室橋裕和のレビュー一覧
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まず、「インネパ」って何?ってなると思うが。
「ネパール人経営のインドカレー屋」を指す。
そういえば。
家の近くにも、職場の近くにも、ある。
そして、何人かは分からないが、本場の人っぽい人がインド映画やインドっぽい音楽を流しながら、カレーやナンをせっせと作っている。
てっきり、日本の企業の人が母体を作って、本場の人っぽい人を雇っているのかな?と思っていたのだが、この本を読むと、その背景がよく分かり、なかなかショックを受けた。
てか、あのカレーでさえ、日本人の舌に合わせた、本場とは全然別モノなんだ!
しかも、ネパールの人は、インドカレーとはそんなに関わりが深いわけではないんだ!
開店費用やお店の利益のこと。
親族、一族を呼んできて、コミュニティを広げていっていること。
でも、二世や子供については、働き方や教育の面で課題も見えていること。
そして、日本からカナダに移りつつあること。
ざっくり「移民」「海外から移住する人」をテーマにするのではなく、「インネパ」にぐっとカメラを寄せていることが面白い。
これ、新書大賞取らなかったんですね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ新大久保といえば、コリアンタウンのイメージだが、山手線の西側に行けばベトナム、ネパール、インドなど様々な人種が入り混じる多民族混在の街になる。なんと、新大久保には150もの国の人々が住んでいるらしい。
多文化が入り混じる新大久保ならではの商売や文化が紹介されていて面白かった。例えばネパール専門の送金会社など。ネパールのどんな小さい地方銀行にも日本で稼いだお金を送金できるそう。確かに自分がネパールの銀行にお金を送ろうと思ってもどうしたらいいかわからない。
文庫本では、新大久保の今を追った書き下ろしがあり、黎明期に日本に移住した韓国人の高齢化等の問題が取り上げられていた。
異国の文化が混じり合い、もちろん問題がないわけではないが、ポジティブな側面も多々あると感じた。移民商売人の生命力に当てられてより交流の進んだ開かれた街になっていくことを願う。 -
Posted by ブクログ
最近、友人に教えてもらった西川口のガチ中華って言うのかな?フツーの中華料理店では出会えないようなディープな料理にハマっています。ちょっと想像を超えたメニューとインパクトの強い美味しさ、クセになりそうです。味もそうですが、ほとんど日本語が通じない店員さんや、周りのテーブルで話されている中国語もトリップ感を誘ってくれるのです。そしてなんでこの街にこんなお店が集結している不思議にもくらくら来ます。この本を読みながら、その店のこと思い出しました。北関東に南米から来た人やアジアからの技能実習生が多いことは、なんとなく知っていました。しかし、国道354線ってすごいことになっているのですね。東京にいるだけではわからない現在の日本の実像が354という補助線でCTスキャン映像のように浮かび上がりました。もう一本の線は、バブルから始まる外国人受け入れの政策の歴史のタイムラインです。場当たり的な海外からの労働力確保の施策が結果的に人種のパッチワークをつくっています。今回も外国人技能実習制度が廃止され、育成就労制度が創設されることは、どんな社会へ繋がるのでしょうか?労働力ってまとめられちゃうけど、そこには生きる、話す、繋がるって人間の暮らしを持ち込むことであり、その基本の基本は、食べるってことになると思います。そういう人とのコミュニケーションは、この本に登場する絶品メシを楽しむことから始まるのかもしれませんね。それにしても大好きなパクチーの生産の現場のことなんて考えたこともなかった…食べることは生きること、食べることは繋がること、そんなことを思いました。国道354線、すごいです。
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Posted by ブクログ
北関東の国道354号線を軸に、日本で暮らす外国人や外国にルーツのある人のリアルな生活の様子を取材した1冊。
西から東へ向かっていく構成で、それぞれの土地で、そこに住む人たちに話を聞いてゆく。いわゆる「日本人」目線ではない、これまで、あまりスポットが当たってこなかった、その土地ごとの現代の1つの生活誌のよう。きれいごとではない、まさにその土地の現実の一端が取材されていて面白い。
さまざまなルーツを持つコミュニティが集まっているからこそ、さまざまな料理店を含むお店がたくさんある。旅してみるのも楽しそうな地域だなと思う。それとともに、自分の住む地域も、こういった人たちに目に見えない形で支えられているので、ふだん意識していないところに目を向けていくと周囲の世界が変わってみえるかもしれないなと思いました。