飯山陽のレビュー一覧
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今世界的に起きているイスラム教によるテロや事件は、コーランが説く一つの「論理」に導かれて起きていることがわかる。「テロはイスラム過激派によるもの」というが、本来的にはイスラム教徒はそうあるべきものでもある。
例えば、悪とみなされるイスラム国は、イスラム教の解釈では理想郷なのだ。異教徒を殺すこともイスラム教徒にとっては正義なのだ。
7世紀に成立した教義を現代社会に適用することは時代錯誤だとされようとも、世界がイスラム教による支配が実現されるまではこの教義は生き続ける。
テロや殺害は決して許されるべき行為ではないが、あくまで一つの「論理」に導かれている人々もいるという多様性が同時に認めるべき -
Posted by ブクログ
イスラム教の今がよく分かる本。インターネットの普及によってイスラム教のあり方も大きく変わってきています。事実の積み重ねにより明らかになるイスラム教の今がよく理解でき、日本人とは全く違う宗教観を持つイスラム教徒を少しでも理解する事で、最悪の事態は避けることが出来ると思いました。日本人の平和なお気持ちだけでは間違った対応をしてしまいがちです。知らないでは済まされない。必要なのはシンパシーではなくエンパシーだと強く思いました。とくに第7章「イスラム教徒と共生するために」は何度も読んで頭に叩きこんでおきたいなと思いました。今年一番面白かった本です。(2020年1月13日現在)
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Posted by ブクログ
ネタバレカロリン・エムケの本を読んでもやもやもやもやしていたので積読から真っ先に消化。アンサー本かと思うような内容で読んですっきりした。読みやすくて面白いのでサクサク読める。
実際に起こった事件や実際に行われた調査に基づいてイスラム教の教義・価値観・世界観について丁寧に分かりやすく解説してある。そして、インターネットによってもたらされた新たなムスリムの宗教観の変化について書かれる。最後の方のムスリムとの付き合い方編はかなり実践的でいいなと思う。私も何も知らずムスリムの方との付き合いで一回失敗したことがある。
「イスラム教徒にとってはイスラム教こそが普遍真理ですから、近代的価値観がイスラム教よりも優れ -
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【我と彼との淵源】「なぜイスラム教の名の下にテロが続発するのか」という疑問を抱く人々に,イスラム法の研究者がその論理をもって回答を試みた一冊。著者は,上智大学のアジア文化研究所で客員教授を務める飯山陽。
議論を呼ぶであろう内容なのですが,「イスラム教」と「我々」の考え方にどれだけ懸隔があるか(またはあり得るか)ということを知る上で有益な作品なのではないかと思います。本作で氷解する疑問がある一方,本作によって投げかけられる疑問もまたあるのではないかと感じました。
〜イスラム教にはイスラム教の論理があり,その枠内においてそれは実に完成され,調和がとれています。しかしだからこそ,それを共有しない -
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めちゃくちゃおもしろかったですね〜。著者の語り口が強気でハッキリしていて気持ちがよいです。基本的な論拠がしっかりしているので納得できますね。イスラム教について、少しわかった気がします。とはいえ、私にはこの本からの情報しかないので、良いも悪いも語れないわけですが、著者の宗教やそのイデオロギーへの批判と個人の教徒への批判を混同してはいけないという意見は本当にその通りだと思います。
ただ、と同時に、人が信じているものや守ろうとしているものを自分と異なるからという理由で批判することはよくないことと思いますが、その個人の信仰によって、他の誰かがなにからしらの被害を受けることはもっとよくないことです。
あ -
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先日読んだ『ガザとは何か」とは、正反対の立場から述べられた本。
005
そもそも、ハマスは、パレスチナ人の代表ではない
パレスチナ人を武力で押さえつけ、支配しているテロ組織だ
006
ハマスには、イスラエルとの対話や平和的共存という選択肢はない
007
2023年10月7日、ハマスがイスラエルの民間人を標的にして無差別テロ攻撃を開始した
赤ちゃんを丸焼きにし、子供の腕を切断し、
数え切れない物証が、ハマスの無差別テロの凄惨さを証明している
009
ハマスが民間人を「人間の盾」として利用している
011
メディアが強調するのは「圧倒的軍事力を持つ強者」としてのイスラエルと、ガザと -
Posted by ブクログ
ネタバレ新聞・テレビ・という既存メディアと政治と官僚。
そして自由民主党という政党がどんどん劣化し既得権益の集団となっている様を、自身の鋭い考察と言葉で表した非常に分かりやすい内容である。
目次から興味のある部分から読んでもいいし、何かのニュースの折に読み返すのにも良い真実が書かれている。
著者の研究内容であるイスラムに対する警笛は日本では語られる事なく非常に重要である。様々な地方の中で、ある程度インフラの整った過疎の不安までいかない地方都市。ここのコンビニに入るとよくわかる。
中東系の店員が非常に多いことに驚く。既存メディアに踊らされない知見が必要だと改めて感じさせられる。