唐木田みゆきのレビュー一覧
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離婚して地元に戻ってきたシドニーは、近隣住民が次々と引っ越していることに驚く。成り行きで向かいに引っ越してきた白人男性のセオとイベントのために街の歴史を調べるうちに、街ぐるみの陰謀に気づいていくが……衝撃のホラースリラー。
前半は人種差別や貧富の差などを扱いつつ、後半一気に話は進む。……文字通り、「一気に、ジェットコースターみたいに」話が進む(笑)
もうね、ハチャメチャで面白い。後半は映画を見ているみたいやったわ。アクションありロマンスあり。日本人には馴染みにくい話かもやから入り込むまで時間かかる→
かもやけど、面白いんでホラーとグロが大丈夫なスリラー好きにはオススメ。
ただ、ミステリーで -
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ネタバレ生物学探偵セオの二作目。
セオは前作の殺人鬼との対決で人生が変わったらしい。
国防情報局で働いているだけでなく、
自分が狩りをする方の人間だと自覚したようだ。
そして、悪党だとわかっていても行方不明の息子を探す男を
手助けすることに。
前作と違って、強い女性ジュリアンが活躍しないことや、
私刑を示唆するようなラストであること、
いかに前作後に訓練を受けたからといって
マジシャンさながらに手錠を外し、
格闘家さながらにその手錠を屈強な男にたたき込むのは
ちょっと無理があることを加味しても面白かった。
独創的な捜査方法で次々と真実を明らかにするからか。
庭に埋められていた犠牲者たちの骨を犬が -
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ネタバレ「パードレはもいない」の後ろの広告で見て。
生物情報工学の教授セオは、
殺害された被害者がかつての教え子でだったため、
いきなり容疑者扱いされる。
警察は熊に襲われたと結論づけるが、
セオは科学的な追及で犯人は人間だと考え、
データを集め分析し、
同じ犯人の被害者と思われる女性の周囲を調べに行く…。
殺人者とホホジロザメの捕食のパターンが同じだと比較したり、
植生を調べて死体を発見したり、
さらにパターンから次々死体を発見したりと、
追及手段が面白かった。
発見した死体を警察で匿名で通報したり、
犯人に脅されて死体を盗んで身代わりとしたりと、
型破りなのも。 -
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ネタバレ精神病院から退院し、妻ミリセントにつきまとい始めた義姉のホリーを不可抗力で殺してしまった”わたし”。
それをきっかけに殺人の蜜の味を占めるようになる夫婦2人のサイコパス小説。
自分達の所業を、町のかつての伝説的殺人鬼になすりつけようとするが、友人、家族に思わぬ影響を与えてしまい、困惑する展開に。
アメリカ発と思えないフレンチミステリ的設定。
子ども達の肉体的、精神的な負担・異常を気遣いながらも、自分達に捜査の矛先が向かわないよう苦慮するシュールな場面。
夫婦の甘い出会いを思い返し、なぜこんな現在になってしまったんだと回顧する哀愁漂う想起。
サイコパス的人生と家庭の両立というありえない設定を -
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【腹減り度】
なし
【食べ物の割合】
☆
【1番美味しそうだったもの】
ダイナーのチェリーパイ(作中見るに美味しくは無さそうだけど)
*感想*
章が短いコマ切れで、とんとん拍子で話が進むので次々場面が変わる割にかなり読みやすい。
ヒロインのジリアンの、健康的なセクシーさと非常に可愛らしいキャラクターが◎。主人公のセオクレイは頑張ってるけどちょっと情けない。
本当にいるのかわからない、見えない敵を追うセオクレイは異常者のよう。ていうかあんなに死体掘り当てて送りつけてたら怪しすぎてセオクレイが捕まると思うのだけど。頭のおかしい学者程度の扱いなのでちょっと疑問だった(張られてたけど。)
タイトル -
ネタバレ 購入済み
「今の」発明家を描く歴史小説
発明家には3種類ある。
アイデアを考え理論を作り出す者、理論を商品にして売る者、新しい商品を社会に不可欠な産業システムに変える者。
それぞれテスラ、ウェステイングハウス、エジソンを指していて、今作ではこの3人の対立構造が主題となる。
一般的な発明家のイメージである知的好奇心のままに研究し続けるのはこの中でテスラだけだ。しかも彼はこの3人の中で一番蚊帳の外。
なぜなら彼のような好奇心だけで、悪く言えば暇つぶしに研究をしても儲かることはない。新しい理論を商品に変えなければ資本主義は儲からないし、もっと儲けるためにはその商売が不可欠になるぐらいにシステム化する必要がある。
章の合間 -
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ニコラ・テスラが、頬ひっぱたいて「シャキッとしろ!」と言いたくなるような人物なのは良かった(結構イライラさせられた)
ただ主人公にも同様にイライラ、他の本ではみられない悪ーいエジソンに苦戦を強いられダラダラしてる感じがした。
エジソンとウェスティングハウスの電流戦争が題材
実在の人物や社名。モノが効果的に出てくるのが面白い。
合間に古今東西発明にまつわる人(だけでもないが)の言葉が引用されてサクサクと小刻みに読める。
だけど期待したより淡々と進むので火花が出る激しい闘いではなかったが、むしろヒロインとくっつかずも想いが交差した空気感のほうがバチバチとした磁場が発生してるかの様だった。
余 -
Posted by ブクログ
マジシャンの書いた小説。なるほどと思う。東野圭吾の『ガリレオ』シリーズのような理系探偵のサイエンス・ミステリかとの予想を大きく覆し、本書はまるで、全体が仕掛けにみちたイリュージョンのようなエンターテインメント小説なのだった。火器や炎や鉤爪の活劇とバイオレンス・アクション。一人称現在形でのリズミカルな文体に着いてゆくだけで、探偵セオ・クレイの被る肉体的被害を自分が受けているかのような痛々しさに痺れてくる。
生物学探偵というタイトルから地味な先入観を持ってしまうこのヒーローは、一見普通の大学教授、かつフォールド・ワークと最先端のデジタル技術を駆使する研究者でありながら、実は真実を手にするため