天野こずえのレビュー一覧
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ぴかりが骨折継続中なものだから、他の部員たちに焦点が当たる15巻
内容を読み終わってから表紙を見ると色々感慨深いものがあるね
86話の刺激の強い全身麻酔描写には驚いたが、そういった描写があるからこそ、手術の前後にぴかりが漠然とした不安を抱えていることも伝わり易い
シリーズを通しててこは大きな成長を見せたわけだけど、ぴかりがてこに「置いていかれるかも」とのイメージを持つようになっていた点は意外。
けれども、ぴかりにとっててことの関係性は愛しいものだから「待って」と言わないで「追いかけるから」と言う。そんな二人の有り様はとても尊い
87・88話は三年生組と一年生組が初対面の話。そのためか、紅葉の人間性が見えてくるエピソードになっているね。桜を守る際には恐ろしい(!)一面を見せるけれど、それは危害を加えてきそうな相手に対してのみでそうでなければ面倒見の良さを見せてくれる
家庭的な姿でお重を作る紅葉の様子には思わず微笑ましい気分になるね
なら、次は桜の人間性の深堀りなのだけど、これはかなり意外な方向性から埋められたね。題材になっているのはMinecraft?
他人に探求されるのが苦手な桜は『箱庭』に籠もって自分の世界を作る。それは本来他人を排除する作りだけど、写真を飾るという外へのアピールがてこを呼び寄せたのは面白い展開
思えば、桜が写真を用いて世界を切り取り幸福を見つけているように、てこも写真を過去から掬い残したことで幸福を手に入れられた人間なんだよね
そういった共通項がある二人なら繋がりを持つのは不思議ではないか
でも、桜の他人に追求されるのが苦手という性格は、他人を追求するのも苦手ということであって。
あんな帽子を被って現れたてこに話しかけられない桜はその心境を思うと息苦しくなるね
だからこそ、桜が自分の力で再び踏み出したことには称賛の念を送りたくなる
「楽しさ」を共有できると思っていた相手から辛辣な言葉をぶつけられ閉じこもった桜。
でも、今回出逢ったてこは写真の「楽しさ」をきちんと知っていて、更にそれを桜によって教えられた人間なわけで
海職人の口調を交えて、竜宮城のことも引き合いに出しながらてこを受け入れた桜。
これらの描写に込められた幾つもの勇気や優しさを思うと胸が温かくなるね
長い休暇を経て全快したぴかり。彼女が巻き起こす「楽しい」の嵐が新生ダイビング部にどのような日常を齎すのか楽しみで仕方ない -
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別れと出会いが交錯する第14巻。二宮姉弟との別れに始まり、新入部員加入まで
二宮姉弟卒業編では「見送る方と見送られる方、絶対見送る方が寂しい」という台詞がこの話を上手い具合に彩っている
冒頭で正先輩を見送る二宮姉弟の回想が描かれ、その後に二宮姉弟を見送るぴかり達の様子が描かれる。本編においては二宮姉弟は見送られる方だから、そこで体感するのは自分達を見送ってくれる後輩たちの優しさ。そこでは寂しさよりも嬉しさの方が勝ってしまう。だから見送る方が寂しくなる
けれど、その見送る見送られる関係が先輩後輩だけでなく二宮姉弟間でも発生している点は印象的。誠が上京するために離れ離れとなる二宮姉弟。そこでは愛は見送る方で誠は見送られる方となってしまう
だから、校門でぴかり達に見送られる際の二宮姉弟は気持ちのいい笑顔であり、後輩たちは泣く寸前。引っ越し前夜の二宮邸で愛は涙をこぼし、誠は兄のような表情
大きな環境変化を前にしてそれぞれの心情がよく描かれたエピソードだったように思えた
第82話から始まるのは新しくダイビング部に加入する新入生の話。いきなり新入生二人の顔見せをするとは思わなかったよ。というか、二人共かなりキャラが濃いなぁ
紅葉はぱっと見普通の子でモノローグにも癖はない。ただし、相手を睨むときの目つきが非常に恐ろしい(笑)。また、桜を守るナイトのような振る舞いをするくせにちょくちょくポンコツっぷりが浮き出てくるのは面白い
