唐木田みゆきのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
『ミセス・ワンのティーハウスと謎の死体』
ジェス・Q・スタント 著
唐木田 みゆき 訳
著者は子どもから大人まで幅広い年齢層を対象に小説を執筆ている作家で、オックスフォード大学でクリエイティブ・ライティングの博士号、カリフォルニア大学バークレー校で英文字の学士号を取得している。インドネシアとシンガポールで育ち、現在は夫と2人の娘とともにジャカルタ在住。
著者の育った環境が本書にも活きているのでしょう、文化の違いも愉しめる要素になっていると思います。
主人公のヴェラ・ワン・チュウチュウ(以下;ヴェラ)は六十歳、毎朝四時半きっかりに目覚め、息子のティリーにメールを送り付けます。(殆ど一方的な内 -
Posted by ブクログ
ネタバレテスラとエジソンが、電流の交流vs直流で戦ったことは知っていましたが、そこにウェスティングハウスやJ.P.モルガンも絡んでいたという事までは、勉強不足のため知りませんでした。
本書は、歴史的な事実を下にしながらも、適切に改変され、丁度良い物語小説に作り上げられています。
作者は、元々映画の脚本家であるので、確かに映画やテレビドラマのような、ギリギリのピンチまで追い込まれながらも、大逆転してしまうという物語になっていますが、実はそれって、本当にあったりしているんですよね。
意外だったのが、主人公の弁護士と、それに関連する女性の話。この人物たちについては、完全に作者の創作上のものと思っていた -
-
Posted by ブクログ
ティーハウスのオーナー、ヴェラ・ワン・チュウチュウは60歳。たくさんいた常連客も高齢化で、今はたった一人。そんな店で、一人の男が死んでいた。警察がやってきたけれどヴェラが期待するような科学捜査などは行われず、事故で決着してしまう。それを不満とするヴェラは、独自の方法で容疑者を特定して犯人探しに乗り出す。あまりに独善的で、最初は苦手なタイプと思ったのだけど、彼女の武器は美味しいお茶と料理。気がつくと、私自身が彼女のファンになっていた。(正確には、彼女の料理のファン。考え抜かれた薬膳茶も捨てがたい。)最初は人生に問題を抱えていた容疑者たちも、ヴェラの勢いに巻き込まれていくうちに、自信を取り戻してい
-
Posted by ブクログ
ヴィラ·ウォンの世界に名だたるティーハウス!!!
寂れた店の、大仰なキャッチコピーが、最後に燦然と輝いて泣きそうになる。
こんな展開になるとは思わなかった。
ヴィラも、ジュリアも、リキも、サナも、オリヴァーも。登場人物みんな初登場は、イラッとする要素がある。
誰も清廉潔白ではなく、「さすがにそれはやっちゃダメ」という、共感、応援できない要素が、全員にある。
なのに、どうしよう。
読み終わったら、みんな大好き…!
弱さも間違いも、ヴィラがずいずいと、おせっかいにかき乱して。後悔も間違いもぶっちぎって前にすすめようとする。
全員にどこか哀愁があり、憎めない。
幸せを祈ってしまう。
-
Posted by ブクログ
めちゃくちゃパワフルなおばあちゃんが主人公!
笑えて、ちょっぴり切ないミステリー
autumn522akiさんのレビューに惹かれて読みました
ありがとうございます(◍•ᴗ•◍)✧*。
主人公・ヴェラは、サンフランシスコのチャイナタウンに店を構える中国茶専門店〈ヴェラ・ウォンの世界に名だたるティーハウス〉の店主。
昔は繁盛していたが、今は開店休業状態。
そんなある朝、店の真ん中に死体が転がっていた!
ヴェラは刑事ドラマが大好きで、まるで探偵になった気分で捜査に乗り出す。
事件現場に現れた若者たちを勝手に容疑者扱い!
なのにヴェラは彼等を容疑者として疑いながら -
Posted by ブクログ
ミセスワン 中国茶専門店のおばあさんが主人公
お店は 今はさっぱりで
お客さんはアレックスだけ
その朝 おきてきたら 店に死体が転がっている。
うわあい!探偵ごっこができる!
と5人の容疑者を探る
でも 仲良くなって友だちになる。
このワンさん 中国茶もすごく飲んでみたくなるし
作る料理も美味しそう!
