【感想・ネタバレ】傷を抱えて闇を走れのレビュー

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Posted by ブクログ

アメフトの選手として活躍するビリーが主人公。義父からの絶え間ない暴力が、彼を暴力人間と化していく。新任のコーチは彼の家の事情で何としても大会を勝ち上がりたい野心を抱えている。取り巻く環境は転入者に厳しいアメリカ南部の田舎町。そこで義父の殺人事件。
どこまでも切ないミステリーだったが、私の1番救いになったのはコーチの娘ローナ。彼女によって物語がしっかり帰結した気がした。

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2024年01月19日

Posted by ブクログ

アメリカ南部の現実… 人間の醜さと歪みを余すところなく描いた社会派ノワール #傷を抱えて闇を走れ

■あらすじ
アメリカ南部、高校生のアメフトのスター選手であるビリーは、ある日義理の父親と喧嘩になり殴り飛ばしてしまった。翌日義父の様子を見に行くと、なんと彼は殺害されてしまっていたのだ。一方、アメフトのコートであるトレントは、チームを優勝に導くためにビリーを庇うことにした。しかし警察はビリーを疑っていた…

■きっと読みたくなるレビュー
アメリカ南部の現実がそこにある。人種差別、貧困、暴力… 読めば読むほど、やりきれない感情に押しつぶされそうになる。

しかしながら、その闇の部分を力強く書き切っている本作。ノワール小説でありながら、エンタメ小説というより文芸作品寄りで書かれているため、一文一文がじわりと胸に染み入ってくる。

誰かが悪いというわけではなく、むしろみんな努力しているに、光がある生活につながらない。さらに物事の解決の仕方や価値観の齟齬が生じることによって、最終的に悲惨な結果を招くことになる。もし環境が違っていたら、きっと経済的にも精神的にも幸せになっていただろうと思わずにはいられません。

特に読んでて辛かったのは、物語の中盤。ローナとの出会いによって変化の兆しが見えてくるんですが… 子どもたちが成長できない環境に置かれてしまうのは、なんともやるせない気持ちになりますね…

私は日本人ですが、ここまで人種差別はヒドいもんなのかとショックでした。もちろん本作はフィクションなんですが、現実も中らずと雖も遠からずなんでしょう。アメリカ南部の知識、社会や人生勉強のためにも読んでおくべき作品です。

■ぜっさん推しポイント
読書というのは人生に潤いと成長の機会を与えてくれますよね。どんな本であっても、生きるヒントや新しい知識はもちろん、体験できない世界や人との出会いすら叶えてくれる。本作の主人公も、一冊の本によって少し希望の光を感じることができたようです。

世界中に難しい問題はいっぱいあるけど、きっとどこかには解決につながるヒントがあるはずなんです。諦めずに前を向いていたいですね。

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2024年01月16日

Posted by ブクログ

SL 2024.2.1-2024.2.3
フットボールが何事にも優先されるという風土が、多分日本人のわたしには理解できないんだと思う。
それはそれとして。ビリーがこんなふうなのは、やっぱり環境のせいなのか。どんなに素晴らしい選手であったとしても、ほんとは無垢な心を持っているとしても、彼は厄介ごとを自ら引き起こすし、そうする以外に物事に対処する術を知らないことが哀しい。
闇の深い物語だった。貧困と差別と虐待と暴力。なんともやりきれないラスト。

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2024年02月03日

Posted by ブクログ

母親と幼い弟、義父と暮らすビリーは、アメフトの天才選手として活躍をしていた。ある日、ビリーは義父とけんかをし、彼を殴り飛ばしてしまう。翌日、家に戻ったビリーは、義父の死体を見つけ…。

今年初の翻訳ミステリは、爽快感ゼロ。しかし、ラストは記憶に残るだろう。

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2024年01月05日

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