桜はアームの付いた何かをいじる眼帯少女とファーストインパクトがぶっ飛んでいるものの、一旦潜れば海の美しさに夢中になる様子が見えてくる。また、口数が少ないものの言動自体は普通の子。いつもアーム見えてるのはやっぱりインパクト強いけど
紅葉も桜も一癖強いキャラでは有るけれど、良いバディになることがありありと見えてくる組み合わせ
そんな新入部員がやってくる中でぴかりはとんでもないことをしてしまったねぇ……
運動部もので大怪我って本当にアウトな状態だと思うんだけど、その大怪我が完全に自業自得であるのはフォローのしようがないよ……
落ち込んだてこを元気づけるという動機は素晴らしいものの、その為に無茶なジャンプをして全治3ヶ月て……
第一巻の頃は何とか出来た行為が今は怪我のもとに。何だか妙な方向で時間経過を感じさせる描写になったね
ぴかりの不調に対してこころとことり達はそれぞれの遣り方で支えようとする
前巻の告白からぴかりの将来の旦那さん(!)としての自覚を持ったこころ。ぴかりの方はどうやら子供への一時的な対応だったぽいけど、それでもこころの自覚が変わるには充分。階段から滑り落ちそうなぴかりを支えた時のこころはぴかりに相応しい男の顔をしていたように思えたよ
そしてことりとこだまが新入部員獲得に向けて動き出す第85話。これまでは後輩として世話される側だった二人、新入部員が入ってくるなら二人は世話する方に回る
今回は元からダイビング部に加入するつもりだった紅葉と桜を勧誘しただけに終わったけど、無事に『先輩』として1つ目の仕事をやりきれたようだね
新しくダイビング部が今後どのようなダイビングをすることになるのか楽しみだなぁ
まあ、兎にも角にもぴかりはその足を治さなければいけないのだけど -
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うおぅ……。ラストの展開が驚愕すぎて驚愕すぎて……。真斗先生は別として「あまんちゅ」であのような描写が真っ当に描かれるとは思わなんだ。全く身構えていなかったところにあの返答だったものだから余計に驚いてしまったよ
第73・74話は京都への修学旅行編。だというのにてこはどこか上の空でそれに釣られてぴかりまでテンションが下がってしまう珍しい展開。オマケにはぐれてしまったりしたら、二人ではどうしようもない状態
そこで茜とちずるが再び現れて、てことぴかりを結びつける役割を担うというのは面白いね。茜とちずるは大木双葉の中学時代の親友であり、第4巻で描かれたように双葉の隣りにいる役目はぴかりに引き継がれた。そんな茜とちずるがてことぴかりのピンチを救い、更に悩み解決に一役買うというのは中学時代の親友だからこそ出来る芸当なのかもね
……だからか、少し距離ができてしまった親友というポジションを象徴するような茜の台詞は本当にグサッと来るものでも有ったのだけど。やはり大親友だったのはもう昔のことでこれからは更に距離が出来てしまう。それは変えようがないけど、てこの撮る写真ならその一瞬を切り取れる
てこの悩み、ぴかりの躊躇、そして違う時間を過ごす茜とちずる。それらの要素が美しく収束していくようなこのエピソードは結構好みのものだったな
第75・76話では二人の人物について意外な一面が描かれる
てこは何時だって賑やかで相手も自分も楽しませる「楽しい」の天才のようなキャラクター。それは一種の属性のようでも有るけれど、悩むときだって勿論有る。賑やかなキャラとして扱われているから、自分は普通にしているつもりでも相手からは笑われてしまう場合がある。それが時にはぴかりを落ち込ませる原因になってしまったりする
二宮姉弟は何時だって姉が弟を蹴っ飛ばしていて弟はまともな抵抗が出来ない。それは最早固まってしまった関係性のように見える。でも二人だけの空間で受験を前にプレッシャーが有る時なんかはまた別の関係性が見えてくる。愛は時には誠に甘えたり、自分を守ってくれる対象だと安心している面が見えてくる
ぴかりも二宮姉弟もこのような面が描かれるのはかなり意外ではあったかな
そして最大級の意外は第77・78話のデート回ですよ!
