唐木田みゆきのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ精神病院から退院し、妻ミリセントにつきまとい始めた義姉のホリーを不可抗力で殺してしまった”わたし”。
それをきっかけに殺人の蜜の味を占めるようになる夫婦2人のサイコパス小説。
自分達の所業を、町のかつての伝説的殺人鬼になすりつけようとするが、友人、家族に思わぬ影響を与えてしまい、困惑する展開に。
アメリカ発と思えないフレンチミステリ的設定。
子ども達の肉体的、精神的な負担・異常を気遣いながらも、自分達に捜査の矛先が向かわないよう苦慮するシュールな場面。
夫婦の甘い出会いを思い返し、なぜこんな現在になってしまったんだと回顧する哀愁漂う想起。
サイコパス的人生と家庭の両立というありえない設定を巧みに描き切る。
個人的には”魔法をかけられた”と評する愛の物語側で帰結して欲しかったのだが、そうもいかないか。。。 -
Posted by ブクログ
【腹減り度】
なし
【食べ物の割合】
☆
【1番美味しそうだったもの】
ダイナーのチェリーパイ(作中見るに美味しくは無さそうだけど)
*感想*
章が短いコマ切れで、とんとん拍子で話が進むので次々場面が変わる割にかなり読みやすい。
ヒロインのジリアンの、健康的なセクシーさと非常に可愛らしいキャラクターが◎。主人公のセオクレイは頑張ってるけどちょっと情けない。
本当にいるのかわからない、見えない敵を追うセオクレイは異常者のよう。ていうかあんなに死体掘り当てて送りつけてたら怪しすぎてセオクレイが捕まると思うのだけど。頭のおかしい学者程度の扱いなのでちょっと疑問だった(張られてたけど。)
タイトルの生物学探偵というのには疑問。‥探偵?
文句たらたらに見せかけて、続編翻訳されたら読むつもり。 -
ネタバレ 購入済み
「今の」発明家を描く歴史小説
発明家には3種類ある。
アイデアを考え理論を作り出す者、理論を商品にして売る者、新しい商品を社会に不可欠な産業システムに変える者。
それぞれテスラ、ウェステイングハウス、エジソンを指していて、今作ではこの3人の対立構造が主題となる。
一般的な発明家のイメージである知的好奇心のままに研究し続けるのはこの中でテスラだけだ。しかも彼はこの3人の中で一番蚊帳の外。
なぜなら彼のような好奇心だけで、悪く言えば暇つぶしに研究をしても儲かることはない。新しい理論を商品に変えなければ資本主義は儲からないし、もっと儲けるためにはその商売が不可欠になるぐらいにシステム化する必要がある。
章の合間に偉人の名台詞なるものが乗っているが、乗っている台詞の中で多いと感じるのは現代のカリスマ実業家として名を馳せたスティーブ・ジョブスである。今作の中でいえば、彼もまた発明家の一人である。
儲けられる道筋を作ることが出来る発明家こそ今の発明家であり、故にその道に関わる者全員が発明家なのだろう。後は儲けの配分を争うだけだ。
今作の主人公はウェイスティングハウス側についた弁護士であり、生み出さない側の視点から発明家という特異な存在を浮き彫りにしている。
正直、ヒロインとの流れはまぁまぁうっとうしい所もあり、アメリカンラブシーンは入れんでもと思った。しかし、ラストの些細な、しかし思わぬ展開は今まで凡人として扱われた主人公だからこそ来たものがあり良かった。
翻訳としては意訳を良い意味で多用せず、そこそこ堅く仕上げた点が歴史小説として合っていた。良作と言える。 -
Posted by ブクログ
ニコラ・テスラが、頬ひっぱたいて「シャキッとしろ!」と言いたくなるような人物なのは良かった(結構イライラさせられた)
ただ主人公にも同様にイライラ、他の本ではみられない悪ーいエジソンに苦戦を強いられダラダラしてる感じがした。
エジソンとウェスティングハウスの電流戦争が題材
実在の人物や社名。モノが効果的に出てくるのが面白い。
合間に古今東西発明にまつわる人(だけでもないが)の言葉が引用されてサクサクと小刻みに読める。
だけど期待したより淡々と進むので火花が出る激しい闘いではなかったが、むしろヒロインとくっつかずも想いが交差した空気感のほうがバチバチとした磁場が発生してるかの様だった。
