イタロ・カルヴィーノのレビュー一覧

  • マルコヴァルドさんの四季

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    ちょっとシュールな現代童話、といった印象。ただただ現代童話にありがちなシニカルさに偏ってばかりではなく、ひねりを効かせた笑いあり、都会ならではの物悲しさあり、「意味怖」的な話もあり…それらが豊かな描写で描き出される。後半には、今に通ずる社会問題を取り上げた話もあり、物語とは別のところでドキリとしたり…。幅広い年代で、それぞれの視点で読める良書だと思う。

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    2020年12月11日
  • マルコヴァルドさんの四季

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    自然を愛でることが得意(というより現実逃避が上手い?)な貧乏子沢山のマルコヴァルドさん
    児童文学の顔しながらそのじつ随所に散りばめられた皮肉とブラックユーモアに大人も楽しめるお話たち
    一話が短いし繋がりもほとんどないので気が向いたときに一話、また一話と気軽に読みすすめられる

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    2020年11月26日
  • 見えない都市

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    ネタバレ

    モンゴルの皇帝とマルコ・ポーロ。この組み合わせだけでも読む価値があるというもんだ。カルヴィーノは言葉しか信じないが、われわれ凡人は実在を期待してしまうので、永遠に届かない世界を「あるんじゃないか?」と期待しながら、むなしく空回りしてしまう。

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    2019年02月02日
  • 見えない都市

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    その都市はいったいどこにあるのか。強大な力を持って果てしなく領土を広げゆくフビライと、地の果てまでひとり行くマルコ・ポーロが、それでもまだ知ることのできない都市と、どこかで見た都市を巡って時を過ごす。見知ったようなそれでいて遠い世界のお伽話が、電車で向かう仕事先とさえ重なり合う重畳された時間の流れの中で、じわじわと響きあう。やがて、読者である自分自身がその都市のひととなった。

    電車の中にあって片手をあげて寄り添う人々は、誰ひとり言葉を発せず、互いに隣には誰ひとりいないようにふるまっている。たとえあなたがそこで何を目にしようがそれはあなたの脳が見た景色であって、隣で光る板を睨みながら首を捻じ曲

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    2018年01月14日
  • マルコヴァルドさんの四季

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    カルヴィーノの作品は邦訳あるものは殆ど全部読んでたつもりだった。もしかしてカルヴィーノのファンと言っていいかもしれない。幾つかのものは再読すらしているから。「くもの巣の小道」は自分の楽しみのために、「冬の夜一人の旅人が」は若い友人に勧めるために。
    しかしこれは未読だった。半世紀以上も馬齢を重ねていれば大概の小説とインド映画の筋は忘れてしまうのだが、児童向小説は比較的記憶から抜け落ちることがない。そしてこの「マルコヴァウドさんの四季」は児童向小説なのである。
    子供のために書かれたからと言って、決して楽しい小説ではない。主人公のマルコヴァルドさんはトリーノを思わす工業都市に暮らす労働者だが、かれと

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    2023年01月13日
  • マルコヴァルドさんの四季

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    50年ほど前に書かれたイタリアの姿。でも現在にもいまだよくある光景がそこにある。時代差を感じる部分は、マルコヴァルドさんの貧しさくらいか。職を持っている人がなかなか食べていけないほど今の先進国は深刻ではないのではないかと思うくらいか。都市のなかで視点を変えて暮らすほのぼのとした一面があって良書であった。

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    2014年07月15日
  • 見えない都市

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    旅行がしたくなる一冊。マルコ・ポーロが訪れた諸都市の様子を、フビライ汗に語るお話。語られる都市が現実にあろうがなかろうが、絵も写真もないのに言葉だけで、聴いたフビライ汗はその諸都市を想像できる楽しみ。その楽しみを読者も疑似体験できます! ないと分かっていても楽める人間の想像力の力を体験いたしましょう!(感想人は無責任な人間です。でもこの本は楽しいですよ。いつか旅行してみたいなあ)