女の子にしか見えないこころは可愛らしい少年でまだまだこれからといった印象だった。それが大祭を通して、そして時間が彼を成長させていたようで。あのこころが自分からぴかりに話しかけてデートをする展開が訪れるとは思わなんだ。……10巻の頃は二人に春が訪れるなんて当分先だ、なんて思っていたんだけどなぁ
印象的なのはこのエピソードにおいてぴかりがこれまで以上に「年上のお姉さん感」を出して描かれていること。こころからすればぴかりは4つ年上の高校2年生であり、多感な中学生からすればそれはかなり大人な存在
その在り方はこころに恋い焦がれさせつつも眩し過ぎて手が届かないと感じさせてしまうもの。だから一瞬はぐれてしまった際には「呆れて帰ってしまったのではないか?」と不安になってしまう
勿論ぴかりはそんな事しなくて、それどころか緊張していたこころをリラックスさせるために答えのない心理テストなんて仕掛けたりする。そんなんじゃあ、まだまだこころはぴかりに勝てない。なら、無理して告白するよりもぴかりと居る時間をきちんと楽しもうとするこころの選択はとても正しいもの
……そう感じてしまったからこそ、ぴかりの「…うん いいよっ」に驚かされてしまったわけだが。いや~、アレは卑怯だよ突然だよ、本当にびっくりしたよ。そりゃ、てこたちだって時間差で驚いてしまうというものだよ
意外な一面や変化が多く描かれたこの巻。これからのぴかりとこころの関係性ってどうなってしまうんだろう…?今の所、こころはまだまだぴかりには男として扱われていない印象もあるけど…… -
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第11巻の沖縄合宿編で有り余る程に海の魅力について描いたためか、この巻は第68話を除いてダイビング要素はほぼなし。その第68話もきのお婆ちゃんとはやての馴れ初めだから真っ正直なダイビングとはまた違ったものだし
ただ、「あまんちゅ」という作品が持つ人々の温かい想いを大事にするような話作りはそのままなので不満はないかな
第69~71話では大祭についてのあれこれ。この作品にしては珍しく男性陣、誠やこころがメインとなって描かれる
以前、大祭について触れた時は愛の意外な一面を移す程度でそれがどのような祭りかはあまり描かれなかったのだけど、このエピソードではこころの視点を通して大祭の迫力を余す所無く描いている
一人前の漢になりたいけど、その見た目から女の子に勘違いされることもよくあるこころ。更に登場人物の中で一番年下なために男として頼られることもまず無い。
そんなこころの前で大祭に関わる男性陣は神域の中でおこもりをし、誠も四天王の一人として祭りを進行し神輿を担ぐ。その見た目から発せられる熱量は凄まじいものが有るね。そんな熱量に当てられてこころも自分の役割を果たすべく法螺貝を全身で吹き鳴らし、男衆にあらん限りの声援を送る
そういった中でこころの顔つきが少しずつ変わっていくのが印象的。大祭の中で男として成長していくこころの応援だから、重い神輿を担ぐ男衆にもきちっと届く。そして応援を受け取った誠はその応援の価値をこころに伝え返す。成長に繋がる良い循環が行われている様は気持ちいいね
誠を兄貴として認めダイビング部に新入部員としてやってきたこころ。ここに来てダイビング部員が更に増えるとは思わなかったな
誠は男子部員が増えたことで嬉しそうだね。今までダイビング部で誠って空気寸前の存在だったけど、これからはこころとの絡みで存在感を増していくのかな?
第72・73話は再びの文化祭。以前描かれた時はピーターが出現して前夜祭のみの描写だったけど、今回は本番部分。
ぴかりたちのお化け屋敷が学生が作ったものとは思えないほど凄い……。1フロア半分を使った規模というのも有るだろうけど、単純にマンパワー部分が迫力ありすぎて……。あんな場所に迷い込んだらしばらくの間トラウマになること必至だよ!
そんな恐ろしい場所で展開されるのは真斗と永遠野によるラブロマンスとはギャップがあって面白いね。ていうか、真斗先生はあれから永遠野を避けてたんかい。あの流れでそのまま交際スタートしたのかと思っていたよ
そりゃ、あの一件に関わった愛としては憤るのは当たり前だよね。あの時はピーターを現実に返す手伝いをした愛。今度は真斗と永遠野を結びつけるキューピットの役回りに。端から見る分にはとことん損な役回りなんだけど、今回は笑顔で終わった愛。それなりに自分の気持ちに踏ん切りを付けられたということだろうか?
