あらすじ
【どこにでもある「インドカレー店」からみる移民社会】
いまや日本のいたるところで見かけるようになった、格安インドカレー店。
そのほとんどがネパール人経営なのはなぜか?
どの店もバターチキンカレー、ナン、タンドリーチキンといったメニューがコピペのように並ぶのはどうしてか?
「インネパ」とも呼ばれるこれらの店は、どんな経緯で日本全国に増殖していったのか……その謎を追ううちに見えてきたのは、日本の外国人行政の盲点を突く移民たちのしたたかさと、海外出稼ぎが主要産業になっている国ならではの悲哀だった。
おいしさの中の真実に迫るノンフィクション。
【目次】
はじめに 「ナン、おかわりどうですか?」
第一章 ネパール人はなぜ日本でカレー屋を開くのか
第二章 「インネパ」の原型をつくったインド人たち
第三章 インドカレー店が急増したワケ
第四章 日本を制覇するカレー移民
第五章 稼げる店のヒミツ
第六章 カレービジネスのダークサイド
第七章 搾取されるネパール人コック
第八章 カレー屋の妻と子供たち
第九章 カレー移民の里、バグルンを旅する
おわりに カレー移民はどこへ行くのか
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
とても面白かった。近年急増しているナンカレー屋の秘密について解説されている。似たメニューが並ぶ理由やその背景にあるネパール人の問題等、本書を読んだ上でナンを食べに行くとまた違った印象を感じる
Posted by ブクログ
面白かった。
とあるYouTubeの動画で、SF作家の池澤春菜先生がご紹介していた本。近所にネパール人の経営するインドカレー屋さんが複数件あることに疑問を持ちつつどちらのカレー屋さんも通っていた私にとって知りたいことがたくさん書いてありました。
なぜ似たようなカレー屋さんがすぐ近くにあるのか。なぜナンとバターチキンカレーとタンドリーチキンの一辺倒なメニューなのか、なぜネパール料理じゃなくインドカレーなのか、家族は、自国は、なぜ、なぜ、なぜ……。
深い問題がたくさんあり、とても考えさせられる本でした!
Posted by ブクログ
日本にいっぱいある、ネパール人のカレー屋さん、、その背景には彼らの祖国の事情やら家族の事情やらいろんなことがあったのだ、、とても勉強になった!カレー食べたい!
Posted by ブクログ
すごい面白いテーマ、読ませる内容。日本におけるインドカレー店の歴史に迫った素晴らしい本である。
要はインド人がコックとして連れてきたネパール人が、仲間(仲間と思っているかはさておき)を連れてたくさんやってきて今に至っている。その過程で、日本のビザ制度の問題や、苦境に陥るネパール人の姿も追っている所は素晴らしい。
Posted by ブクログ
とても良い本だった
21世紀になり急増したネパール人によるインドカレー屋についてのルポ
グローバリズムや資本主義をあげつらうことは容易くて、社会問題の背景には結局人間がいかに生きるかってことがあり、みんな巻き込まれている
と感じた
排斥より包摂だよなぁ
Posted by ブクログ
ポットキャスト「知らなくても困らない日本」で老舗食堂めぐりの相川さんが紹介していました。
日本にはネパール人によるインドカレーの店が増えている。どこも判で押したようにメインはバターチキンカレー、ナン、タンドリーを中心にしている。
しかしこれはインドカレーでも、ネパール料理ではない。本書ではこのようなネパール人経営のインド料理天、本物のインド料理でもネパール料理でもない物を出すお店を「インネパ」として、なぜ日本で増えたのかを探ってゆく。
すると日本の法律の変化や、インド人ネパール人の生活や国民性がみえてきた!
●ネパールには産業が育たず、国民の1割が外国で働く。
●日本で馴染となっているインドカレー店メニューのバターチキン、ナン、タンドリーは、もともとはムグライ(16世紀から19世紀にインド亜大陸の大帝国ムガル帝国のこと)の宮廷料理だった。
●インド人はカースト制度のため仕事の役割が「カレー担当」「タンドリー担当」「掃除担当」「ホール担当」ときっちり決まっている。それに対してネパール人は何でもやる。そこでネパール人が雇われた。しかしこれは一人のネパール人を低賃金でなんでもやらせる労働体系にも繋がってしまう。
●日本でレストランを出すネパール人が少なかった頃は日本人の好みを聞いたりもしたが、「日本にくれば稼げる。とにかくバターチキンカレー、ナン、タンドリーという自分たちが食べたことのない料理を作れば良い」という世代は、もともとの学もないこともあって日本でも違うやり方を探るとかはしない。「あの店がバターチキン、ナン、タンドリーでやってるんだからうちもやる」しかなくて撤退する店も多い…
●コックとして来日したネパール人は、成り立っている店でコックとして働き、数年後に全く同じメニューを出す。美味しさとか個性よりも稼ぐこと!集合したお店の真似をすることが堅実!!そこでメニューも元の店のものをコピーしたり(文字通りのコピーです)、店構えをそっくり真似て、お店も前の店の近くに出す。そこで競合してしまったり、個性がなかったり、美味しくなくて潰れることもあるけど、冒険よりも元の店の真似が確実!!