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    2014年02月15日
  • マルコヴァルドさんの四季

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    ファンタジー以外の児童書は滅多に読まないのだけれど、
    児童文学作家の先生が描写がすごい本として挙げていて、読んでみた。
    裏表紙の解説を読んで、抒情的なもっとウェットな内容を想像していたけれどとんでもない。
    都会の中の自然や、季節のうつろいや音・色・香りなどに対する描写は確かに素晴らしい。
    でもそれ以上に現代社会への皮肉が壮絶にこめられていて、読んでいて始終にやにやしてしまう。
    子供と大人で楽しみ方が全く変わる作品だと思う。
    マルコヴァルドさんやその一家が結構悪いことをするので
    (それらもコミカルにユーモアたっぷりに描かれていて大変面白いが)
    なかなか日本では出せない作品だなあと感じる。
    他の方

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    2014年01月26日
  • 見えない都市

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    経験すれど言葉にならない風景がある様に、言葉に表せども経験できない風景もまた存在する。フビライ・汗にマルコ・ポーロが語り聞かせる架空の都市はどれも奇妙かつ不可思議なものばかりだが、何も言葉通り受け取ろうと肩肘張る必要はない。マルコが言う通り、物語を支配するのは文字ではなくあなたの眼差しなのだから。ここに記された55の都市の風景は読み手によって伸縮し、その解釈の数だけ増殖する。間に挟まれる2人の会話は禅問答の様だが、全てが滅び行く現実の中でもなお留まろうとするものを肯定する着地点はニヒリズムを越えて行く。

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    2013年12月12日
  • 見えない都市

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    若手建築家がおすすめの本ということで手に取りました

    イタリアの作家さんの小説です。

    あまり自分からは手に取らないたぐいの小説だったのですが、読み始めるとその独特の世界観にいっきに引きこまれてしまいました。

    マルコポーロがフビライ汗に彼が訪れた(と思われる)幻想的な都市の様子を語る。という体裁で話は進んでいきます。

    11の都市について語られるのですが、その語られ方がとても面白い。

    短いパラグラフでそれぞれの都市がバラバラに語られているのですが、それぞれのパラグラフがまるで散文詩のような雰囲気を持っています。

    その美しい文体が薄く引き伸ばされたようにレイヤー状に重ね合わされて、その総体

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    2013年08月01日
  • なぜ古典を読むのか

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    ネタバレ

    イタリアの作家イタロ・カルヴィーノが、文学について雑誌などに書いた文章が死後まとめられたもの。須賀敦子が訳している。須賀敦子が訳している小説ではない本を読んでみたかったのが、この本を読んだ理由の一つなのだけど、もともとのイタリア語の文章がそうだったのだろうけど、須賀敦子自身があとがきで書いているように、ごつごつして読みにくい文章も多かった。

    表題作の「なぜ古典を読むのか」に始まり、取り上げられているのは、オデュッセイア、アナバシス、オウィディウス、スタンダール、バルザック、ディケンズ、フロベール、パステルナーク、トルストイ、マーク・トウェイン、ボルヘス、パヴェーゼと多岐に渡る。カルヴィーノの

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    2015年10月02日
  • なぜ古典を読むのか

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    ここで取り上げられている本の殆どを読んだことがないというだけでも買った価値のある本です。いいなぁ、こういう本。知らない世界を押し広げてくれるんだから。ヘミングウェイの作品くらいは読んだことあったからそこしかまだ読んでませんが、なにか新しい作品に出会いたくなったら本書を頼りとして、ゆっくり堪能させてもらいます。

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    2012年05月21日
  • 見えない都市

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    ネタバレ

    フビライ汗に、マルコ・ポーロが帝国内の55の「都市」の様子を報告するという形式の小説。

    「都市」の姿は、そこで生活する人間の内面の反映である。フビライはマルコ・ポーロのさまざまな「都市」についての報告を通じて、「帝国」の姿を理解しようとするが、それはそのまま人間の精神を理解しようとする試みでもある。