以前は夢から覚め現実へ進むことを拒否したピーター、夢の中でピーターと一緒にいると宣言した真斗。それが再びの文化祭で二人して前に進むと決める描写には色々とこみ上げるものが有るね -
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まさか沖縄でじゅごんちゃんが登場するとは思わなんだ
1巻丸々沖縄合宿編というちょっと豪華な内容
けれど、沖縄観光がメインなのは第62話だけで後はダイビングしたりダイビングに関係有る事をしたりと『日常、ときどきダイビング。」というキャッチコピーに相応しい内容になっている
そういえば、既に経験者であるこだまは別として初心者としてダイビングを始めたばかりのことりが潜る描写ってここが初めてだったっけ。それも有ってか、ことりは沖縄のとても透明度の高い海に潜る際に過呼吸になってしまう。
ここで先輩となったぴかりとてこの動きが良いね。ことりの接し方から自分を苦手と思っているのでは?と考えたぴかりは自分で救助に行かずてこに任せる。てこもぴかりの指示に従い、ことりを落ち着けるようにシーサーの「まんまるくん」を差し出して笑顔にした上で正しい呼吸を教える。
ぴかりとてこが先輩らしさを見せた良いシーン
第65話では通常のバディとは別の組み合わせになってマングローブカヤック。と言いつつ、ここではぴかりとことりの話がメインになり他の組み合わせについてはちょっとしか触れられなかったのは残念
ただ、それによってぴかりとそのぴかりになんとなく苦手意識を持っていたことりの間で交流が図られたのは良かった。いつかのてこのように自分を駄目だ駄目だとばかり思ってしまうことりはとても輝いて見えるぴかりが苦手だったんだね。
でも、結局はどんな場所でも「楽しい」を見つけられるぴかりがへんてこな形のマングローブの種を示しつつ自分らしく焦らずゆっくり進んでいけばいいと諭したことでぴかりへの認識そして自分への認識を改めたようで
ここでぴかりがことりに言ったこと、そしてことりとてこが再会した際にてこが掛けた言葉を併せて考えるとことりが今後どのような方向に成長していくのか見えた気がして、ことりの今後が楽しみになる回だった
そんなこんなで「楽しい」に溢れた沖縄合宿編は風景の美しさもあって、心に響くような描写も多くダイビングの良さを改めて読者に伝えてくるような内容だった -
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ぴかりの髪型が変わってる……!てか、1巻とか読み返して今更気づいたけど、ぴかりって少しずつ髪が伸びてたのね
高校2年生になったからか、今までの元気っ子なイメージから少しお淑やかさを感じるものに
それでも変わらず笛を吹いている辺り、本質は大きく変わっていないのだなぁなんて思ってしまうが
季節は巡っててこ達は高校2年生になり、後輩組としてこだまとことりが入学。ことりがてこの猛烈なファンだったためにあっさりとダイビング部の新入部員が確保できてしまった点はちょっと笑ってしまう
後輩が入ってくればてこやぴかりの振る舞いは変わる。これまで部では二宮姉弟が先輩として居ててこ達は後輩だった。が、こうして後輩が入ってくればいつの日か二宮姉弟から様々なことを学んだようにこだまやことりに先輩らしく振る舞う必要も出てくる。かと言って、無理してそのような振る舞いをしたらやはり無理が出てしまう
22ページで自分の駄目なところに嫌気を示す小鳥に対してごく自然にアドバイスをしたてこ。これはてこも同じように悩んだりして、その上で悩みに向き合い乗り越えようとしてきたからこそ自然に言えるアドバイスなのだろうね
対してこだまの悩みに応える役がぴかりではなくきのお婆ちゃんであったのは、姉妹の間柄でアドバイスをする、される難しさを考慮してのことだろうか?一応ぴかりが言っていることときのお婆ちゃんのアドバイスは方向性は同じなのだけどね。その点は流石に年季の差か
何にせよ、きのお婆ちゃんが伊豆におけるダイビングを開拓したという話は良かったね。どこかARIAにおけるグランマを想起させるものだったよ
第59話は海を舞台とした「あまんちゅ」ではちょっと珍しい光景
山を舞台にしたエピソードというのも珍しいし、火が燃え盛る光景が描かれるのも珍しい。そんな場所であれば、思いも依らぬものが見つかってしまう
こころが男の子だったとはちょっと衝撃的な事実。アニメ見て知ってた筈なんだけどな。どうしてか忘れてしまったのは、やはりこころに「漢に憧れてる女の子」感が溢れすぎてるからだと思うんだ
115ページでぴかりを格好いい感じに庇ったこころ。これをきっかけに二人に春が訪れたりとかは……当分無さそうだね。ぴかりもこころの性別勘違いしてたからね!
