室橋裕和のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
群馬県高崎市から茨城県鉾田市を結ぶ国道354号に沿って、アジア各国から来日したエスニックグループが形成しているコミュニティを訪ね歩くルポ。
宗教施設、お祭り、飲み屋などでその土地に暮らす外国人や2世の人たちとの話す内容。筆者はタイで暮らしたことがあるため、タイ人との交流が厚め。そのほかにもブラジル、スリランカ、ベトナム、ロヒンギャ(ミャンマー)、パキスタンなどの方々が登場。
今SNSでは川口のクルド人の傍若無人というか日本人の価値観とは相容れない行動が話題だが、この本の切り口は北関東のエスニックグループのみなさんがいかにして日本に融合しようとしているか(というか過去30年に融合してきたか)という視線から。
しかし難民問題についてはチャプターを一つ立てている。北関東では、コロナにより技能実習生の入国が止まったために難民申請中の「特定活動」者が増えたものの、技能実習生の受け入れが再開されたために難民/特定活動の人たちは減っていくだろう、というのが本書の見立て。 -
Posted by ブクログ
表紙とタイトルから、Youtuber的な、うまいぜヒャッホー的な本かと思ってたら、全然違ったな。
いろんな歴史的な展開から、354号線の走る、群馬高崎から、茨城鉾田まで、東南アジアの一大居住地域になっており、そこに、「メシ」に代表される、エスニックなコミュニケーションエリアが広がっているということなのだ。
かなり、「真面目な」レポートだったさ。
面白かった。
私の住まいが近いところもあって、行ってみたいと思うよ。
最近色々、「移民」「難民」が問題になっている。
ここに出てるような人たちばかりなら問題ない気はするが、そっと「不法移民」らしいことを仄めかしてるのはダメだろう。
日本の制度とか、あと、田舎民的な、封建思想とかクソなんだが、それとこれとは別。日本の法制度の甘さにつけ入ってるのどうなんだと思う。
実際いろんな問題が起きているのも事実で。
こういう視点は大切だ。問題提起は大切だ。
だけどその視点だけでは問題は解決しないと思った。 -
Posted by ブクログ
群馬~茨城の東西を結ぶR354は、エスニック街道と呼ばれるらしく、著者が各市を訪れながら、その様子を描く。
スタートは伊勢崎。ここには50-60ヶ国からの人が住んでいるらしい。人口が21.2万人に対して外国人は1.3万人、6.3%('22/2)。昔はイスラミックシティーと呼ばれたことがあるとのこと。
太田市大泉町はエスニック街道の中でも、特に外国人が集中(4303人、人口の10.3%)。中でもブラジル人が多いため、リトルブラジルと呼ばれる。
館林市にはロヒンギャの人が300人ほど暮らす。
小山市はパキスタン人による中古車業者が多い。中古車オークション会場は日本一の広さ。郷土料理のハンディが有名。
古河市にはスリランカ人、境町にはインド人でシク教徒、坂東市ではパクチー等をつくるタイ・ラオスからの人、常総市にはベトナム・スリランカ・インドネシアからの技能実習生(外国人は5914人/61562人 9.6% '23/1/1)が多く、常総市には珍しいイスラム教シーア派のモスルもある。またつくば市には1万人の外国人が居住する。
そして土浦ではタイ人が多く、かつてはリトルバンコクと呼ばれたほどだ。少し離れた笠間市には、タイ寺院のワットメッタダムがある。
旅のゴールである鉾田市では、農業に従事する外国人が多く、彼らが集まる場所の一つにアジア総合食材店がある。
各々の場所に興味が湧いたが、大阪在住なので雰囲気を味わうとしても少し遠い。せめて関西地区でこんなエスニックな場所がないか調べてみよう。
それとは別に、
この国は基本的に、難民を認めず、歓迎しない方針だ。それならなぜ、難民保護と受け入れのための国際的な取り決めである「難民条約」に加盟しているのか疑問ではあるのだが、ともかく日本は1980年代のインドシナ難民をのぞいて、まとまった難民を迎えることはなかった。2021年の場合、日本に逃れ難民申請をした2413人のうち、認められたのはわずか74人だ。2017年は過去最多の1万9629人もの人が難民申請をしたが、認定は20人のみ。きわめて狭き門なのだが、どうしてこの人が難民でこの人は却下なのか、明確な基準はわからない。ロヒンギャも19人が難民認定されているが、認定されなかった人との違いがはっきりせず、公表されることもない。それが日本の入管行政だ。
一方でウクライナからは「難民ではなく避難民」という名目で次々と受け入れを続け(2022年11月現在で2158人)、就労や日本語学習のサポート、最大16万円の一時金や医療費負担など手厚い支援がきわめて迅速に決められた。これはインドシナ難民のときと同じく、アメリカ政府からの圧力があったといわれる。
一方偽装難民もいる。難民申請をし却下されても週28時間内の労働が認められられるケースもある。「特定活動」に移行できればラッキー、そうでなくとも仮放免になって不法就労すればいい。北関東には雇ってくれる職場があるのだ。また在留カードの偽造が北関東では大きな問題となっている。しかし地域の製造業に必要な存在なので、摘発は出来ないだろう。
実習生は毎月2万円とか3万円の「監理費」を徴収されている。このお金で組合や監理団体が運営されているのだが、そこに政治家が絡み、複雑に利権化している場合がある。やはり「人を入れれば入れるほど」儲かる仕組みになっている。
つまりベトナム人と日本人がうまいこと結託して、若いべトナム人の生き血を吸っているのだ。それが技能実習制度という名の人材ビジネスの実態だ。
と言う内容には共感できる。
一方、中国人やベトナム人は、真面目にコツコツする人も多いが、犯罪に手を染める人が出るのも両国の特徴らしい。
結局どっちもどっちなのかな。