余談:「イミテーション・ゲーム」の脚本を書いたのがグレアム・ムーアで、主役を演じたのがベネディクト・カンバーバッチで、そのムーアがエジソンを書いたのがこの「訴訟王エジソンの標的」で、カンバーバッチがエジソンを演じたのが「ザ・カーレントウォー」なのにこの脚本はムーアではない…ややこしい! -
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マジシャンの書いた小説。なるほどと思う。東野圭吾の『ガリレオ』シリーズのような理系探偵のサイエンス・ミステリかとの予想を大きく覆し、本書はまるで、全体が仕掛けにみちたイリュージョンのようなエンターテインメント小説なのだった。火器や炎や鉤爪の活劇とバイオレンス・アクション。一人称現在形でのリズミカルな文体に着いてゆくだけで、探偵セオ・クレイの被る肉体的被害を自分が受けているかのような痛々しさに痺れてくる。
生物学探偵というタイトルから地味な先入観を持ってしまうこのヒーローは、一見普通の大学教授、かつフォールド・ワークと最先端のデジタル技術を駆使する研究者でありながら、実は真実を手にするためなら法を度外視してでも単身危険に身を曝すことのできる動きと決断優先の、もろにダイハード型でハチャメチャな主人公なのである。
熊による獣害と見られる女性遺体が、かつての教え子であったことから、当時事故現場でフィールドワークをしていたセオが疑われる。殺人パレードの開幕である。
独自のプログラムを駆使してのデータ解析を得意とするセオは、行方不明案件が異常な確率で発生しているモンタナ州のある地域に眼をつける。続いてセオは、複数植物の発育分布を調査することで、最近掘り返されたことのある土壌に眼をつける。前後のデータを重ね合わせたセオはピンポイントで遺体を次々と発見するが、それぞれの管轄警察には信じてもらえず、個々の遺体は熊による獣害として扱われるばかりか、セオへの警察の疑惑さえ拡散してゆく。
この事件のすべてに、一人のクレイジーな大量殺人者が存在するのではないか? そうした確信を貫こうと単身真犯人を追うセオだが、関係機関からも危険な聞き込み先からも異端視され逆に追い詰められてしまう。姿の見えない殺人者を捕らえるにはなかなか一筋縄では行かなそうだ。
何十年も殺人を続けている男は本当に存在するのか? そいつは何故捕まらないのか? 遺体たちは何故探されていないのか? 孤独に襲撃され土の下に埋められて行った若い女性たちの無念さは、満身創痍のセオを先に進ませる。
捕食者である何者かに常に先を行かれるジレンマ感。単独捜査を進めるたびに痛手を負ってゆく我らがヒーローには、どんな手が残されているのか?
最初に書いた通り、本書は手に汗握るアクション作品である。本書の日本語タイトルからは、そんな内容を想像して頂くことはなかなかできないかもしれない。しかし、書き手はプロのマジシャンである。執筆者の名前を英語スペルAndrew MayneでYouTube検索して頂くと、楽しいトリックやイルージョンの動画を観ることができる(もちろん確認済み)。
そうしたマジカルな作者の手中で踊らされれゆく被害者的快感を否応なく味わわせてくれる本作は、人気を得てシリーズ化され、既に4作目の執筆にかかっているそうである。楽しみなエンターテインメント・シリーズがまた一つ。結構大きな爆弾を炸裂させてしまったシリーズの開始。今後、声を上回る怪事件をどれほど生み出してくれるのだろうか。マジシャンのお手並み拝見と行きたいところである。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ救いがない
トレントは救いだと思った
信仰が人を救うのだと思いたかった
結局ビルは救われない
2つに割れた岩
ビル自身も内に秘める衝動を恐れている
結局ビルはくだらない家族から離れられない
救われない
やたら挑発してくるローナも純粋な思いからじゃなくて母親への当て付けだしそれを見るビルもほとんど表面しか見てない
読んでいるときは面白かったけど望まない結末にもやもやする。
これが現実ということか。
これが南部ノアールということか。
生い立ちの及ぼす影響の絶望的なまでの哀しさを砂を舐めるように感じた。
私には読んじゃいけない本だった。