第60・61話から描かれるのはてこの意外な一面。いや、意外というか序盤を思えば大きく変わり成長した部分が描かれる
てこは元々真面目だったから、そこにきちんと目標を定め、先輩として振る舞う姿勢を加えれば確かに誰よりもダイビングに取り組むタイプになれるのだろうね
そして知識を身に着け数々の失敗を乗り越えてきたてこはナイトダイビングもディープダイブも難なくこなしつつ楽しんでしまう。それどころかぴかりと同じ目線で海中を楽しめるようになる
印象的なのは幾つかのシーンでぴかりより先に海中の「楽しい」を見つけていることなんだよね。これまではぴかりに先導される形で海の良さを知っていったてこが今はぴかりにも「楽しい」を教えられるようになった。それはとても凄い成長であるように思う
……「恥ずかしい台詞禁止っ!」って言いたくなるようなポエムを言ってしまったのもある意味成長なのかな(笑) -
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深まる秋を描く第7巻。冒頭の第37話で描かれる紅葉舞い散る道を歩くぴかりとこころの様子がとても良いね。以前は桜並木道として登場した風景が別の顔になって紹介される展開は割と好きなものだったり
あの時は視野が狭くなっていたてこの視野を広げる役目となり、今回は嫌がらせによって俯いていたこころの目線を上向かせる役目となる。このような素敵な風景を教えつつ悩んでいる相手の気持ちを明るい方向に導くぴかりってやっぱり「楽しい」に満ちている女の子だよなぁ、なんて思ったり
第39・40話では新しいドライスーツを着てのダイビング。更に試作品の新器具まで装着したものだからこれまでとかなり違った見た目で潜ることに。まるで変身ヒーローが後半クール突入と同時に新フォーム開放したみたいな印象
それは新鮮な気分で挑戦する意識をそれぞれに植え付けるけど、ダイビングの場合はどんなに新鮮な気分になっても忘れてはいけないイロハ的な決まりが幾つも有る。それが旧い器具を紹介する流れで読者に示されるのは流石の展開
経験者であるぴかりたちならそういった基礎と新鮮さを織り交ぜた感覚で潜れるのだろうけど、そもそもドライスーツで海に潜ることそのものが初体験なてこにとってはどれもが未知の世界。浮いた状態でドライスーツが肌に吸い付く感覚を「懐かしい」と思えても海中に一歩潜ればすぐに未知の体験に戸惑ってしまう
この話でてこは幾つもの失敗を経験しているね。それは初心者なら誰もが通る道なのだろうけど、周りに経験者しか居ない状況ではむしろ「自分が皆の足を引っ張ってしまっている」「自分が信じられない」という感覚を植え付けてしまう。てこにとっては厳しい現実
でも、海中で味わった未知は辛いものだけではないわけで。ぴかりたちが演出した空気の輪を利用した龍宮城のような光景はこれまでてこが見たこともない素敵なもの
こういった光景を見ていたからこそ、てこにとって初めてのドライスーツでのダイビングは辛い経験だけで終わらない。失敗をフォローしてくれたぴかりが自分を信じてくれると言うならてこだって自分は駄目だと思っていても自分を信じたいと思える。集合写真のときには笑顔を取り戻せる
初心者ならではの難しさを描きつつ、そこから一歩先へ進む方法も描かれた素晴らしいエピソードであるように思えた
他には明晰夢を有効活用するてこの話やハロウィンを舞台にしたコスプレ借り物レース回、二宮姉弟の普段見られない一面が描かれる話などが収録
特に気になったのはぴかりを取り合ってレースするてことこころの様子か?まさかここに来てそういった鞘当てが生じるとは思わなかったよ。今後もぴかりの隣を得るために対決する二人が描かれたりするんだろうか? -