容疑者にされた5人は みんな自分に自信がない。
ワンが その自信を立て直す、
うわあ 凄腕!
犯人は いなかったのか?
最後にどんでん返しが待っています。
ちなみに ワンさんの息子ティリー君は とてもいい子で有能でした。
こんな息子が欲しいわ!
中国人のママがみんなこんなふうだったら 大変ですね -
Posted by ブクログ
★5 悩んでる人は読んでみて!パワフルおばあちゃんの事件簿 #ミセス・ワンのティーハウスと謎の死体
■あらすじ
アメリカ、サンフランシスコの中華街で中国茶の専門店を営むヴィラ・ワン。60歳の彼女は既に夫を亡くし、息子とは別居、日々細々とお店を営んでいた。ある日、彼女の店で身元不明の死体が発見されてしまう。
刑事ドラマに興味があった彼女は、警察に捜査協力を乗り出すも迷惑がられてしまう。しかし彼女は現場捜査や関係者への聞き取りなど勝手に捜査を始めてしまう… 何でも気がすむようにしないといられない、超絶パワフルおばあちゃんの事件簿。
■きっと読みたくなるレビュー
爆笑★5 今年一番のスーパーキ -
Posted by ブクログ
祖父の遺骨を携えて、生前の祖父と一緒に行った旅程を一からなぞる兄弟の話。問題なのは兄弟があの時より一人減っていること、生まれも育ちも違う兄嫁が加わっていること(途中で帰ったけど…けど?)、じわじわ追跡してくる謎の車、不穏な空気。読んでいて心休まることがない、けど、引き込まれる。語り手である次女が色んなことを読み手に隠していて、旅が先に進むごとに少しずつその隠れ蓑が剥がれていく。
色々あってちゃんと目的地には辿り着くんだけど、これほど辿り着かなければよかった、思う目的地があるだろうか。。
あまりに誰も救われない結末に、しばらく何も考えられなかった。いやいやいや…となるけど、逆にむしろ爽快なくら -
Posted by ブクログ
ネタバレルーシー・フォーリーの初翻訳。もしかしたらデビュー作かも。かなり評価は迷ったけど、星4寄りの星5で。
アイルランド沖の孤島で行われる有名俳優と若き女社長の結婚式。
嵐が近づく中、いよいよ式も盛り上がってきたところに停電が。そして響き渡る悲鳴。どうやら誰かが殺されたようだが。。。という冒頭に始まり、おおよそ5人の視点で物語は進む。
おそらく一番評価が割れるところだと思うが、誰が殺されたのか、本当に最後の最後まで伏せられた状態で進む(途中ダレるかどうかで評価が分かれそう)。中編だったら、文句なしの作品だったかもしれない。
殺した犯人ではなく、殺されたのは誰なのか、そこに特化したスリラーであり、 -
Posted by ブクログ
一応ミステリなのかな?いわれればありそうでなかった、シュミレーションモデルを推理の材料にしちゃうミステリ。確かに要素を恣意的に選択してプログラムかけたら傾向でまくりだろうなと。
しかし主人公が天才過ぎてちょっとやりすぎ~。生物、化学、医療系、プログラム系、実地もおっけーとかないやろw題名からインディージョーンズの生物学者ver.なのかと思ったけど、生物学者の範疇超えすぎw
あと、人の感情がわからない病(単語忘れた)だったら、話相手の微妙な心の機微とかわからんのではないかと思った。
ま、なんちゃって理系だもんで全体的には好きです。海外ドラマとかにしたら受けるかもしれない。読み物としては万人にはオ -
Posted by ブクログ
理科系が苦手な人はタイトルを見て本書を避けようとされるかもしれないが、理科系が苦手なぼくでもシリーズ一作目『生物学探偵セオ・クレイ 森の捕食者』ともども本作をしっかりと存分に楽しめたことを保証します。前作よりも理科系とかハイテク数学系などの場面に多くページが割かれている印象はあるものの、それらがストーリーや捜査に重要な小道具の役割を果たしてくれること、またそれら小道具の斬新さ、アイディアの豊富さで、理系云々以上にミステリー・ファンの好奇心をすごく掻き立ててくれるので是非ご安心頂きたい。
小道具ばかりではなく、セオ・クレイの持つ理系学者風の一風変わったキャラもなかなか読みどころである。譲歩