●インネパレストラン増加の原因として、外国人が日本で起業する場合の日本の法律の変化についても書かれています。
●なんか世間で言われている「タンドリー窯を作ったら、4人までは就労ビザが取れる」は、嘘。(すみません、私も聞いたことありましたが、嘘だったんですね(^_^;)
たしかに企業や経営状況を判断するのにタンドリー窯があれば「本気でカレー屋やる気なんだな」と見られて許可が出やすいのかも知れない。ネパール人が「許可が出る可能性が高くなるかも」という希望のためタンドリー窯を設置してるってだけ。
●ネパール人が増えると、仲介・斡旋者が増える。その人たちのほうが料理を出す人たちよりも稼ぐ。このあたりの話は、貧しく学がなく失敗する人と、そんな人達からお金を取って成功する人の差が如実に出ていて読んでいていたたまれなくなった…
最初にレストラン開業のときに、ネパール人からお金を集めるとか、コックの資格で就労ビザを取っておいて工場に回すとか。
残念ながらカレーやがネパール人の貧困を固定化させてしまっている面がある。
●日本のインドカレー店、インネパ店の歴史や、日本にレストランを出した元祖のお店の話も出てきました。
そんなお店では、インド料理の素晴らしさを日本に紹介しようとしたけれど、同じメニューで安くて簡単に作ったインネパが増えることによりインド料理の格が下がってしまったと諦めの声も。
●著者はネパールにも取材に行っている。日本で稼いだお金でカレー御殿を建てた人もいる。しかし外国出稼ぎにより、親子が離れて暮らしたり、若者が村からいなくなり村がどんどん過疎化している。
(これは世界中で、国内労働でもある話だ)
●日本はやっすい労働者としての外国人労働者を望んでいるけれど、日本は「ホスト国」としての制度も自覚も足りないので持ってほしいなあ、という希望が書かれる。
就労ビザで来日した父親に着いてきた子供たちは言葉もわからず、学校でも馴染めず、語学学校は料金も高い。(語学学校がある地域にネパール人が集まる側面もある)そして父親の滞在期間がいつ切れるか安定しない生活。
日本は労働者として外国人を入れるなら制度も整える必要がある!日本がハードルの高い制度だけ決めているので、ネパール人がネパール人を搾取するような日本にとっても悪い方向にしかならない方向になっている!
●そんななかでも、日本に馴染んで、あとから来る同国人たちの世話人になるインド人、ネパール人もいます。
うちの家族は外食するとインドカレー(インネパカレー)の店に行く確率はかなり高いです。家では絶対にできないからです。するとたしかに「…あまり美味しくない…」って店も結構あるんですよね。
Posted by ブクログ
1980年代神戸のゲイロードや名古屋のキャッスルプラザホテルのアクバルはおしゃれして行く高級料理店でした。
ガラス越しにインド人コックがタンドール窯で焼く巨大ナンにワクワクし、カシューナッツなどが入ったカレーに舌鼓を打ったものです。
いつの間にか近所にもいくつかインド料理店が出来、風の噂にあれはインドではなくネパール人家族でやっていると聞くようになりました。
その移り変わりからネパール人の実情まで丹念な取材で解き明かしてくれました。
おまけに偽造テレフォンカードやクスリの密売で有名だったイラン人がVISAなし渡航の不法残留者として日本にいたことなど本編と関係ない所でも昔からの疑問が解けて非常に参考になりました。
Posted by ブクログ
街で見かける「ネパール人が経営するインドカレー屋さん」がなぜ台頭していて、どこも同じようなメニューが並んでいるのか?という謎に迫るノンフィクション。あの甘口のバターチキンカレーの味や、大きくてふわふわのナンは日本人好みにローカライズされたもので、本場のインドでは見られないのだとか。カレー移民たちの現実と、その背景にある歴史や国事情を学ぶ一助となってくれつつ、無性にカレーが食べたくなる一冊。
Posted by ブクログ
実に興味深い本だった。
街中にどこにでもある、妙にインド感漂う
カレー屋さん。
本当にどこにでも突如としてあるし、
ほぼ働いてる人たち現地の人。
いったいあの人たちはどこからやってきたんやろ?
