室橋裕和のレビュー一覧
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ポットキャスト「知らなくても困らない日本」で老舗食堂めぐりの相川さんが紹介していました。
日本にはネパール人によるインドカレーの店が増えている。どこも判で押したようにメインはバターチキンカレー、ナン、タンドリーを中心にしている。
しかしこれはインドカレーでも、ネパール料理ではない。本書ではこのようなネパール人経営のインド料理天、本物のインド料理でもネパール料理でもない物を出すお店を「インネパ」として、なぜ日本で増えたのかを探ってゆく。
すると日本の法律の変化や、インド人ネパール人の生活や国民性がみえてきた!
●ネパールには産業が育たず、国民の1割が外国で働く。
●日本で馴染となっているイ -
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1980年代神戸のゲイロードや名古屋のキャッスルプラザホテルのアクバルはおしゃれして行く高級料理店でした。
ガラス越しにインド人コックがタンドール窯で焼く巨大ナンにワクワクし、カシューナッツなどが入ったカレーに舌鼓を打ったものです。
いつの間にか近所にもいくつかインド料理店が出来、風の噂にあれはインドではなくネパール人家族でやっていると聞くようになりました。
その移り変わりからネパール人の実情まで丹念な取材で解き明かしてくれました。
おまけに偽造テレフォンカードやクスリの密売で有名だったイラン人がVISAなし渡航の不法残留者として日本にいたことなど本編と関係ない所でも昔からの疑問が解けて非常に -
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実に興味深い本だった。
街中にどこにでもある、妙にインド感漂う
カレー屋さん。
本当にどこにでも突如としてあるし、
ほぼ働いてる人たち現地の人。
いったいあの人たちはどこからやってきたんやろ?
と思ったら、インド人じゃなくて
実はネパール人らしい。
しかも、提供しているカレーは、
本場のインドカレーでもなく、
ネパールのカレーでもなく、
日本人向けに味付けされたカレー笑
あのネパール人たちは出稼ぎでやってきて、
次から次へと増えていったらしい。
まずは単身で日本にやってきて、そのうち家族を
連れてきて、うまくいけば故郷に仕送りをして、
成功すれば母国にカレー御殿が建つらしい。
もちろん経営 -
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ネタバレこの本はロードムービーの体裁をとりながら地域の外国人の中に入ってメシを共にし、暮らしを考察しています。
日本の中古車を途上国に売るビジネスを始めたのはパキスタン人で近隣のイスラム教国民に広がっていったが、昨今日本人も中古車を買うようになって値が上がり儲からなくなっているそうです。
北関東在住時たくさんの外国人を見ましたがどの国の方かどんな暮らしをしているのか全く分かりませんでした。
この本で袖を擦れ合った外国人たちがどんな人たちのか朧げながら分かってきました。
景気や政治に振り回される立場の弱い非正規雇用の外国人たちがトランプ関税によってこれからどう影響を受けるのか心配でなりません。 -
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最近、どこに行っても見るようになった「インドとネパールの両方の国旗を掲げたインドカレーの店」。どの店もメニューはだいたい一緒で、どこで食べても味はそれほどバラツキがない。
そして、インドカレーと言いつつも実は働いている人はネパール人ばっかり。
日本全国、どの店に入ってもほぼ同じテンプレで拡大するインドカレー店の実態に迫るルポ。
読み進めると、ただ単に「ネパール人が日本に来てインドカレーらしきものを作って売っている」というわけではなく、その奥には複雑ですぐには解決できない、ネパールという国家が孕む問題があることが分かる。そして、好き好んで日本に来たわけではないネパール人たちの苦悩と悲哀も知るこ -
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ここ20年で急増したインドカレーの店。実はインド人でなく、ネパール人による経営がほとんどだと言う。この本はそのようなネパール人たちがなぜ日本に来てカレー屋をやっているのか?それもネパール料理ではなく、インドのカレーなのかそしてそのカレー屋のメニューがどこも金太郎飴のように同じなのなぜなのか?と言う疑問に迫った本である。なぜこれだけたくさんのインド料理店があるのに個性的な店が少ないのかという点についてかねてから疑問に思っていたが、この本を読んで氷解した感じである。
ネパール人たちは、金を稼ぎたいからカレー屋をやっているだけであり、そのビジネスモデルを学んで、そのビジネスモデルをもとにビジネスを展 -
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身近な「インネパ」料理屋。
現地ではチャパティだよなと思いつつも、ナンも美味しいし、カレーもどれも変わらず美味しい。
お店で食べてるだけでは分かりえない、ここに至るまでの背景と、今を知る。
産業がないと人は出ていく。国単位か地域単位か。その地域に産業がなくとも、技術があれば国境を飛び越えられる。でも、そのためには教育が重要であって…。
日本で暮らすネパールの子供たちの教育と、心の安定。カレー屋のネパール人家族の人生。やはり出てくる入管。同族間での食い潰し。
読んでて、色んな不条理・不合理を感じるし、日本の移民に対する理不尽な政策、それに翻弄されてきた外国人たちへの罪悪感を感じつつ、安定 -
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副題に「絶滅メシとリアルな日本」とあるので、
ちょっと変わった雰囲気の街を巡るガイド本か
な、と思ってしまいまたが全然違います。
国道354線は群馬県高崎市から栃木県の南を通
って、茨城県の霞ヶ浦へ抜けていく北関東を横
断する道です。
この沿道に共通するキーワードは「移民の街」
です。
もちろん日本は表向きは移民を受け入れていな
いですが、バブルの頃の不法滞在者や最近では
技能研修生など、形や名称を変えて日本人の人
手不足を補ってきた歴史があります。
そのような人たちがそのまま日本に住み着いて
いる場所がこの沿道なのです。
その国籍は、イラン、バングラディシュ、パキ
スタンそしてベト -
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日本の中にいる外国人労働者が、なぜか関東のある国道沿いに集まっている…パキスタン人の中古車ビジネスや、在日タイ人がお寺を建てていることは他の本で読んで知っていたが、この本はそれをどんどん深掘りする。
茨城の農業が技能実習生の存在なしにはもうたち行かないほどであること、入国管理の基準がコロナ禍の中で状況に合わせて労働力を確保するために調整されたようであること、パワフルな若いベトナム人は労働力として頼もしい一面、トラブルもよく起こること、日本人農家側にも人を雇うためのルールがよくわかっていないところもあるなど、双方の状況をものすごく考察されている。
どれが正解で間違いで、どれが良いもんで悪もんで、 -
Posted by ブクログ
室橋裕和『ルポ新大久保 移民最前線都市を歩く』角川文庫。
2020年に刊行された単行本を加筆修正の上、追加取材をもとに書下ろした新章を追加収録。
なかなか興味深いルポルタージュであった。やはり東南アジアを始めとする外国人たちのバイタリティには感服する。日本人が様々な分野で世界からどんどん置き去りにされていくのも理解出来る。
日本を代表するコリアンタウンである新大久保には様々な国の人びとが集まり、多国籍化が進行し、様変わりしていた。著者は新大久保の多国籍化の理由や外国人と日本人の暮らしぶりに興味を持ち、新大久保に移り住む。
人口の35パーセントが外国人という新大久保。移り住んでみれば、
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