飯山陽のレビュー一覧
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この本の前に、岡真理氏の『ガザとは何か』を読んだのだが、話が真逆で驚いた。パレスチナ・イスラエル問題について初めて読んだ本が『ガザとは何か』だったので、最初頭に入れた知識が前提となっていた為、飯山陽氏のこの本(noteの記事が元となっている)を読んで頭が混乱し、初めは理解が出来なかった。
『ガザとは~』では、あくまでもハマスはガザの人たちを助けるために存在してるという印象だったが、こちらではハマスはテロ組織。裏にイラン、ロシア、中国、北朝鮮が資金や武器を支援してる恐ろしい組織だとわかる。
ハマスの指導者トップ3は全員カタールに住んでいて、総資産額は1100億ドルとされている。本当にガザの人 -
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イスラム2.0
SNSが変えた1400年の宗教観
著:飯山 陽
紙版
河出新書
キリスト教の宗教改革が、グーテンベルクの活版印刷の聖書の普及がきっかけだったように、イスラム教の宗教改革は、インターネットの普及による情報革命に端を発する
原理主義とは、イスラム教の原点、コーランとハディースに記載されていることを、忠実に実行にうつすことを意味する
そして、イスラムの教えは、最後の預言者ムハマンドを通じて神の言葉として決して変更をすることを許さない教義である。そう610年にイスラム教が成立してより今日まで
そのために、ムスリムは、周りと同化することはない。
気になったのは、以下です。
イスラム -
Posted by ブクログ
まず、本書全体の主張は中立ではなく、イスラムのイデオロギー自体の問題点を列挙し警鐘を鳴らしている。イスラム教徒の考える平和は、日本人が一般に考える平和とは異なる。ジハードは日本語としては聖戦というよりは、神の道に対する努力。ヒジャーブの是非。イスラムについては本書で初めて時間を割いて情報をインプットしたので、他の著者による書籍や別の一次情報を仕入れるべきだとは思うが、過激な思想を生み得る宗教だなと思った…
名指しでの批判が多いのは穏やかでは無いなと思うが、きちんと参考文献として具にリストしているのは好感が持てる。
この辺りは日本で生活する中で触れる機会はほぼ無いし、非常にデリケートで安易な発言 -
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中東、イスラムの問題は日本国内での報道も少なく分かりにくいため、本書のように今の中東について解説してくれる本は貴重。
イスラエル=アラブ人の土地を奪った悪、パレスチナ=イスラエルに反抗する善、という多くの人が持っているテンプレを現実的なデータをもとに正す内容は新鮮だった。現在では、イスラエルと中東の各国が関係を改善させているという情報はなかなか日本では報道されない。
また、なんとなく知っていた現在のトルコ、エルドアン政権の問題点を苦らしく解説してくれているのも良かった。
近隣国同士の国際関係なんて刻一刻と変わっているのは当たり前だが、その当たり前を現実的なデータや事情で解説してくれる本。 -
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中東、イスラムの問題は、本当に耳に入ってこない。
まだ、国内やお隣の国の問題は、ネット情報とかで入ってくるようになったので相当考え方は改まってきてるのだが、ここはもう、30年前のNK国みたいなもんだ。
その、マスコミとか「専門家」の構造が全く変わっていないことがあまりにも鮮明。
イスラムと世界の関わりの問題と、こういう情報偏向の、二重の問題が日本にはある。
もちろん、飯山先生自体もその「専門家」のお一人ではあって、最終的には自分で判断しないといけないのだけど、以前に何人か著作を拝見した「専門家」に感じた、背中がむず痒くなるような不快感、非論理感を感じない。まずは「事実」に基づいて検討しよ -
Posted by ブクログ
マスコミと中東の識者は、反米で間違った方向へ誘導している、という主張。
例えばタリバンは、アフガニスタンの人々の人権を侵害しているのに、アメリカが悪い、タリバンはアフガニスタンの人が望んだ政権、西洋の生き方でイスラムの生き方を見るな、と主張している、とマスコミは間違った方向へ誘導する、と実際に発言した内容や個人名をあげて批判している。
全く同意できない。
アメリカ軍が撤退し、再びタリバンがアフガニスタンを占領した際のニュースを見ていたが、そんな印象は全く受けなかった。
タリバンの人権侵害、女性の不安、逃げたアフガン軍人の声などが主にとりあげられていた。
アメリカを批判するとしたら、 -
Posted by ブクログ
中東問題を中心に読んだ。
日本のニュースには常にバイアスがかかっているとのこと。確かに戦闘の状況などはパレスチナ寄りであるし、ハマスの政策などは報道されないし偏っていることは感じる。
(ハマスは民を盾にし、民に保護や福祉、教育を与えていない。ハマスのはなつロケット弾のいくつかはイスラエル領内に届かずパレスチナの居住地に落ちている等)
またイスラエルとアラブ各国との国交樹立など最新の情勢や真意も正確に伝わってきていない懸念がある。(日本人が思うほどアラブ各国はパレスチナ解放やハマスに重きをおいていない?)
なぜそうなるのか、「パレスチナ=難民=かわいそうな人々」と同情心からか。(最終的に -
Posted by ブクログ
浅薄な正義を振り回す得意顔が嫌いなので、大変共感できた。
「物事にも政治にも、その時、その場で優先されるべきことがあります。テロで愛する者を失った経験などあるはずもなく、テロの差し迫った危機を感じたことも、それを想像したことすらもない人間が、「テロリストとは話し合うべき」などと主張しているのを聞くと、私は憤りを覚えます。「理想」を語る人の言葉は、うっとりするほど美しいかもしれません。自分もまたそうした「理想」を語ることで、あたかも善良で高尚な人間であるかのような気分に浸れるかもしれません。
しかし私にとってそれらは偽善の言葉であるだけでなく、現実の脅威に立ち向かう他者を見下し、あるいは他者が