるのレビュー一覧

  • イエスタデイをかぞえて

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    ネタバレ

    これがデビュー作ということで、非常に勢いを感じる作家さんが
    現れたなと嬉しくなりました。
    安易な死ネタは好まないのですが、バッドエンドも好きなので、
    正直表題作だけでは評価は★3だったと思います。

    というのも、ハッピーエンドに持って行くためにかなりの
    パワープレイをしたな、と読者が分かるくらいの無理くり感が
    あるのです。
    そんなあからさまなご都合ラストにするくらいなら、思い切って
    死なせておいて、転生ものにでも切り替えてくれた方が私は
    満足したかなと思います。
    このラストのパラドックスには頭を捻るし、どう考えても
    無理があるしで、そこまでの感動を返せって思ったほどです。

    もの凄い消化不良感と「愛の力」なんていう使い古された感
    満載な言葉で締めくくられた不可解エンドにムカムカしながら
    読み始めた読編、攻の椿視点になってから評価が覆りました。
    こちらは本編では書かれなかった、受の冬至が死んでからの
    【もしも】話になってます。
    厳密に言えばもしもではなく、こちらも間違いなく現実に
    起こったことなんですが、時系列として存在しない未来の
    ひとつではあるので、もしも、とさせて頂きます。
    やり直しができない「現実」の中で、冬至が死んでしまった
    ことを受け入れられずにいる椿が、過去と現在を行き来する
    形でストーリーが進みます。
    表題作もこちらも、結末が見えているので涙無しには読めない
    のですが、椿視点の切なさといったら涙腺崩壊レベル。
    最後がやっぱり微妙にご都合ではあるし、死神必要だったかと
    疑問は残るのですが、双方視点で読んではじめて完成された
    話になってます。

    昨今のBL事情を考えた時に、こんな感じのラストにしないと
    いけない、というのは理解してますが、そろそろ変化球で
    JUNE的な救いがない話が来てもいいと思うんだけどなぁ……。

    とはいえ、最近デビューされた作家さんの中ではかなりの
    実力があると思います。
    どんな凄い話が書ける人でも、デビューしないことには
    好きな話も書かせてもらえないと思うので、とりあえずは
    デビューしたことだし、人気作家さんになってアウトローな
    作品を発表されることを期待してます。
    ということで、応援の意味も込めて今後作家買い決定。

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    2014年12月19日
  • 彼の愛した翠色【イラストあり】

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    ラストまで読んで、初めて「彼」が「誰」を愛したのかがわかる、ちょっと捻ってあるお話。
    「彼」と主人公の、寂しさと暖かさが同時に漂う感慨深いラストは必見。と、物語的にはとても良かったとは思いますが、その代わりに受と攻の恋愛に的が絞り切れてない感があって、個人的にはそこがちょっと残念でした。
    もしかしたら成就したかもしれない、隠された「彼」の片想いなど、萌える設定なのにあまり使われずもったいなかった点もあり。
    全体的に秀作と呼べるよい作品だと思いますが、わがままを言うと変化球より直球なものを読みたかった。ちょっと物足りなかったかもしれません。

    0
    2014年09月13日
  • 彼の愛した翠色【イラストあり】

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    ネタバレ

    初読みの作家さんで、あらすじを読んで購入しました。
    多重人格の子と幼馴染みの話。
    実の父親のDV被害にあって、別の人格「スイ」を作り出してしまった翠だったけれど、ある日スイを残して翠が消えてしまった。翠“が”好きな幼馴染みの真優は、翠が戻ってくるまで待つという。
    スイはそれを聞いて「僕にすればいいのに」と云い続けていたけれど。

    詳しい感想を書くと、ネタバレになるのでそこらへんはふれないように。
    多重人格は、有名どころの「ビリーミリガン」を読んで、これは「ああ、すごいなあ。不可解な事が世界にはあるんだなあ」と理解出来ましたが、色々TVのドキュメンタリーを観ていて、これ人格じゃないんじゃ?というものもあったり。まあ、実際、人格が変わるといえども自分が作り出した物だから、過度の妄想とレべルが変わらなくても仕方ないのですよね。
    そういう認識で読んでいるので、スイが翠を大好きというのも、当たり前ですが極度の自己愛だと思うと、うーうーん。まだまだ理解が足りないようです。
    傷ついた子が皆に優しくされて立ち直るのはとてもいい話なのですが、少しだけ引っかかるのは翠の年齢が行き過ぎてること。
    これが中学生、高校生だったら、もっとすんなり入ってきた話な気がします。あ、でもそれだとエロ展開はきついですなあ。
    社会人だと更に微妙なので、矢張り大学生くらいが一番いいのですかね。

