唐木田みゆきのレビュー一覧
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華やかな結婚式が開かれるかと思っていたが……嵐に閉ざされた孤島、そう上手く行くはずはない。何かが起きる。起きないわけがない。
登場人物達の思いにうっすら滲んでいた「秘密」、それがある時から滲みを超え、堰を切ったように溢れ出し、止められなくなる。
終盤、短い感覚で語り手が入れ替わる部分にはゾクゾク、ワクワク(というのも何だけど……)したものを感じた。ドラマを観ているかのよう。
地の文が現在形であるところも、そのゾクゾク感が増すポイントだった様に思う。
読みながら彼らの胸の内の慟哭や憤怒に胃がキリキリした。そして、興奮したりして手がつけられない状態の人々(ディナーの場面だったか、学生時代のノリで -
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アイルランド沖の孤島、そこで有名人カップルの結婚パーティーが行われる。事件を予感させる冒頭の婚礼当日から過去に遡って、婚礼に出席する主要人物が1人称でそれぞれの思いを語る章立てが、交互に重ねられながら当日の出来事へと繋がっていく。それぞれの語りが背景を浮かび上がらせていく中で、縺れた糸がほどけていき、意外性と偶然性に仕掛けられた殺意が明らかになる。花婿、花嫁、花婿の介添人、花嫁の介添人(妹)、婚礼のプランナーであり運営する女性などが、1人称で語っていく章が連鎖していく。それぞれ過去に忘れがたい出来事があり、秘密を抱えているが、最後まで不安定な心理を引きずるなかで爆発する予感へと焦点が絞られてい
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ネタバレミニマリストな建築家が建てたマンションの一室に住んだことのある女性と、今住んだ女性の2つの視点と時点で描かれるミステリー。
過去に住んだことのあるエマは不審な死をとげている、今住んでいるジェーンがその謎を追っていくという話。
不満を語るとネタバレせざるを得ないのだが…
ミニマルなライフスタイルを突き詰めていくと、人間性すらも狂っていくのか?というテーマで進んでいった割には、ラストが…うーん、それならミニマム関係ないよねぇって感じで詰めが甘いように思う。
物語に多大な影響を及ぼしている建築家エドワードが結局…やねんもんなぁ~。でも、必要最低限のモノをきちんと使い整理して、洗練した生活スタイル -
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ミステリーの伝統を踏襲した、安心の一冊。
絶海の孤島で繰り広げられる、華やかな結婚パーティーのさなか、嵐がやってくる。
次々と、登場人物が自身の隠された秘密を独白することで、次第にこのパーティーの結末がどのようになるのか想像してしまう……。
設定もストーリーも特別なものではなく、結末も目新しいものではない。
帯に書かれた「誰が殺し、誰が殺されるのか?」の少なくとも殺される人物は早くに想像できる。
それでも次々と明らかにされる過去の出来事と、島での登場人物の不思議な行動が、テンポよく繰りだされ、読み飽きない。
茶の間で2時間ドラマを見るような感覚でいただきました。 -
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離婚して地元に戻ってきたシドニーは、近隣住民が次々と引っ越していることに驚く。成り行きで向かいに引っ越してきた白人男性のセオとイベントのために街の歴史を調べるうちに、街ぐるみの陰謀に気づいていくが……衝撃のホラースリラー。
前半は人種差別や貧富の差などを扱いつつ、後半一気に話は進む。……文字通り、「一気に、ジェットコースターみたいに」話が進む(笑)
もうね、ハチャメチャで面白い。後半は映画を見ているみたいやったわ。アクションありロマンスあり。日本人には馴染みにくい話かもやから入り込むまで時間かかる→
かもやけど、面白いんでホラーとグロが大丈夫なスリラー好きにはオススメ。
ただ、ミステリーで -
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ネタバレ生物学探偵セオの二作目。
セオは前作の殺人鬼との対決で人生が変わったらしい。
国防情報局で働いているだけでなく、
自分が狩りをする方の人間だと自覚したようだ。
そして、悪党だとわかっていても行方不明の息子を探す男を
手助けすることに。
前作と違って、強い女性ジュリアンが活躍しないことや、
私刑を示唆するようなラストであること、
いかに前作後に訓練を受けたからといって
マジシャンさながらに手錠を外し、
格闘家さながらにその手錠を屈強な男にたたき込むのは
ちょっと無理があることを加味しても面白かった。
独創的な捜査方法で次々と真実を明らかにするからか。
庭に埋められていた犠牲者たちの骨を犬が -
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ネタバレ「パードレはもいない」の後ろの広告で見て。
生物情報工学の教授セオは、
殺害された被害者がかつての教え子でだったため、
いきなり容疑者扱いされる。
警察は熊に襲われたと結論づけるが、
セオは科学的な追及で犯人は人間だと考え、
データを集め分析し、
同じ犯人の被害者と思われる女性の周囲を調べに行く…。
殺人者とホホジロザメの捕食のパターンが同じだと比較したり、
植生を調べて死体を発見したり、
さらにパターンから次々死体を発見したりと、
追及手段が面白かった。
発見した死体を警察で匿名で通報したり、
犯人に脅されて死体を盗んで身代わりとしたりと、
型破りなのも。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ精神病院から退院し、妻ミリセントにつきまとい始めた義姉のホリーを不可抗力で殺してしまった”わたし”。
それをきっかけに殺人の蜜の味を占めるようになる夫婦2人のサイコパス小説。
自分達の所業を、町のかつての伝説的殺人鬼になすりつけようとするが、友人、家族に思わぬ影響を与えてしまい、困惑する展開に。
アメリカ発と思えないフレンチミステリ的設定。
子ども達の肉体的、精神的な負担・異常を気遣いながらも、自分達に捜査の矛先が向かわないよう苦慮するシュールな場面。
夫婦の甘い出会いを思い返し、なぜこんな現在になってしまったんだと回顧する哀愁漂う想起。
サイコパス的人生と家庭の両立というありえない設定を -
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【腹減り度】
なし
【食べ物の割合】
☆
【1番美味しそうだったもの】
ダイナーのチェリーパイ(作中見るに美味しくは無さそうだけど)
*感想*
章が短いコマ切れで、とんとん拍子で話が進むので次々場面が変わる割にかなり読みやすい。
ヒロインのジリアンの、健康的なセクシーさと非常に可愛らしいキャラクターが◎。主人公のセオクレイは頑張ってるけどちょっと情けない。
本当にいるのかわからない、見えない敵を追うセオクレイは異常者のよう。ていうかあんなに死体掘り当てて送りつけてたら怪しすぎてセオクレイが捕まると思うのだけど。頭のおかしい学者程度の扱いなのでちょっと疑問だった(張られてたけど。)
タイトル -
ネタバレ 購入済み
「今の」発明家を描く歴史小説
発明家には3種類ある。
アイデアを考え理論を作り出す者、理論を商品にして売る者、新しい商品を社会に不可欠な産業システムに変える者。
それぞれテスラ、ウェステイングハウス、エジソンを指していて、今作ではこの3人の対立構造が主題となる。
一般的な発明家のイメージである知的好奇心のままに研究し続けるのはこの中でテスラだけだ。しかも彼はこの3人の中で一番蚊帳の外。
なぜなら彼のような好奇心だけで、悪く言えば暇つぶしに研究をしても儲かることはない。新しい理論を商品に変えなければ資本主義は儲からないし、もっと儲けるためにはその商売が不可欠になるぐらいにシステム化する必要がある。
章の合間