    しかし、この「都市」。一体何なのだろう? マルコ・ポーロが語る「都市」は、いずれも異形の街ばかりであるが、その光景はどこかでみたことがあるような気分にもさせられる。そう、それは「記憶」のなかにある「都市」なのだ。「記憶」のなかにある、いわばすべての都市の雛形とでも言えるような、「最初の都市」と

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    2012年02月05日
  • 見えない都市

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    どこから読んでも良い。どの都市も全ての都市の断片であり全ての都市はひとつの幻想都市に収斂されていく。そして不思議にひきつけられる。
    自分の存在もマルコ・ポーロとフビライ汗とともに不安定になって面白い。
    都市と眼差、都市と死者の種類の話が印象に残ったかなぁ。

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    2009年10月04日
  • 見えない都市

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    文体とかちょっと読みにくいけど、面白い。フビライ・ハンとマルコ・ポーロが架空の都市の話をしていくファンタジー。1〜数ページの短い話がいっぱい。二人の対話のところはなんとなくアンニュイな感じでかなり好き。ハードカバーで読みたいな。

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    2009年10月04日
  • 見えない都市

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    「語るもの/語られるもの/語りえぬもの」をめぐる、マルコ・ポーロと
    フビライ汗のコミュニケーション/或いはディスコミュニケーションの物語。
    人は何を語り何を語らず、それがどうやって伝播し・あるいは伝播しないのか、ということを考えさせられる小説でした。
    もちろん一つの幻想譚としても都市論としても優れている。

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    2009年10月04日
  • マルコヴァルドさんの四季

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    マルコヴァルドさんの四季のタイトル通りマルコヴァルドさんが四季を過ごす話。身近なものから季節の変化を感じとる感性が素敵。

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    2021年09月27日
  • マルコヴァルドさんの四季

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    ネタバレ

    ちょっぴりズレてるマルコヴァルドさんの素敵な日々。

    都会の中であくせく働き、四季の移り変わりに心を寄せる。マルコヴァルドさんを紹介するとそういう人なのだが、それはこの物語の魅力とはちょっと違う。

    マルコヴァルドさんは、都会の中の小さな自然を見つけては喜び、しかし物語はちょっとビターな方向に転がっていく。公園のベンチを別荘と洒落込んでも光や音や臭いのせいで眠れない。キノコを見つけたら食あたり。スーパーマーケットやネオンサインに振り回される。

    でもマルコヴァルドさんは挫けない。子沢山で家計は苦しく、いつも思ったようにはいかないけど、マルコヴァルドさんはブツブツ言いながらも楽しそうだ。

    生き

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    2021年08月19日
  • 見えない都市

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    2008年10月12日~14日。
    むむぅ。
    とっつきにくかった。
    凄く面白い箇所もあるので、これはもっと時間を掛けてゆっくりと読むべき本かな。
    機会があったら再読してみるか。

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    2018年01月06日
  • なぜ古典を読むのか

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    なぜ読むのか、と言われてもそもそもなかなか手が伸びにくいものではある。あまりにも膨大で変なところに手をつければ崩れて埋もれてしまうんじゃないかと腰が引けてしまう。

    そんなことはカルヴィーノも分かっている、ただ古典のほうから呼びかけ続けるものだから手をとるより仕方がない。ここで紹介される様々な古典はしたがって、書物のそれぞれの気候と眺望から描かれる。

    彼の「見えない都市」と同じような手触りで、読めるようで読めないが、非常に楽しませてくれる。ぐいぐい手を引っ張りながらそれぞれの書物を訪問させてくれる。

    訳者あとがきで述べられてるようにごつごつとわかりにくいところも多いけれども、また、古典の入

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    2016年03月14日