と思ったら、インド人じゃなくて
実はネパール人らしい。
しかも、提供しているカレーは、
本場のインドカレーでもなく、
ネパールのカレーでもなく、
日本人向けに味付けされたカレー笑
あのネパール人たちは出稼ぎでやってきて、
次から次へと増えていったらしい。
まずは単身で日本にやってきて、そのうち家族を
連れてきて、うまくいけば故郷に仕送りをして、
成功すれば母国にカレー御殿が建つらしい。
もちろん経営がうまくいくネパール人ばかり
ではなく。
カレー移民の闇も読んでいて理解できた。
読めば読むほど深かったー。
先日コストコで、カレー屋さんに出てくる
謎のドレッシング買ったんだけど、
普通に美味しい。
そういえば、家の近所にもインネパの
カレー屋さんあるな…今度行ってみようか。
Posted by ブクログ
最近、どこに行っても見るようになった「インドとネパールの両方の国旗を掲げたインドカレーの店」。どの店もメニューはだいたい一緒で、どこで食べても味はそれほどバラツキがない。
そして、インドカレーと言いつつも実は働いている人はネパール人ばっかり。
日本全国、どの店に入ってもほぼ同じテンプレで拡大するインドカレー店の実態に迫るルポ。
読み進めると、ただ単に「ネパール人が日本に来てインドカレーらしきものを作って売っている」というわけではなく、その奥には複雑ですぐには解決できない、ネパールという国家が孕む問題があることが分かる。そして、好き好んで日本に来たわけではないネパール人たちの苦悩と悲哀も知ることができる。
外国からの送金に頼らざるを得ないネパール経済と、時に法的にグレーな移民労働と安く提供される食事に頼らざるを得ない日本経済。
それぞれがお互いに支え合って、今のインドカレー店の急増につながっている。
ネパール経済の歪さや、不当にネパール人を働かせる仕組みに対して、いち日本人ができることは少ない。しかし、以前何度もネパールに行き、「日本のインドカレー屋で出てくるような料理はネパールにはない」ことも知っている身としては、それでも何かできないのかなぁ、と思わざるを得ない。だって、近所の行きつけのインドカレー屋で働いているネパール人たちは、みんな良い人たちだから。
Posted by ブクログ
ここ20年で急増したインドカレーの店。実はインド人でなく、ネパール人による経営がほとんどだと言う。この本はそのようなネパール人たちがなぜ日本に来てカレー屋をやっているのか?それもネパール料理ではなく、インドのカレーなのかそしてそのカレー屋のメニューがどこも金太郎飴のように同じなのなぜなのか?と言う疑問に迫った本である。なぜこれだけたくさんのインド料理店があるのに個性的な店が少ないのかという点についてかねてから疑問に思っていたが、この本を読んで氷解した感じである。
ネパール人たちは、金を稼ぎたいからカレー屋をやっているだけであり、そのビジネスモデルを学んで、そのビジネスモデルをもとにビジネスを展開するから、どれも同じような店になっていく。そしてビジネスだから儲かる店、儲からない店が出てきて、異文化間の問題もあり、あるいはブラックな雇用形態で苦しむネパール人のなども多数おり、ネパール人の問題であることがわかる。また一方で、それは日本の社会の問題でもあった。
Posted by ブクログ
どこのお店でも、同じ味、同じメニュー...
