唐木田みゆきのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
理科系が苦手な人はタイトルを見て本書を避けようとされるかもしれないが、理科系が苦手なぼくでもシリーズ一作目『生物学探偵セオ・クレイ 森の捕食者』ともども本作をしっかりと存分に楽しめたことを保証します。前作よりも理科系とかハイテク数学系などの場面に多くページが割かれている印象はあるものの、それらがストーリーや捜査に重要な小道具の役割を果たしてくれること、またそれら小道具の斬新さ、アイディアの豊富さで、理系云々以上にミステリー・ファンの好奇心をすごく掻き立ててくれるので是非ご安心頂きたい。
小道具ばかりではなく、セオ・クレイの持つ理系学者風の一風変わったキャラもなかなか読みどころである。譲歩 -
Posted by ブクログ
トーマス・エジソンとニコラ・テスラ(ウェスティングハウス)の直流交流戦争に立ち会った弁護士が主役の話。
章の巻頭に格言が採用されているけど、私はエジソンのものが好きだ。
おそらくエジソンは大衆受けも含め、処世術に物凄く長けている。発明体制の発明が凄い。
対立するニコラ・テスラは凄く変わり者で孤独を愛する。幻視能力でもあるような、天才的な発明能力があるが、純粋過ぎてアグネスの庇護欲をかき立てたような、不思議な魅力を放っているな、と事故直前の研究室のシーンで思った。
ウェスティングハウスやモルガンなど実業家、投資家も出てくる。彼らと同時代に立ち会ったらどうだろうな、と想像出来るし、知能戦もおもしろ -
-
-
Posted by ブクログ
久しぶりにゴリゴリのクローズドサークルが恋しくなって選んだ作品。
孤島が舞台なのでクリスティを期待してたけど、読み進めるうちに印象は変わった。
犯人も被害者すらもわからないまま進む構成は、パット・マガーの作品を思い出した。
ただ、マガー作品の都会的でカラッとした雰囲気とは対照的に、この作品は現代的なジメジメとした人間関係が渦巻いている。
中盤あたりは、思わせぶりな展開の連続に「だから一体何があったのよ!」と、さすがに引っ張りすぎにも感じたけど、語り手がテンポ良く切り替わるので、飽きずに一気読みした。
凝った構成とクローズドサークルの雰囲気は好みで、ミステリとしての面白さは十分に味わえた -
-
-
Posted by ブクログ
ジェス・Q・スタントさんのコージーミステリーですね。
ジェス・Q・スタントさんは、インドネシアとシンガポールで育ち、現在は夫と2人の娘とともに
ジャカルタ在住。子供から大人まで幅広い年齢層を対象に小説を執筆。
本書は2024年MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞最優秀ペイパーバック賞を受賞されています。
ワシントンのチャイナタウンの一角に古びた中国茶専門店がある。
ある日の朝、このティーハウスのオーナーのヴェラ・ワン・チュウチュウが二階にある住居から店に降りてみると、なんと死体が転がっていた。
普通なら気が動転して、恐ろしいものだか、ヴェラは刑事ドラマが大好きな六十歳。
警察を呼ぶ前に -
-
Posted by ブクログ
ネタバレサンフランシスコのチャイナタウンで中国茶専門店を営むミセス・ヴェラ・ワン・チュウチュウ(60歳)。お店はお客が常連客一人しか来なくて寂れていた。ある朝、店で死体が見つかり、ヴェラは犯人を捕まえようと容疑者を絞り込む。
警察が到着する前に、死体が握っていたUSBメモリーをくすねたり、死体の周りに線もひいたり、とんでもないおばあちゃん!正直なところ、ヴェラの傍若無人・猪突猛進ぶりについていけなくて、読むのをやめようかと思ったけど、堪えて読み進めれば、なんと面白いことか。
ヴェラが考える容疑者の若者4人とはすっかり親しくなってしまうし、もうよく分からない展開に。
容疑者の若者たちは、死亡したマーシャ -
Posted by ブクログ
サンフランシスコのチャイナタウンにある「ヴェラウォンの世界に名だたるティーハウス」 "Vera Wang’s World-Famous Teahouse"の上階に住む、孤独な老婦人ヴェラ・ワンが店内で発生した事件の解決に挑むコージーミステリーの傑作。警察の捜査に不信を抱くヴェラが容疑者の4人の若者たちと接触する過程で、彼らと事件の被害者との過去の因縁を知らされる。殺人事件そのものより、独りよがりで、世話好きで、思いやりがあり、愛にあふれたヴェラとの接触により若者たちの心が変化していくプロットを堪能できた一冊でした。
「小さな仕事」なんてものはないのよ。 それから、そんなば