ジャナ・デリオンのレビュー一覧
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ネタバレアメリカ合衆国南部の湿地帯が舞台の小説と言えば「ザリガニの鳴くところ」を思い出すし、スプリングスティーンの歌が脳裏で再生されるんだけど…。
この小説は同じような舞台でも全然違って、なんだかご陽気なユーモア調。そういやハイアセンっぽいのかなぁ。
ミステリーらしいのだが、謎解きはあってないようなもの。思ってたドンデン返しすら、ない方向の逆の意味で裏切られるまっすぐさ。主人公もサイドキックのおばあちゃん2人も、イケメン保安官補佐もド直球にコメディーアクションを演じてくれる。
思ってた雰囲気とは違うがご陽気に楽しめた。シリーズ続編も次々に翻訳されているらしいので追いかけ決定。 -
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「ワニ町」シリーズ4作目は、前作から一年ぶり。ワニの住む南部の田舎町に身を隠している凄腕女スパイのフォーチュンと、最強おばあちゃん二人のアシスト?によるずっこけ大活躍トリオに再会するとほっとするとともに豪快に笑いたくなる。そう、何と言っても多幸感満点のシリーズなのである。
しかし、本作は、フォーチュンとのラブラブ・モードがスタートした感のある保安官助手カーターが、何と湖で殺されかけるというピンチなシーンで始まる! フォーチュンが命がけで救いあげて、なお、カーターは作中のほとんどを病院のベッドで過ごすという、これまでの探偵団トリオvsカーターのスリリングな駆け引き劇はお預け。ヒロインとヒーローのロマンスも、よってお預け。
そして二作ぶりにまた再びの<生きるか死ぬかの町長選挙>が始まる町シンフル。またも正邪合わせての混沌の幕開けである。その町中が沸騰するさ中、カーターを狙撃した真犯人を炙り出す、という難題に挑むハチャメチャ・トリオ。相変わらず、少し外れて何かとミスをしながらも勇猛果敢なアクション派のガーティ婆ちゃん、参謀役みたいに落ち着き払いながら平然と無謀な捜査活動を楽しんでしまうアイダ・ベルという二人の力を借りながら(というより強引にそそのかされながら?)、フォーチュンはカーター狙撃の犯人を探し求め、一路復讐の道をゆくのである。ふふふ。
フォーチュン家に同居、というか避難しているアリー、雑貨店店主のウォルターなど、地味めなレギュラーメンバーたちも健在でトリオを影ながら?支える。猛犬も健在。小さな町ってよいな。
シリアスな本に取り組むことが多いぼくにとって、暗い話や残虐で手厳しい話の合間に、本書のような、愛と友情と笑いに満ちたドタバタ活劇を楽しむことはとても大切な時間であったりする。面白さと、キャラクターの個性や魅力が約束されている、このシリーズ五作目は、次々と事件や謎に見舞われる罪深きワニ町シンフルでの笑顔たっぷりな日々をやっぱり約束してくれるものなのであった。やれやれの後のほっこり感がたまらないのです。 -
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「ワニ町」シリーズ既刊を一気読み。第二作三作あたりでは、いくらなんでも事件が起こりすぎ慌ただしすぎと思わないでもなかったけど、この第四作は文句なく面白かった。非情な工作員(要するに殺し屋)だったフォーチュンが、南部の田舎町シンフルで、それまでの彼女の人生にはなかったものに出会い、とまどいながら変わっていく様子がすごくキュート。
まあとにかく「お約束」のてんこ盛りで、呆れながらもやっぱり笑える。フォーチュンとお祖母さん二人は必ず不法住居侵入し、必ず失敗して危機一髪で逃げ出し、保安官補カーターに怒られ、突飛な言い訳をする。フォーチュンはしばしば裸に近い格好になってしまい、それをカーターに見られる。アイダ・ベルは颯爽と走り車やバイクをとばし、一方のガーティはいつもヨロヨロ、でもやるときはやる。これ、テレビシリーズかなんかになってないんだろうか。読みながらずっと映像が浮かんできて楽しい。