オレンジ色のドレッシングがかかったサラダ、バターチキンカレー。このインドカレーの提供形式は何処から、どの様に広がっていったのか、疑問でした。
本を読み進めていく中で、今まで通った様々なお店に想いを馳せてしまいました。またあとがきで書かれていたことも、最近覚えがあり思わずハッとしてしまいましたw
Posted by ブクログ
身近な「インネパ」料理屋。
現地ではチャパティだよなと思いつつも、ナンも美味しいし、カレーもどれも変わらず美味しい。
お店で食べてるだけでは分かりえない、ここに至るまでの背景と、今を知る。
産業がないと人は出ていく。国単位か地域単位か。その地域に産業がなくとも、技術があれば国境を飛び越えられる。でも、そのためには教育が重要であって…。
日本で暮らすネパールの子供たちの教育と、心の安定。カレー屋のネパール人家族の人生。やはり出てくる入管。同族間での食い潰し。
読んでて、色んな不条理・不合理を感じるし、日本の移民に対する理不尽な政策、それに翻弄されてきた外国人たちへの罪悪感を感じつつ、安定して変化はなくとも美味しい食事を提供してくれるお店に行きたく思う。
単純な話ではない。
知れて良かった。
Posted by ブクログ
東南アジアを専門とするジャーナリストによるインネパカレーの本。インネパカレーが日本中に広まった理由や、ネパールからの出稼ぎ者にまつわる情報を膨大な取材(出版までに三年かかったそうだ)で教えてくれる。
今や当たり前のように近所で見かけるインネパカレー屋さん。でもその裏側は知らないことばかりで、とても興味深かった。
Posted by ブクログ
インドカレー屋を経営しているネパール人は、家族のために必死で、さまざまな問題を抱えていた
仕事の少ない自国の家族に仕送りするため、日本人向けのカレーを作り続ける、そこにオリジナリティなんてなかったなんて
後半では、親と暮らせない子供・日本に馴染めない子供・教育をまともに受けられない子供について書かれ、読んでて辛くなった。最近の移民問題も含め、どんどん大きくなる課題に思えた。
読書筋が足らず、時間がかかったけど面白かった。
キーワードは、ムグライ料理。
Posted by ブクログ
街中でよく見かける「インド料理屋」
どこに行っても店構えやメニュー(ナンとカレーとタンドリーチキン、サラダにオレンジのドレッシング)、なぜかネパールの方が切り盛りしている点など、何かと似通っているので、絶対に何かウラがあると思っているところに本書を見かけたので思わず購入
てっきり、ウラで取りまとめている大きな組織があるとばかり思っていましたが、そんなものはない、といきなり書かれていてびっくりしました
どこも似通っているお店の形態に至った経緯には、日本の時代背景とネパールの出稼ぎ文化が関わっているお話、パイオニアはインド人で、元々は日本では高級志向だったこと、それがいつしか大衆化して、ネパール人が関わるようになったことが、その理由と共にわかりやすくまとめられていました
本書では、そのような形態のお店を「インネパ」と呼んでいました。出されてくる料理は純粋な現地の料理ではなく、日本で根付いてきた過程で、かなり日本人の好みに合わせた独自の進化を遂げていることがわかりました。
また、海外の皆さんが日本に滞在し続ける難しさ、ビザの問題、教育の問題、人材ブローカーの闇など、闇の部分もいろいろ書かれていて勉強になりました
ネパールの皆さんは我々日本人よりよっぽどアグレッシブでチャレンジャーだなあ、という印象も持ちました
個人的に気になっていたことは全て網羅されていて、それ以上の内容にまで踏み込まれていた内容だったので非常に面白かったです
近所に行きつけの「インネパ」のお店があり、いままでとはちょっと違う目線にはなってしまいますが、ネガティブな意味ではなく、いい意味で改めて伺いたいなぁと思いました
Posted by ブクログ
なぜネパール式のインドカレー屋が日本にたくさんあるのか。この本は、表層的な理由のみならず、ネパールの教育環境や歴史背景など、深い部分までリサーチされていて、さらさらページが進んだ。
身近にあるインドカレー屋も家族経営で、子供たちの談笑の声が聞こえたりするので、背味だけでなく、お店自体の背景も想像したい。
Posted by ブクログ
2024年出版。333ページ。このページ数に至るのに、どうしても網羅的になる面は有る。必ずしも関心の高くない部分は微妙にスキップしなごら読み進めたが、中々に興味深い所も。タイトルに「移民」が含まれるが、そもそも「日本は移民を受け容れない」事に改めて驚き。ビザの更新期間は刻まれ、日本で生まれても国籍は取れない。都合の良い部分だけ一時的に利用して、都合が悪くなったらいつでも滞在出来なくする...。排外主義的な妄言を吐き散らして政党まで出来る、この日本の情けなさを痛感した。
Posted by ブクログ
インドカレー屋ってほんとにどこにでもあるし、どの店に行っても安くて量が多くて美味しい!!
