石津朋之のレビュー一覧
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エア・パワーとは空中で行動可能とする能力すべてであり、宇宙をも含むと定義し、そう古くない歴史を分析している。第二部では日本の歴史で、世界のエア・パワーの変遷と大差はない。第二次大戦でのゼロ戦の活用は、その一例である。第三章では、理論家たちを紹介しているが、特に米国のジョン・ワーデンには驚いた、湾岸戦争頃の人で、そんなに最近の話!?と驚いた。戦略中枢への所謂ピンポイント攻撃の理論を立てた人で、シュワルツコフ司令官も高く評価し、その後の空軍の考え方に大きな影響を与えたとのことだ。もっとも多くの議論があることも紹介してくれる。
このことからも分かるように、エアパワーはまだ戦略理論的にも変化しつつあ -
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ナンの因果か(笑)紛争防止のプロジェクトに、関わりだして
そんなに敵対視されてる「戦争」ってナニ?
という問題意識があって
毛並みのチガウもの読みたいモードの中、手にした一冊
結構、おもしろかった
戦争の意義や位置をあつかうモノや
「戦争」そのものにおける勝ち方・ふるまい方
など、いくつか分野があって、経営学に似てたりもする
戦争の意義に関するギロンの大半は
軍事力を行使する衝突であり
ある組織(国家とする学者が大半)の目的達成の一手段
そこに、文化との関係・影響を主張する学者サンもいた
だから、
「戦争」そのものでは目的達成がゴール。というとこまでは各者共通してるが
勝ち方は「殲 -
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一般向けにインターネットで発表された論考を集めたものなので、繰り返しになる内容は多いし浅い感じもするんだけど、逆に言えばわかりやすく大事なところが繰り返されているとも。クレフェルトの『補給戦』にだいぶ依拠している。
「戦争のプロはロジスティクスを語り、戦争の素人は戦略を語る」という格言があるとおり、ロジスティクスは戦争を巡る問題の90%に関係する重要な分野。中世ヨーロッパでは現地での略奪に頼れたが、物資の消費が膨大になった現代では現地調達は不可能。白いキャンバスにトップダウンで戦略を描くことはできず、キャンバスを規定するのがロジスティクスともいえる。
バルバロッサ作戦や北アフリカ戦線でのロンメ -
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戦争における兵站の話。
単に「後方支援」と言うより幅広い話なんだが、いわゆる、輜重輸卒が兵隊ならば蝶も蜻蛉も鳥の内、と言うやつだな。
実際には古来より、戦場を規定するのも、勝敗を決定するのも、その、チョウとトンボだったと言う話。
そうだろうなと思う。
のだが、この本、著者のこれまでの論考をそのまままとめてる体裁で、同じ話が、何度も出てくる。その上、なんとかの戦いではとか、なんとか将軍のこれはと言う話が普通に出てくるので、戦史にある程度造形がなければ、何を評価してるのかもわからない。
ロジスティクスが勝敗を決した事例を重ねてるのであって、本来はこう言う事例から、ロジスティクスが大事だと言う