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第25話で突如描かれたホラー回、思わず「突然どうした!?」と尋ねたくなるくらい普段と違う怖いエピソードだったね。といってもガッツリとしたホラーではなく、あくまで日常からちょっと踏み外した先で出会った怪奇現象という程度では有るけれど
それにしたって20・21ページの絵はそうなるだろうと判っていても怖いものだったよ……
そんな微ホラーな空気を置き去りにして第26話から始まるのは夏合宿編。この作品ってダイビング要素はかなりあるけど、真っ当な部活動描写ってそういえば少ない気がする。そういった意味では部員たちが陸で一列になってナビゲーションの練習をする様は何とも学生達の夏!といった空気感に満ちていて好きだなぁ
ただ、ダイビングの場合、陸で練習したことを水中で実践できなければいけないわけで。それはちょっとした試練であり、未だに自分に自信を持ちきれないてこはナビゲーションの実践に怖気づいてしまう自分に気付き、同時に怖気づいた時はいつもぴかりに頼ってしまう自分に気付く
初心者が経験者に頼るなんて当たり前のことなんだけど、てことぴかりは親友でも有るからそこに「嫌われたくない」という思いが介在してしまう。それが行き過ぎれば緊張し、失敗に繋がってしまうことも有る。そして水中での失敗はすぐに命の危険にも繋がりかねないもの
それだけにナビゲーションしていたらぴかりを見失ってしまったてこの恐怖心は計り知れないものがあるね。
でも、恐怖心から回復する心は何時だって「楽しい」の心であるわけで。ぴかりから教わった砂紋、貝殻、岩、魚といった水中でしか見られないものを辿ることで進む道を見つけられる展開は良かったなぁ
そうしててこは夏合宿を通してナビゲーションは出来るようになるのだけど、ナイトダイビングには怖気づいて参加できず。てこにとって出来ることと出来ないことが明確に見えてしまう合宿となったわけだね
そうして良いを「夢」、悪いを「現実」と捉えてしまうてこに対して真斗先生が投げかけた言葉はとても素敵。良いだって「現実」であり、自分から良かったことを夢として終わらせなくていいという考え方はちょっと人生の指針にしたくなるくらいのものだった
そういや、陰影の付け方変わったのかな?これまでと異なる書き方をしているようなシーンがこの巻では目立った気がするのだけど
それはさておき、第30話で向日葵柄の着物に向日葵の髪留めをしたぴかりはとても可愛いらしい格好でしたね -
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期末テスト前に全力でだるまさんが転んだに興じる高校生たちって……
でも、そういった遊びを全力で出来るのって子供の内だけであって、そこで得られる経験や感情はそれこそ勉強に匹敵するものでも有る。そういった真斗先生の考え方は好きだなぁ。……真斗先生が一番大人げない遊び方をしていた点はちょっと引いてしまうけど
このように夏を全力で楽しむてこ達の様子がこれでもかと描かれる第4巻。人間だけでなく、ちゃ顧問やお姫のお散歩模様まで収録されているのは何か特別感が有って良いね
特に第22話で描かれる女子三人組の様子は好きかなぁ。
夏休みのある日のてことぴかりはせっかくだからと愛も誘ってログブックを買ったり水着を買ったり。それは何気ない一日であるけど、この三人だったら特別な一日になる。その特別感を大事にしたくて予定になかった海にまで行きたくなってしまう
そんな何気ない一日を特別な一日に変えたのってぴかりの即断即決に因るものが大きいのだけど、ぴかりがそのように決断できるのはどうしようかと迷った時を楽しさを見つけるチャンスに変えようとしているからというのはとても素敵な考え方だね
第23・24話ではてこの中学時代の友人、茜とちずるが登場。だけど、この二人がとても何処かで見たこと有る見た目と性格してない……?これはあれか?ちょっとしたファンサービスか?