特にランチは1000円で食べ放題とか正気の沙汰とは思えないメニューもあって、この値段設定で大丈夫か?と客ながらに思っていたが、やっぱり無理してるわな〜と本を読んで思った。
しかしこんなカレー移民斡旋ビジネスが確立されていたとは驚き。
日本語を教えてもらえないまま、日本で暮らさないといけない子どもたちのことが気になってしまう。
Posted by ブクログ
カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」
2024年3月20日 第一刷発行
2025年3月8日第六刷発行
著者 室橋裕和
なぜインドカレー屋をネパール人が経営しているのか。なんでみんな版を押したように同じメニューなのか。時々疑問に思いながらランチしていた。それに答えてくれながら、その裏側まで深掘りしてくれているレポート。在日ネパール人社会の抱える問題や、それを生み出している日本・ネパール双方の事情まで分析してくれているのは面白い。
Posted by ブクログ
街で見かけるネパール人が経営するインドカレー店(通称インネパ)について取材したノンフィクション本。
「どの店もメニューが一緒なのはなぜ?」「インド人じゃなくてなぜネパール人が経営してる?」などのよくある疑問が全て解消される。
また、ネパール移民の方たちが直面する日本での問題にも切り込んでいて、興味深かった。
インネパは日本のカレー屋より好き。チーズナンとか美味しい。
Posted by ブクログ
インネパ料理の愛好家の私にとって、一読すべき本であった。なぜ、美味しさに対して客数が少ないか、あるいは、他の国の料理よりも出店が多いのかといった疑問を根本的に理解するのに役だった。ネパールの国の産業と、日本の構造を理解した上で、インネパの成り立ちを理解すると、現状は非常に腑に落ちるものであろう。兎にも角にも、これからも美味しく食べ続けよう。
Posted by ブクログ
「インネパ」知るならまずこの本
取材多数。さらに実際に「インネバ」に赴いて取材、リアルな声が聞けた
何気なく食べていたあのカレー、この本によれば発祥の店で今でも繁盛しているらしい。他店を試すことに若干の怖さも感じつつ、しかしながらその苦労を知ると新しいところにトライしてみたいとも思った
Posted by ブクログ
地元でも、元ラーメン店の居抜き店舗とプレハブ小屋のような店舗の2店が営業を続けている。すべてがインド人経営だとは思っていなかったが、多くのネパール人が関わっていることが分かった。それはインドのカースト制度と、ネパールが抱える貧困な産業構造にあった。30年ほど前に都内のインド料理店でめっちゃスパイシーなカレーを食べた記憶がよみがえる。本書を読むと、来日したネパール人の苦労・苦悩や、家族滞在の在留資格で日本に馴染めないカレー屋の子の問題があることに気付かされる。高野秀行のルポを彷彿させる本だった。
Posted by ブクログ
スパイスカレー屋でバイトしていた身としてずっと気になっていた、日本人向けの油たっぷりででも年1くらい食べたくなるカレー、の正体、裏側を知った。みんな必死に生活を賭けて日本に来てるんだなと思い、なんとも言えない気持ちになった。
Posted by ブクログ
インドカレー店を日本で営んでいるネパール人…
その謎に迫った話。
インドカレーが流行ったのは、バブル時代の日本の労働観の影響が大きい。その後、ネパール人の宗教的制約の少なさや、インドでの経済的発展、日本での政策が重なり、ネパール人がインドカレー店を営むようになっていく。
では、ネパール人は幸せなのか?
開業したネパール人についてくる家族や、それを真似て意欲もないのに日本に来るネパール人たちはやはり、教育的にも、経済的にも恵まれない。また、インネパビジネスを斡旋する会社や、社会保険を完備しない会社もあり、彼らの待遇は良くない。さらに、彼らは祖国で待つ家族に仕送りもしなければいけない。
ネパールでも、働き手が出稼ぎに行き、子供と老人しか国に残らない。子供は愛を学ぶことができなくなり、それに飢える。
ではネパール人たちは今後どうなるのか?
日本にいるネパール人は「移民」ではない。彼らはむしろ、ただの在留資格を持った外国人として扱われる。そして、ネパール人たちはカナダやオーストラリアといった、移民として自分たちを扱う国に移動する。この点で筆者は、最後に日本で使われている移民ということばを否定し、私たちはほんのタイトルに騙される。
Posted by ブクログ
特に東京のリトルインディアと言われる西葛西の近くに住んでるので、身近な話で面白かった!客が全く入っていないインドカレー屋が潰れないのは、ネパール人を日本に派遣するサイドビジネルがあるから、、ネパール人従業員の回転率を上げた方が儲かるという闇。
その中でも異国で生きていくしたたかさを持ち、努力をして日本に永住する人たちもいる。
Posted by ブクログ
似たようなメニューやシステムの店が多い理由は、失敗を恐れて安易に前の店の真似をしているから。コンサルは存在しない。
インド料理店で働くためのブローカーは存在する。現在は入管が厳しくなったので新規出店は頭打ち。
同じ頃から増えてた台湾料理の店についての本あるかな。探してみよう。