今回は、フォーチュンとカーターの仲がちょっと進展し、おお!どうなるの?というドキドキのおまけ付き。カーターの好意を感じながら、そして自分の気持ちにも気づきながら、立場と状況から個人的な関係を作るまいとするフォーチュン。顔を赤くしてる様子なんかまるで中学生のようでかわいい。でもカーターの魅力に参って、「キッチンの床に倒してわたしの好きにしてしまおうと思った」りするんだよね。
本国ではなんとすでに二十作目が出たそうだ。えー、舞台はずっとシンフルなのか、この小さな町でまだまだ殺人事件が起こるのか、フォーチュンの身元はばれないのか、カーターとの関係は?などなど気になること多し。続きが読みたいです。 -
Posted by ブクログ
二年近くご無沙汰していたワニ町シリーズ。それにしても無事続編が翻訳されて嬉しいのなんのって。何しろ、シリーズものの版権は、出版社が版元と三作ずつ契約し、売れ行きを窺って、次の三作の契約判断をするらしい。その判断は、もちろん作品の売れ行きにかかっているらしいのだ。時には、他の出版社が続編からの版権を獲得したりする。四作目から版元が変わるシリーズが見受けられるのはそういう裏事情があるからなのだ。
マイケル・コナリーのハリー・ボッシュも、ラーシュ・ケプレルのヨーナ・リンナも、アンデシュ・ルースルンド&ステファン・トゥンベリのピート・ホフマンも途中で版元が変わったよね。そのように出版社は賭けを打ち、人気が出れば争奪戦になり、他社に持って行かれることもある。将来、大人気というところまで至らない作品も多いだろうし、そういうシリーズは見極めをする人、そして決定権者によって運命が分かれてゆくことになる。
そういう意味では、微妙な人気をかろうじて繋ぎ留めていそうな、少しマニアックでユーモラスな軽ミステリー・シリーズであるわれらが『ワニ町』シリーズは、きっとおそらく相当に微妙なところではないかと不安視されていたのだが、個性ある愛すべきヒロインのフォーチュンと、主役を食わんばかりの脇役のおばあちゃん二人の活躍が、他にない(今後もきっとあり得ない!)個性と魅力を振りまいてくれたために、こうして続投が決まったのだろう。
ちなみに翻訳者の島村浩子さんを迎えた翻訳ミステリーのオンライン読書会でも、本シリーズは絶大の人気を誇っていると体感いたしました。あっぱれ、というべき、尋常ならざる人気と熱い応援の声が心に響いてきたのである。
さて、本書の魅力を端的に言うと以下の通り。まるで女ターミネイターみたいな全身これ武器、心はどこかに置いてきちゃったよ、的な殺伐モノクロ・ヒロインのスパイが、テロリストの首領からの殺害指令を受けてしまったために、CIAが組織的に彼女の身を潜ませようという計画に端を発する。こともあろうに彼女が身を潜めることになったのは、ワニの生息するラグーンが象徴的な米国南部ルイジアナの田舎町。
到着と当時に我らがフォーチュンは、いきなりの事件三連発に巻き込まれる。およそ一週間に一回のペースで。本作はその四週目、四事件目、シリーズ四作目である。実にわかりやすいであろう。
ハイテンポのストーリーと、小さな町の中の人間関係が切れ目なく、愉快で、美味しそうで、楽しい。こんな町にも、危ない奴は毎作最低一名は登場してくれる。フォーチュンとおばあちゃんズの不思議トリオは、ついに本書では原題のタイトルにまで昇格したというわけである。
本書は、放火事件に端を発するあれやこれやがいつもながらのドタバタ調で語られる捧腹絶倒ストーリーなのだが、大事な読みどころはもう一つある。人間機械と言うべき女スパイだった殺伐なヒロインが、町の仲間と町の事件に関わってゆくたびに、少しずつ普通の女の子としての歓びに目覚めてゆくのだ。本書ではその度合いがさらにブーストして、驚き、かつ心配な結末を迎える。