第2巻で描かれたようにてこにとって茜とちずるの存在はとても大きいもので、引っ越しによって離れ離れになったことは喪失に近い体験だった。それがフォトフレームによってその想いを整理した上で受け入れ、ぴかりとの絆をより大きなものとした
この話で茜とちずるの二人はぴかりを通して今のてこを見ることになる。だから中学時代に知っていた大木双葉とてこは微妙に違う。その違いを単純に「こちらでも双葉は元気にやれている」と受け取るか、それとも双葉がぴかりに取られてしまったと思うのか。そしてちずるは後者の反応をしてしまったわけだね
双葉は中学時代とは幾らか変わっていて、心配していたほど淋しそうでもなくて。その変容がぴかりによって齎され、ぴかりによって支えられていると知ってしまえば多少の嫉妬心は湧いてしまう。認めたくないという感情が顔を出してしまう
楽しそうなメンツの中でそんな感情を抱いてしまうのは流石に何かが違う。置いてかれてしまうと思ってしまう。そういった感情の諸々が抽象的に描かれたのがダイビングシーンというわけだね
深くて広くてほんの少しの怖さも有って、それを上回るくらいの感動も有って。そういった場所に連れて行ってくれたのは間違いなくぴかりに因るもの。そしてちずる自身がそのような場所に連れて行って貰えたならその瞬間にぴかりという人間の良さを理解してしまう。
橋の上ではぴかりの手を振り払ってしまったちずるが、海中ではぴかりに手を引かれて皆と同じ場所に辿り着き、海底から海面へ向かって手を伸ばすシーンはとても良かったね。ちずるの心情変化を巧く描いているように思えた
夏という季節から珍しい光景がいくつも描かれたこの巻、特に海の瑞々しさが強調されていたように感じられたよ -
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この巻も心揺さぶられるような温かさを持つ回ばかりだね
一瞬の紫陽花七色タイム、姉を心配する弟、子猫の飼い主探しなどを含みつつ、てこのOWD取得に向けての講習も進んでいく
第2巻では小さな失敗から自分には出来ないと逃げだしかけたてこ。それがこの巻ではそんな姿は一切見せないね
第14話のプール講習ではてこも愛も傍に居ない。しかも、苦手なマスククリアを何回も要求された。
でも、てこはできないとか逃げたいなんて想いは見せずにトライし続ける。その姿には確かな成長を感じさせるね
そんなタイミングでてこに再び試されるのが泳ぎの試練。てこが泳げない事がここに来て発覚するが、てこはここでも出来ないなんて言わない。ラッコ泳ぎなんてものを持ち出して試練をクリアしようとする。
本当にてこは短い間に成長したね
第17・18話では実際に海でダイビングに挑戦
海はこれまでのプールとはまるで違うから、潜ろうとすればその深さに恐怖してしまうことだって有るだろうし、フィンを無くしてしまうなんてトラブルだって有る。
これは一つ噛み合わせを間違えればそれだけでパニックに繋がりそうな案件。その状況が一つのラッキーからフィンを取り戻し、更には深い海から立ち上ってくる泡の柱の光景に気付く展開に繋がるのは良いね
下から泡が立ち上ってくるということは下に人がいるということであり、同時に未知の世界が広がっている期待感を湧かせるものでも有る
辿り着いた海底でこれまで学んだ事を反復出来たら、後は海中を楽しむだけ
今回は少しだけだったけど、ぴかりと充分に泡の柱がそそり立つ世界を堪能したてこ。地上に戻ればOWDの資格を入手。遂にぴかりが居る世界に近づけたわけだね
それらによる高揚は最高潮だったらしく、てこはつい恥ずかしい発言を……
ツッコミ役が居ないから、恥ずかしいんだけど暖かくなるという不思議な空間がっ……!
いや~、この巻もダイビングの素晴らしさを様々な形で堪能させてもらいましたよ -
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第6話でダイビングへのワクワク、早く潜りたいという願いを共有したてことぴかり。第7話でその願いを幸せリボンに込め、第8話では水中に潜る怖さを乗り越え水中から見える素晴らしい景色をぴかりと一緒に見た
ダイビング出来る自分に近づくため、ぴかりと一緒に一つずつ経験していくてこの様子はとても健気で素晴らしいね
ダイビング初心者で体力も無いてこにとって器具を背負って水中に潜るだけでもかなり大変な行為。いきなり全てが上手くいくことなんて無く、失敗sるのは当たり前。けど、てこにとっては大事件だから自信喪失だってしてしまう
そんなてこに対するぴかりの言葉がてこだけでなく読者にまで響いてくる。「やればできるよっ」ではてこに届かなかった。だからぴかりは更に強く「やればできる!」「きっとできる」と重ね、「でもやらなきゃ何もできない」と言う
この言葉はてこにダイビングを強制するものではない。でも、一つの失敗から自分には出来ないと逃げようとするてこを諌める言葉でも有る。そんな事を言われてしまったら自分の中にある恐怖を曝け出さない訳にはいかない。そしててこが怖いという感情を前にしてくれたからこそ、ぴかりもてこを支える言葉をより伝えやすい形で言うことができる
簡単にはいかない初めての水中活動。失敗を交えつつも素晴らしい形で描写された回だったね
第9・10話ではダイビング部の先輩、愛と誠が登場。が、すんなりぴかりとてこを認めてもらうわけには行かず。そういえばスーツの無断使用なんて有りましたね……
結局、ぴかりとてこが愛に認めてもらう切っ掛けは変な行動とダイビングが好きという気持ち。これは先輩双子と被るものだね。……愛は自覚ないだろうけど、弟を容赦なく足蹴にする行動は充分変なものですよ?
