吉村武彦のレビュー一覧

  • 女帝の古代日本

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    飛鳥・藤原まる子と伯父検定を受験するにあたり購読。

    文章自体はとてもわかりやすく読みやすい。
    もう少し、各天皇が即位した背景が詳しく書かれていると理解しやすいかも、とは思った。
    時系列的に即位したとだけ述べられると、ストーリー制より暗記になってしまう懸念が。
    しかし、背景は『日本書紀』等々書かれていない物も多いだろうから、作者の推論を避けたのかも知れない。
    歴史書は勝者の物語である側面が強い事を理解していないと誤解が生じる部分もあるだろうから。 
    曲解して「これが正しい」と誤読してしまう人への配慮かもしれない。

    女帝が活躍?していた次第とはいえ、まだまだ政治利用されている感は否めない。

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    2025年11月28日
  • シリーズ 地域の古代日本 畿内と近国

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    王権下における手工業生産の展開や、六道通路を中心とした畿内の交通体系、国分寺と東大寺の関係などが興味深かった。

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    2025年12月10日
  • シリーズ 地域の古代日本 出雲・吉備・伊予

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    九州と近畿をつなぐ回廊としての特質から考古遺物や遺跡分布を検討していく視点だけでなく、吉備の製鉄や古代出雲など地域独特の要素についても興味深い内容だった。

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    2025年12月08日
  • シリーズ 地域の古代日本 陸奥と渡島

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    古代東北を南北に分ける文化の境界線をまたいだ相互交流の諸相や、南北からの影響を受けて形成が進んだ古代アイヌ文化論といった北海道も視野に含んだ広い視点が興味深かった。

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    2025年12月04日
  • シリーズ 地域の古代日本 東国と信越

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    国造研究における方法論や、古墳・埴輪祭祀の独自性、地方寺院と村堂の実態追求など、東国の特質を踏まえた古代社会への視角が興味深かった。

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    2025年12月01日
  • シリーズ 地域の古代日本 筑紫と南島

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    九州・沖縄地方の古代を対象とした論集。海外交流の先進地域としての北九州の様相や、沖ノ島祭祀、琉球列島の地域色豊かな先史時代など興味深い内容だった。

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    2025年11月26日
  • シリーズ 地域の古代日本 東アジアと日本

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    シリーズの総論として、東アジア世界の中における日本古代国家の形成過程を扱う内容。個人的には伝播ルートを踏まえた漢字文化の受容過程が特に興味深かった。

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    2025年11月24日
  • 新版 古代史の基礎知識

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    今まで読んできた本の中にはかなり古い物もたくさんあり、知識をアップデートしたいと思って新版のこの本を手に取った。古代史の中でも押さえておきたいトピックが網羅されていて、他の本を読むときなどにも簡単な辞書としても使えそう。ただ、章のまとめ上必ずしも時系列になっていない部分もあり、多少内容が前後するところはあった。あと関係ないが印刷の匂いがとてもよくてクンクンしながら読んだ。

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    2022年05月05日
  • 蘇我氏の古代

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    古代史と考古学の生かをいかして蘇我氏の歴史を語る。特に、氏姓制度についての解説がとてもありがたかった。墾田永年について、これをもってこうちこうみんが始まるという著者の説とか改めて学んでみたい。倉本氏との違いも垣間見ることができた。

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    2020年07月03日
  • 蘇我氏の古代

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    歴史上で藤原氏についで有名な蘇我氏について、その時代背景とともに書かれています。まだ律令制ができる前、身分はどのようなものだったのか、日本という形はどのように出来上がっていったのかを学ぶことができます。氏という日本独自の身分とは何だったのか。それがどのように作用したのかを知ることで、古代に蘇我氏が力を持ち、衰退してしまった理由について知ることができました。首長の集まりである古代国家から、天皇が中心の律令国家に移り変わる時代を感じることができました。

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    2016年06月06日
  • 蘇我氏の古代

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    興味深い点が沢山あり、勉強になった。

     とくに、「乙巳の変」が、ヤマト朝廷の内部の権力闘争であったが、同時に、唐の成立を背景とした、朝鮮半島の政変が波及してきたものという。

     これは孝徳朝以降、豪族の姿が見えなくなり、国家権力の集中という展開と重なり、豪族の連合政権から、大王が中心となり自律的行動が可能になる国家体制への転換がなされたということであり、古代史における王権の確立という点から見ると、非常に興味深いと思われる。

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    2016年04月25日
  • 女帝の古代日本

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    かなり深く学説等を紹介し、各章・各節ごとに最後にきちんとまとめの文章を置いてくれるので、知識を吸収しやすかった。
    巻末の資料もわかりやすい。

    史上初めての女帝は推古天皇だが、初めての譲位・初めての重祚は乙巳の変を行った中大兄皇子(天智天皇)の母である皇極(重祚後は斉明)で、やはり蘇我本宗家を倒したクーデターが日本の天皇史の大きな転換点であったように思う。