そう、なので、正直なところすぐにでも早く早く次作が読みたくなっているのである。全体が一連の、そう、第一作目からまだ一ヶ月も経っていない物語なのだ。こんなのずるいよね、と言いたくなるくらい毎回、次作が待ち遠しくなる本シリーズ。今作も愉快痛快のニヤニヤ読書体験に満ちた幸せ時間を頂きました。いつもながら有難う。そして何よりも一日も早く続編の翻訳をお願いいたします。 -
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四作目で、まだ町に来て一ヶ月くらいしか経って無いのに…毎週事件が起きてるようなもの…戦場より危険な町なのでは…
何者かによって情報をリークされて武器商人から命を狙われ、田舎町に身を隠すことになったスパイのレディング(フォーチュン)
ただものではない地元のご婦人二名と町で起こる事件に巻き込まれていきます。
保安官助手カーターとのデート途中(始まってすらいない)町で火災の通報がありデートは中止に、火災はフォーチュンの唯一同年代の友人であるアリーの家、しかも放火によるものだった。
善良な人の家になぜ火がつけられたのか?という事件を追うことになる。
だんだん任務として町に隠れていながらも"大切な人達"が生まれ気持ちに変化が起こるフォーチュン、次第に助けたい気持ちと大切な人達に嘘をつき続けることに葛藤します。
超イケメン保安官カーターとも…タイトル通り色々とあります。毎度おなじみいつも冷静なアイダ・ベルの見せ場、ガーティの小ボケ具合も楽しかった。
解説にもありましたが「デンジャラス・ビューティー」を思い浮かべてもらうとわかりやすいかも…
読み応えのある骨太ミステリー!と言った感じではなく気軽に読めてほっこりできる良シリーズです。
しかも出てくる食べ物の描写が良いのよ…腹が減ってきた…
この町に来てからようやく市民の娯楽を勉強し始めたフォーチュンなのに数々ある映画やドラマの中から「ゴッドファーザー」観てるの偉いな(マフィアとの会話で役に立ってた) -
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婆ちゃんが何回も転ぶ話
「ワニの町へ来たスパイ」
シリーズ三作目
CIAの秘密工作員フォーチュンは、ある事件をきっかけに命を狙われることになり、ルイジアナ州の地味な湿地帯の町シンフルに潜伏することになった。
だが、シンフルには様々な危険が…
まず、三作目にして二週間しか経っていないのだが…三作品とも人が死んでいる…トラブルが起こり過ぎている。
今回は友人のアイダ・ベル婆ちゃんに
殺人容疑がかかり、疑いをはらすため
主人公が奔走する。
いつも読みはじめは「あぁ、この感じね」と、ひたすら悪い方向に展開していくことにやや冷めた目で見つつ
たまにニヤニヤする感じでスタートする。
だんだん「なんでそうなる」と言いたくなるほど事態が悪化
それをドタバタと、飄々と、突き進んでいく三人を見て楽しくなっていく。
他の作品では見ることのない、一般市民なりに機転をきかせた"問題児として睨まれている保安官へのアリバイ工作"も面白かった。
友人もいないスパイとして育ったフォーチュンにとって現代文化は異質。
前回はそれで大恥をかいたが、テレビやネットでの勉強を重ね、理解を深めつつある。
「戦場より危険な町」の暮らしは
命を守るための仮の暮らしで、早くもとの戦場に戻りたいと思っていたフォーチュンだが、
「本当にスパイの生活に戻りたいと思えているのか?」という問いが見え隠れして、町でトラブルに巻き込まれつつ保安官に少し恋心を抱いて「人を殺すとき」よりアドレナリンが出たり…
ヤンチャな婆ちゃん二人との会話も
なんだか戦友との会話のようで楽しそう
読んでて、だんだんコレが主人公にとっての青春なんじゃないか?と、ちょっとホロっときた途端、それを一瞬で忘れさせるくらい馬鹿馬鹿しい展開が押し寄せてきたり…
楽しめました!