    オチはハッピーエンドなので、良いと思います。
    一番可哀想なのは、嘉人くんかも。

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    2014年07月13日
  • イエスタデイをかぞえて

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    これがデビュー作という新人さん。
    新人賞受賞作というだけあって、面白く読めました。
    内容は現代のファンタジーっぽいお話。ハッピーエンドに至るまでの仕掛けは肩透かしをくらったかのようにあっさり書かれているけど、よくよく読み解くと成程というもの。意外な人達の正体で二度びっくりと、隅々まで見事ツボを押さえていてさすが新人賞という感じ。
    だけど個人的に良かったのは、キャラクターの造形。
    攻めも受けも魅力的で、どうして互いに惹かれたのかが読んでいてとても納得できたのが良かったです。それが物語の芯である、人生をやり直してもまた恋人同士になるという筋に説得力がもてました。
    そして、本編もさることながら、二番目の攻め視点のお話も良かった…!こういう結末になるとわかっていても、涙腺がゆるみました。
    盛り上がりに対してあっさり目の結末でしたが、それもまた良しといったところ。なんにせよ楽しみな新人さんが現れたものです。

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    2014年08月09日
  • イエスタデイをかぞえて

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    新人賞受賞作です。どんな作風なのかな?と開拓気分で購入。ところがですね、これが予想以上に読み応えがあって、ぐいぐい引きこまれてしまったんです。

    ♂同士ということを除けば、どこにでもいそうな大学生の恋人同士の武彦と冬至。
    ストーリーは、武彦とのデートに向かう途中で冬至が事故で死亡するところから始まります。自分が死んだことに気付いた冬至は、死神から一つだけ願いを叶えてくれるときいて、もう一度、人生をやり直したいと頼みます。生き返ることはできないんです。再び同じ日の同じ時刻に死ななくてはいけないんです。だったら、なぜ?と思いますよね…
    死を扱っていながら、どんより落ち込まない不思議な持ち味。
    死神が登場してファンタジーな部分があるせいかと思いましたが、それ以上に青春とか恋愛について深く考えさせられるものがあったからかな…と。まっすぐでピュアな想いが、物語全体にあふれかえっているんですよね。

    前半の「イエスタデイをかぞえて」は、冬至視点で彼のやり直し人生が描かれています。外見からは、ただ何となく楽しく生きていただけに見えた冬至ですが、根底には優しさや思いやり、そして強さがあったんだなと、だんだんわかってきます。
    独りにしてしまった武彦を悲しませたくないから二人の関係をなかったことにしようと、あれこれ努力してみる冬至が、どれだけ相手のことを愛しているかがわかって、胸に迫るものがありました。態度とはうらはらな想いに、切なくて泣けました。

    そして「イエスタデイをひろって」では、武彦視点で冬至を想う気持ちがあふれんばかりに描かれているんです。どうして、どこにも共通点がなさそうな相手をこれほどまでに一途に好きになったのか、やっと腑に落ちました。
    素晴らしいんですよ、心理描写が。
    武彦の気持ちが痛いほど伝わってきました。そして、もちろん冬至についても、どんどん印象が変化していくほどに。
    冬至は男っぽいけど、意外に尽くし型。そして、王子と言われる武彦の実態も、納得の理由ですごくよかったです。

    相手に対する深くて純粋な愛情は、他の何物にも代えがたいのだと、つくづく思わされた物語です。
    せいいっぱいの愛に、感動しました。
    これからも、様々な感動をくれそうで楽しみな作家さんです。

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    2013年09月04日
  • サンドリヨンの指輪【イラストあり】

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    キュンキュンしてよかった。
    父親の暴力のシーンは読んでいて辛かったが、2人が幸せになれてよかった。
    何がきっかけでどんな形になろうと自分の行動がすべてを作りだしているんだと思える作品だった。

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    2026年04月01日
  • イエスタデイをかぞえて