両者ともに変なんだからそりゃ気が合うってもの
こうして成立した新生ダイビング部は黒板への落書きやらてこへのプレゼントやらを通して徐々に一つへ。特にてこへフォトフレームを送る話は良かったなぁ
撮り溜めた写真の全てをランダム表示したいなんてこだわりは非常に個人的なもの。他人からしたら「で、それが何?」と言われかねないこだわり
でも、ぴかり達はメモリーカードに画像を移動すれば良いなんて安易な解決法を採らずに、てこの意思を最大限尊重してフォトフレームを誕生日プレゼントの形をとって送る。それはあまりにも優しさに溢れた贈り物
引っ越しによって失ったと思っていた、大切で大好きな場所がここにも有ると気付けたてこ。
うん、第2巻も良い話ばかりでした -
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アニメを見た当時から「いつか原作も読みたい」と思っていたけど、ようやく読む機会を得ましたよ
海を見に来たというのに携帯ばかり見るてこ、海中から海を全身全霊で楽しむぴかり。それだけでなく、てこがスクーターで登下校の道程を短縮しているのに対して、ぴかりは登下校だけでなく教室に辿り着く道程すら大いに楽しんでいる
序盤の二人の有り様はとても対象的に感じられる。
その対象的な違いが、教室の席が前後になった偶然やぴかりがダイビング部に突貫する場面に巻き込まれたことを契機に徐々に二人の在り方が交わっていく様子は面白い
てこは水面からの景色をぴかりとともに味わう中で、きっと入るつもりもなかっただろうダイビング部に興味を持つ。それだけでも彼女にとっては大きな変化であるように思えるシーンだった
それだけでなく、ぴかりはてこに変化を促すような行動を幾つかしているね。まあ、ぴかりにそのつもりはなかったのだろうけど
スクーターやバスに乗っていれば、気付かずに通り過ぎてしまうかもしれない桜並木、一人だったら乗り切るのも難しかったかもしれない火鳥先生によるお勉強
そうしてぴかりから齎されたドキドキの変化はてこに良い影響を与える。てこもぴかりのように早く潜りたくなってくるし、その想いの勢いでついニックネームで呼んでしまう
コマから充分に伝わってくる本作の空気感。それを味わいつつ、今後の話も楽しんでいきたいと思える、そんな第一巻だった -
Posted by ブクログ
春は出会いと別れの季節、とはよく言われる言葉であります。そのまんまの14巻です。
気づけば、てこ&ぴかりコンビも高校3年生かぁ。なんだかサザエさん方式かと勝手に思っていたけど、時間は進んでいるのだよなぁ。その気づきがあるから、姉ちゃんの「今」を大切に思って涙する気持ちが刺さります。さばさばしてるかと思いきや、案外おセンチな女の子なんだよなぁ。
流れてゆく時間には逆らえない。だからこそ、「今」を楽しむんだ、というのが作品の骨子かな、と思うのです。同時に、「今」の輝きを残しておくことも大事であると。押し花を作ることは、その時の記憶を保存しておけるアイテム作り。てこが写真撮りたがるのも、その一つの現れか。
転校当初は過去にすがるための写真が、今では未来への贈り物になっているのは、大切な「今」の連続が過去も未来も作っていると感じているからでしょう。
新入部員も入って新たな、そして高校最後の1年間が始まります。
といった矢先に、ぴかりさん骨折&靭帯やらかす。
こぉの、あーんぽーんたーん。