追記: 前作ではフォーチュンとは正反対のカッコイイスパイのイメージとして「ララ・クロフト」や、今作にも男だったら誰でも好きになってしまう対象として「アンジェリーナ・ジョリー」の単語が出てくる。
もし、もう少し前に映画化になっていたとしたら、フォーチュン役をアンジーに演じさせて"あえて"いじるというのも面白かったかもしれない。
もう何年か経って、アイダ・ベル役をやってもらうのもアリかも… -
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ワニの町に来たスパイ・シリーズ第三弾。国際武器商人の暗殺リストに載ってしまった女スパイ・フォーチュンが、罪深き町シンフルに身を潜めるようになってから二週間しか経過していないが、早くも三つ目の事件。第一作の事件は、潜入先の飼い犬が白骨死体を掘り起こしてしまったことに勃発したものの、その後の二つの事件はフォーチュン潜伏開始以来、まるでフォーチュンを目立たせようとでもいうかのような運命の悪戯により、彼女が来る前何十年も平和であった田舎町が、火薬庫をひっくり返したかのような大騒ぎに見舞われる。
一作一作がしっかり接続しているためにすべてが大きな長編小説のようにも思えるようなこのシリーズ、巻を追うごとに、フォーチュンとおばあちゃんズを中心としたお騒がせ危険トリオのスリリングなドタバタ捜査ぶりは、スケールを増しているように思える。特に体がついてゆかない太めのキャラであるガーティの満身創痍ぶりは、読者の方が心配したくなるくらい。肚を抱えて笑いながらの心配だけど。
登場人物中数少ないまともなキャラであるカフェ店員のアリーと、保安官助手カーターとの、人間的交流が徐々に増えてきて、全身武器とでもいうような人間機械であったフォーチュンに、普通の女の子の感覚を初めて芽生えさせてゆく気配もあり、なんだか切ないような、おかしいような、そしてやはりこの先が心配なような。
要するに三作も読むと、さすがにキャラたちへの愛情が読者サイドにも生まれてきちゃうのだ。それほどに愛すべきキャラたちを生み出した作家の策略にまんまとひっかかったような、さらにひっかり続けてゆきたいような、要するに幸せな感覚が、主人公のニックネーム<フォーチュン>に繋がってしまう辺り、何故か妙に納得してしまうシリーズなのである。
出版社はシリーズ版権を三作くらいサンプル的に獲得して、翻訳先の売れ行きが悪ければその先は打ち切りにしてしまうという。出版社も商売だから仕方がないとは言え、この際是非、日本の読者にこのシリーズを読んで頂きたい。読まなくても買って頂きたい。なぜならこの先フォーチュンの10作以上あるシリーズ事件を追いかけたいし、そこでつながっている愛すべき町の人たちとずっと交流を続けたいからだ。
原作がそこにあるのに、翻訳がされないという悲劇を生まないためにも是非このレビューを読んだ方々、ご協力をお願いいたします。フォーチュン愛で繋がりたい。シンフル愛で繋がりたい。おばあちゃんズに再会したい。レッツ・ゴー、ルイジアナ! -
Posted by ブクログ
「ワニ町」シリーズ2作目。
女スパイが田舎町に潜伏しての、痛快ユーモア・ミステリ。
CIAの工作員フォーチュンは、命を狙われて、南部の小さな町シンフルに隠れ住むことに。
1作目が解決した翌朝から始まるという、人を食った展開!
コージー・ミステリでは、普通の町に住む普通の人のはずが身近でやたら殺人事件多いというのはよくあるんだけど、ふつう3か月ぐらいは間を開けます(笑)
ミスコン女王を総なめにしていた若い女性パンジーが帰郷。
フォーチュンはたまたま、ミスコンテストで優勝経験ありという経歴にしていたため、ライバル視されてしまう。本当は柄じゃないのにね~。
大げんかになった後、事件が起こり?!
婦人会を仕切る凄腕アイダ-ベルとおっとりしたガーティのおばあちゃんコンビの頼もしいこと、可笑しいこと。
保安官助手のカーターとは、ロマンスの兆し?
遅いような気がしたけど、いやまだ数日なんだった~(笑)
スパイとしては有能だったはずのフォーチュンが調子狂いがちで、常識を知らないところも笑えたり。
田舎町にちょっと馴染んでくるあたり、ほろりとします。
今はコロナで大変な時期、明るい気分になれる作品はいつにもまして貴重!
なので~病気と闘う話よりも、こちらを先に☆ -
Posted by ブクログ
ヒロインがかっこいい!!
これまでのコージーミステリの定番、お料理系ヒロインと違い戦う主人公。
そして、ルイジアナの熱くてムシッとしてアリゲーターの出没する環境がまた素晴らしい。
はちゃめちゃな地元おばあさんたちの活躍も勢いがあって、謎めいてる。
再読
シリーズ翻訳9巻発売に伴って、原点回帰してみた。
最初にシンプルに降り立ったフォーチュンに声をかけたのは、保安官助手のカーターやったんやね。カーターの声掛けに切り返すフォーチュンが強気ですぐに好きになってしまう。
ガーディの見事な害のない老婆演技(?)にもコロッとだまされて、司令官アイダ・ベルの作戦行動に巻き込まれるの最高。