朝永振一郎のレビュー一覧

  • 朝永振一郎 見える光、見えない光

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    ある書店でSTANDARD BOOKSのフェアをやっていたのに偶然に出会い、何の気なしに朝永振一郎を選んだ。

    本書所収の随筆「鏡のなかの世界」は不思議な一編だ。だって朝永振一郎を含めた科学者の面々が「なぜ鏡には左右が逆に写るのか」を真剣に議論しているから。私ならば「なぜ左右逆かって?鏡なのだから左右が逆に写るのは当たり前じゃないの?」で終わってしまう。だが物質がそれぞれに有する法則性を解明しないと収まらないのが真の科学者らしい。言い方を変えれば「当たり前」でわかったつもりで終えることを良しとせず、物事を統御する真理を自分なりにつかみ取らないと納得できないのが科学者なのだろう。

    そう思って改

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    2023年10月17日
  • 朝永振一郎 見える光、見えない光

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    朝永さん、めっちゃいい人。物理の勉強してみようという気になった。何か学ぼうと思ったら、そのものについてよりも、まずそれに関わっている人について知ることから始めるとよいかも。

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    2017年09月19日
  • 朝永振一郎 見える光、見えない光

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    うーわわわ!ものすっごく親しみやすい!!
    最高に大好きな科学随筆だ。STANDARD BOOKSシリーズで一番好き。
    表題の「見える光、見えない光」は高校生が物理を勉強する前にまず一番に読んでほしい名文。本の構成もよくて、身近な出来事や暮らしの話題に始まって、わくわくする科学小話があって、最後に原子核と原子力についての深い思いに触れるというシンプルで素直な構成が優しい。

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    2017年01月31日
  • 朝永振一郎 見える光、見えない光

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    自然に対する豊かな観察眼や優しさ、人間的な弱さを自ら披瀝する鷹揚さを通して、距離が縮まり親しみ易さを感じる。難しい数学的手法を駆使する業績からは思いもつかない平易な文体、軽妙洒脱な筆致により引き込まされる。研究スタイルや根元にある考え方には共感を覚える。

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    2018年03月28日
  • 朝永振一郎 見える光、見えない光

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    科学者としての喜びや苦悩を書いたもの、を期待していたのですが、前半は、科学者、というよりも、風流なおっさんが書いた文章でして、読んでいて退屈でした。
    後半は、期待していた内容であり、朝永振一郎が生きた時代の物理学の発展の様子を感じることができ、なかなか面白かったです。

    自分の中で、朝永振一郎は「天才」というイメージしなかったのですが、想像していたよりも、苦悩の日々を過ごしていた時期が長かった、しかもそれが、若い時期だったことは意外でした。
    朝永振一郎も、人間なんですね。
    当たり前ですけど。
    そして、想像以上に、普通の人だったみたいですね、朝永振一郎。

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    2017年12月16日
  • 朝永振一郎 見える光、見えない光

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    前半は、身近な出来事から垣間見える粋人としての視点に、どきりとするエッセイ集。読みやすい。
    後半は、原子物理学についての考察が本格的で、少し難しかったが、学者としての使命と義務と責任に真摯に向き合っている姿が印象的だった。
    とても真面目な人柄なのだと思う。
    永遠のライバル湯川についての言及も、ちらりと見えて面白い。天才を前にして秀才は悩み、同じだけど別の道を、しかし確かな歩みを進める。
    岡潔や中谷宇吉郎の名が出てくるのは、シリーズとして上手い。

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    2017年04月18日
  • 朝永振一郎 見える光、見えない光

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    自然の移り変わりや家庭に関する軽いものから、冷戦時代の原子力兵器実験や原発に関する、原子核研究者以前に一人の人間としての葛藤など、読みやすさと読み応えを両立させているエッセイ集。

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    2023年05月07日
  • 朝永振一郎 見える光、見えない光

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    数学者のエッセイ。
    雰囲気が柔らかくてめっちゃいい。
    少し前の文章だからか読点が多いのが少し気になるけど、そういうもんだと思ってしまえばなんともない。
    日高敏隆さんとか梨木香歩さんとかの雰囲気に近い気がする。

    お気に入りのシーンは、「鏡は左右は反転するのに上下は反転しないのは何故か?」を数学者仲間と議論して、仲間のひとりが特殊相対性理論を持ち出して解決しようとしたときに「おとなげない」で一蹴されるところ。

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    2023年04月28日
  • 朝永振一郎 見える光、見えない光

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    朝永振一郎氏(1906~1979)、1965年ノーベル物理学賞受賞「見える光、見えない光」、2016.10発行。エッセイ集です。十八番である物理に関するエッセイも多いですが、私は動物関係(鳥獣戯画、庭にくる鳥、ねこ など)がとても良かったですw。

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    2019年11月04日