    購入済み

    初読みの作家さん

    新人賞を取られた作品なんですね
    いきなり亡くなるところからの展開にはびっくりしました
    椿と三島、由美子と長谷川同級生四人の関係性と気持ちがすごく作品に読みごたえを与えていて
    まさか死に神が、、、、びっくりしました
    後半は、回顧録のようにこの四人の過去と今が書かれていてよかったです

    #切ない #深い

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    2023年09月17日
  • 不実の従者と狼の花【イラストあり】

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    ネタバレ

    受けの記憶操作がミソ。受けを守るため、第三者も巻き込む慈悲の無さには恐れ入る…都合よく結果オーライにしろ素直に結ばれたことを喜べないなぁ…。
    まぁでも皆強かに自分勝手なのが皮肉にも救いだった。

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    2019年03月11日
  • Gift【イラストあり・電子書籍限定SS付き】

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    ネタバレ

    寮長×転校生。
    うーん?なんとなくノれなかった…ちょっと納得いかない展開でした。死ぬかもしれない前に好きな相手と結ばれたい、という意図は良いのだけど、溝口くんを介して伝わせるのはどうかと思う…というか、ホモと糾弾された溝口くんが一番気の毒で良い駒にされてた感。溝口くんのアレコレの方が気になる…

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    2016年10月29日
  • 彼の愛した翠色【イラストあり】

    購入済み

    酢こんぶ!

    と言いましょうか(笑)読み出しこそとっ散らかったよーな印象で読みにくいと感じましたが中盤以降グッと盛り返してくれます。噛めば噛むほど味が出る、ですね(笑)。エロ度低いかなりライトな作風ですが精神面で考えさせられるとゆーか純粋に愛情ととは何かと教えてくれるような心に沁み入ってくるお話、なかなか良かったです。

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    2016年04月02日
  • 彼の愛した翠色【イラストあり】

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    実父からのDV をきっかけに、スイという別人格を作り出した翠。やさしい養父母、いつでも隣にいて自分を見守ってくれる幼なじみの真優。周りの愛情を受けながら、それでも過去の心の傷のせいで自分を肯定することができない。真優から好きだと告げられても、自分に自信が持てない翠は第二の人格のスイだけを残して忽然と姿を消してしまった。いつだって辛い出来事から翠を守ってくれた強くて賢いスイなら、養父母のことも真優のことも幸せにしてあげられるはずだ。
    ただひとり残されたスイを周りは優しく受け止めてくれる。でも真優は翠が好きだという。翠が帰ってくるまでいつまででも待ち続けるという。
    翠は弱いから真優から逃げ出したのに。スイの方がずっと真優を幸せにできるのに。何もかもうまくいくはずなのに。でもスイは自分は翠の偽物なのだという罪悪感から抜けだせない。
    翠を想う真優に思いを寄せるスイ。不条理な一方通行。
    翠とスイが自分をみつめ直して自分が自分であることを受け入れるまでの物語。
    スイから翠に宛てた最後の手紙にちょっと泣いた。

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    2014年12月22日
  • 王子さまは子供部屋に眠る【イラストあり】

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    こちらはあまり好みではなかったな~。 受のキャラがね~。ありえなさすぎの設定ですよね。 騙されて借金まみれの挙句その上またお金を貸してあげるなんてね~。 人がよすぎるにもほどがありますよね。 こういうのはあまり好みじゃないんですよね。 でもこの攻は嫌いじゃなかったのでちょっと残念。

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    2014年12月14日
  • あなたに恋はしたくない

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    全体的にちぐはぐな感じがした。妄想のカズオミの存在が生かしきれていない。きっかけだった攻めとの誤解の理由も、安易な上わりにあっさり解けてしまうし。受けは繊細で超美形キャラだけど、それだけなので攻めも含めて周囲にモテモテな理由に説得力がない。ひどい義母には同情するが、攻めが庇ってくれておしまい。あと本当の家族が現れたよ!の流れに、このエピソードは本当に必要だったのかどうか疑問が残る。あとがきにあったけど、担当さんに前作のような不思議な話…とふられて無理しちゃったのかな。個人的には以前サイトにあった話は好みで同人誌も買っちゃったほどだから、作者さんにはまだまだ期待はしたいところ。期待値も含めてこの点数。次回作は、自分が好きな話を無理することなく書いて欲しい。

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    2016年03月05日