朝永振一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
下巻は主に力学と熱学についてである。
高校の物理、特に熱力学の分野では圧力とは容器内の分子が容器の壁面に衝突している力の総和である、ということを学ぶ。実際に計算によって圧力を求めたりする。
その際に、容器内の分子は平均的な速度Vを持って、とか壁面には等確率で分子が衝突する、というような仮定をおいて計算する。
実際に、このような仮定をおくと観測値とよく合うけれど、よく考えると力学に確率的な考えを仮定している。
しかし、である。力学に確率の仮定をおくことの合理性は一体何処に依るのか。実は起これは1900年前後で物理学者の間ではかなりの論争になったらしい。
Boltzmannがこの理論の発展に大きく寄与したのであるがこの論争で?精神的に不安定になりついには自殺してしまったようだ。
高校物理ではある程度当たり前だと思っていたが事項がこんなに精緻に議論され、今やどの理系の高校生も学ぶ分野になった。
我々はそうとう精緻な土台の上で物理を学んでいる、ということを改めて実感した。これが、物理学か、と。
朝永振一郎はNovel物理学賞を受賞した当代一流の物理学者である。この人が物理学とは何かを語っているので、真にも学べない、ということはないと思う。