    この時代を考える資料で正史である『日本書紀』は、乙巳の変を実行した天智天皇の娘(元明天皇)と中臣鎌足の息子(藤原不比等)がトップであった時代に完成したものであり、かなり勝者の理論が適用されていることを考えて読むべきものであることもわかった

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    2015年02月22日
  • 女帝の古代日本

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     女帝が大きく取り上げられたのは現在の皇嗣問題や女性宮家の問題がクローズアップされているからだろうが、本書は純粋に過去の女性天皇の歴史的性格を記した本である。
     女性が天皇になった理由は古代においても非常時、緊急避難的な事態への対処であった。王権の安定化のための応急処置や、すぐに即位できる男子の皇位継承者がいなかったり、血統が変わることを防ぐために、自らの孫が即位するまでの時間稼ぎをするという目的であったようだ。持統天皇はその典型例であり、まさにみずからの寿命をかけた皇統の維持のための即位であったのだ。
     その後、女帝が現れなくなったのは、幼帝の即位が容認されるようになったことや、譲位が一般的

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    2013年04月15日
  • 女帝の古代日本

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    古事記の示す「古事」の意味もわかる。
    女帝はあったけれども、あくまでも「傍」としての存在。中継ぎ的・・・・。
    であれば、昨今の女帝論、改憲論もまた慎重にならなければならない。
    昔に女帝があったから、現代も女帝にしてもいい・・・という短絡的な発想をしてはならない、ということだろう。
    安易な皇室典範改正に賛成してはならないということなのかなぁ。

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    2013年01月16日
  • シリーズ 地域の古代日本 出雲・吉備・伊予

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     出雲・吉備・伊予は大陸文化の通過地点であるだけでなく、日本海側と太平用側をつなぐ回廊であり、様々な文化が交わる地域でもある。これらの地域にスポットあて、代表的なトピックスから古代の様子を紐解いている。出雲は製鉄や出雲大社、吉備は古墳、伊予は山城と限られた内容であるが、最新の発掘の成果に触れることができる。いずれも大陸文化の影響があり、まさに大陸への窓口であったことが分かる。歴史が下るにつれて東へ政治の中心が移り、忘れらた存在となってしまった近畿以西の地域であるが、古代日本においては重要な地域であったことを思い出させてくれる。

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    2023年07月29日
  • シリーズ 地域の古代日本 東国と信越

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    6章「ヤマトタケル東征伝承とアヅマ」大隅清陽で否定される原秀三郎説を7章「三川・穂・三野・科野・越の地域と社会」田島公が肯定的に引いているあたりおもしろい。
    まあ前者が正しいんだろうな。

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    2022年06月16日
  • 女帝の古代日本

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    壬申の乱まで来ました
    天智天皇は大友皇子の為に不改常典の法を定めた
    元明天皇即位の時も「改るまじき常の典」にのっとり自分が即位して文武に繋ぐことの正当性を訴える
    日本って理屈っぽいが、この正当性のお蔭でゲームのルールがあるかのような政権略奪が繰り返される
    織田信長も大久保利通も上手だったよね

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    2018年12月11日
  • 蘇我氏の古代

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    歴史上好きな人物は?と聞かれたら、藤原不比等、天武天皇、聖徳太子、千利休、と言うのだけど、それにしては蘇我一族のことはいつも気になるんですよね。
    利休なんかよりも定期的に蘇我一族の本の方が読みたくなるのです。

    この本は古代史好きな方のレビューを読んで興味を持ち、積読リストに入れていたものです。

    でも、全体的には巷で言われてる王道の意見そのままで、意外な主張はあまりなくちょっと肩透かしな感じでした。
    例えば、入鹿が上宮王家を滅ぼし自ら天皇になろうとしていた、とか、蝦夷は冠位を息子に与えた、これは明らかに天皇大権の侵害だ、とかね。こんな感じで専横が過ぎた為蘇我氏本宗家は皇族によって打倒

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    2017年03月30日
  • 女帝の古代日本

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    飛鳥・奈良時代の天皇の親族関係が複雑すぎて、ついていけなかった。
    そこを理解しないと、読み解けないというのに。

    女性天皇は、天皇となる政治的資質や年齢がふさわしい皇子がいない場合に誕生し、
    その後、持統天皇以降は天武・持統系の皇統を維持するために即位した、
    ということらしい。

    そして、ヤマト王朝の天皇が兄弟継承だったということは、指摘されて今回初めて気がついた。

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    2016年05月07日
  • 女帝の古代日本

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    皇位継承が、ヤマトの安泰の要だった時代の解説。6〜8世紀、天皇はオサ、実力者、長老的の役割が強いから、10代以下の幼少天皇がいないのが新鮮だった。

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    2016年01月27日