吉村武彦のレビュー一覧

  • 女帝の古代日本

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    飛鳥・藤原まる子と伯父検定を受験するにあたり購読。

    文章自体はとてもわかりやすく読みやすい。
    もう少し、各天皇が即位した背景が詳しく書かれていると理解しやすいかも、とは思った。
    時系列的に即位したとだけ述べられると、ストーリー制より暗記になってしまう懸念が。
    しかし、背景は『日本書紀』等々書かれていない物も多いだろうから、作者の推論を避けたのかも知れない。
    歴史書は勝者の物語である側面が強い事を理解していないと誤解が生じる部分もあるだろうから。 
    曲解して「これが正しい」と誤読してしまう人への配慮かもしれない。

    女帝が活躍?していた次第とはいえ、まだまだ政治利用されている感は否めない。

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    2025年11月28日
  • シリーズ 地域の古代日本 筑紫と南島

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    九州・沖縄地方の古代を対象とした論集。海外交流の先進地域としての北九州の様相や、沖ノ島祭祀、琉球列島の地域色豊かな先史時代など興味深い内容だった。

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    2025年11月26日
  • シリーズ 地域の古代日本 東アジアと日本

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    シリーズの総論として、東アジア世界の中における日本古代国家の形成過程を扱う内容。個人的には伝播ルートを踏まえた漢字文化の受容過程が特に興味深かった。

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    2025年11月24日
  • 新版 古代史の基礎知識

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    今まで読んできた本の中にはかなり古い物もたくさんあり、知識をアップデートしたいと思って新版のこの本を手に取った。古代史の中でも押さえておきたいトピックが網羅されていて、他の本を読むときなどにも簡単な辞書としても使えそう。ただ、章のまとめ上必ずしも時系列になっていない部分もあり、多少内容が前後するところはあった。あと関係ないが印刷の匂いがとてもよくてクンクンしながら読んだ。

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    2022年05月05日
  • 女帝の古代日本

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    かなり深く学説等を紹介し、各章・各節ごとに最後にきちんとまとめの文章を置いてくれるので、知識を吸収しやすかった。
    巻末の資料もわかりやすい。

    史上初めての女帝は推古天皇だが、初めての譲位・初めての重祚は乙巳の変を行った中大兄皇子(天智天皇)の母である皇極(重祚後は斉明)で、やはり蘇我本宗家を倒したクーデターが日本の天皇史の大きな転換点であったように思う。

    この時代を考える資料で正史である『日本書紀』は、乙巳の変を実行した天智天皇の娘(元明天皇)と中臣鎌足の息子(藤原不比等)がトップであった時代に完成したものであり、かなり勝者の理論が適用されていることを考えて読むべきものであることもわかった

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    2015年02月22日
  • 女帝の古代日本

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     女帝が大きく取り上げられたのは現在の皇嗣問題や女性宮家の問題がクローズアップされているからだろうが、本書は純粋に過去の女性天皇の歴史的性格を記した本である。
     女性が天皇になった理由は古代においても非常時、緊急避難的な事態への対処であった。王権の安定化のための応急処置や、すぐに即位できる男子の皇位継承者がいなかったり、血統が変わることを防ぐために、自らの孫が即位するまでの時間稼ぎをするという目的であったようだ。持統天皇はその典型例であり、まさにみずからの寿命をかけた皇統の維持のための即位であったのだ。
     その後、女帝が現れなくなったのは、幼帝の即位が容認されるようになったことや、譲位が一般的

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    2013年04月15日
  • 女帝の古代日本

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    古事記の示す「古事」の意味もわかる。
    女帝はあったけれども、あくまでも「傍」としての存在。中継ぎ的・・・・。
    であれば、昨今の女帝論、改憲論もまた慎重にならなければならない。
    昔に女帝があったから、現代も女帝にしてもいい・・・という短絡的な発想をしてはならない、ということだろう。
    安易な皇室典範改正に賛成してはならないということなのかなぁ。

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    2013年01月16日
  • シリーズ 地域の古代日本 出雲・吉備・伊予

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     出雲・吉備・伊予は大陸文化の通過地点であるだけでなく、日本海側と太平用側をつなぐ回廊であり、様々な文化が交わる地域でもある。これらの地域にスポットあて、代表的なトピックスから古代の様子を紐解いている。出雲は製鉄や出雲大社、吉備は古墳、伊予は山城と限られた内容であるが、最新の発掘の成果に触れることができる。いずれも大陸文化の影響があり、まさに大陸への窓口であったことが分かる。歴史が下るにつれて東へ政治の中心が移り、忘れらた存在となってしまった近畿以西の地域であるが、古代日本においては重要な地域であったことを思い出させてくれる。

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    2023年07月29日
  • シリーズ 地域の古代日本 東国と信越

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    6章「ヤマトタケル東征伝承とアヅマ」大隅清陽で否定される原秀三郎説を7章「三川・穂・三野・科野・越の地域と社会」田島公が肯定的に引いているあたりおもしろい。
    まあ前者が正しいんだろうな。

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    2022年06月16日
  • 女帝の古代日本

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    壬申の乱まで来ました
    天智天皇は大友皇子の為に不改常典の法を定めた
    元明天皇即位の時も「改るまじき常の典」にのっとり自分が即位して文武に繋ぐことの正当性を訴える
    日本って理屈っぽいが、この正当性のお蔭でゲームのルールがあるかのような政権略奪が繰り返される
    織田信長も大久保利通も上手だったよね

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    2018年12月11日
  • 女帝の古代日本

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    飛鳥・奈良時代の天皇の親族関係が複雑すぎて、ついていけなかった。
    そこを理解しないと、読み解けないというのに。

    女性天皇は、天皇となる政治的資質や年齢がふさわしい皇子がいない場合に誕生し、
    その後、持統天皇以降は天武・持統系の皇統を維持するために即位した、
    ということらしい。

    そして、ヤマト王朝の天皇が兄弟継承だったということは、指摘されて今回初めて気がついた。

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    2016年05月07日
  • 女帝の古代日本

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    皇位継承が、ヤマトの安泰の要だった時代の解説。6〜8世紀、天皇はオサ、実力者、長老的の役割が強いから、10代以下の幼少天皇がいないのが新鮮だった。

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    2016年01月27日
  • 女帝の古代日本

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    ネタバレ

    古代の女帝にどうしても惹かれてしまう私です。。

    本書では古代に即位した6人(重祚含め8代)の女性天皇について、その即位に至る経緯と背景を探っています。
    女帝は、皇統の母を持つ皇子がいないなどの資質に問題がある場合や、いても若い皇子(30歳以下)しかいないときの王統の中継ぎ的存在で、古代はまだ天皇の権力と地位が安定していなかったために存在した、(よって国情が安定した後は幼帝が即位できるようになり、女帝が現れなくなった)また、天武・持統系の皇統を守るためにも女帝は不可欠だった(だから天智系の光仁に皇統が替わってからは女帝は現れない)というようなことが書かれていました。

    印象に残ったことは

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    2013年04月27日