陳浩基のレビュー一覧

  • 13・67 下

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    このミス海外編2018年版2位、本屋大賞翻訳小説部門2018年2位。連作中編集。日本の売れ筋警察小説っぽい。香港警察の生ける伝説、クワン警視が死ぬときに始まって、駆け出しの刑事の時まで時代をさかのぼりながらの6作が入ってる。論理的に推理とあっと言わせる意外な展開が心地良い。最後のやつは主役の人が前作にも関係してるみたいだけど、読み直すの面倒なのでイマイチわかってません。とても良くできた小説なんだけど、残念なことに、漢字の人名や地名がとても分かりにくく、読み進めるのはとてもしんどかった。ジャッキー・チェンの映画のような派手なカーチェイスとかもあって飽きさせない作りにはなってると思います。

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    2021年07月19日
  • 網内人

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    今のネット社会の闇問題をテーマにした今作品。主人公を助けてくれるスーパーハッカー登場し、ン?シリーズ化するのかな?とゆう期待を持たせて物語は終る。本格ミステリとはまた違った味わいアリ。

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    2021年05月27日
  • 網内人

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    13.67の素晴らしさに圧倒され、次作を楽しみにしていました。それとは全く異なる語り口、香港ノワール感漂う13.67の方が断然重みがありましたが、これはこれで楽しめました。アイ以上にこの手の知識が乏しいので、丁寧な解説は有り難いですね。説明されても理解は出来てないと思いますが。追い込んでいくまでのスリリングさに比べて、ラストがちょっと盛り込みすぎ?片付けちゃった?感があるのは否めないかも。そうじゃないか、と思っちゃったし。でも、振り幅の大きいエンタメで私たちを楽しませてくれたのは確か。次作も待ってます。

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    2021年02月27日
  • 網内人

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    歴代の翻訳ミステリーで一番良かった。一因は日本人が苦手な外国人の人名が少ないこと。後半の内面描写がやや間延びしたがそれ以外はスリリングで時代も反映した内容だった。

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    2021年01月20日
  • 網内人

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    500ページ超えだが一気読み。
    ネットのややこしい話はあるが、ターゲットを絞り込んでいく推理は圧巻で納得感がある。

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    2021年01月19日
  • 網内人

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    たった一人の家族である妹を自殺で失ったアイ。ネットで妹を追い込んだ犯人を突き止めるため、凄腕ハッカーの探偵・アニエに依頼するものの、調査するごとにどんどん明らかになる悪意の数々と残酷な真実。香港の貧困格差、ダークウェブ、ネット虐め、というさまざまな問題が盛り込まれたミステリですが。これは香港に限ったことでもなく、日本でも充分に通用する物語だと思います。
    正直ネットの難しい話は、と尻込みしてしまいそうだけれど。主人公のアイがなかなかのネット音痴なのでそのあたりはスムーズについていけました。一見単純なネット虐めによる自殺かと思いきや、その陰に潜む複雑な人間関係とその確執、そこから生まれた疑惑と復讐

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    2021年01月17日
  • 網内人

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    自殺した妹の死の真相(犯人)を突き止めるべくしゃにむに突き進むアイ.探偵(復讐請負人)のアニエの天才的頭脳とハッカーとしてのコンピュータスキル.読みながらアイちゃんよくぞ聞いてくれましたという感じで,さっぱり分からないコンピュータ関連の説明をゾーッとしながら読んだ.ネット社会は恐すぎる.登場人物がかなり詳しく書かれていることで親近感も湧き,嫌な奴はそれなりに嫌いになりながら,胸のすくようなアニエの仕事ぶりで,どんどん真相に近づいていく.読者はアイ視点で振り回されつつ最後はきっちり説明されて大満足.シリーズ化とのこと次作でアイちゃんやアニエに会いたいです.

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    2020年11月23日
  • 13・67 下

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    警察の腐敗、横暴がはびこる時代を遡る下巻。最終話最後の数行で(未来の)第1話につなげる構成は見事です。「逆年代記」にした意味はここにあったのかと納得。今大きく揺れ動く香港を知るのにもちょうど良い。この作家の他作品も読んでみたくなりました。ウォン・カーウァイによる映画化も期待が膨らみます。

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    2020年10月25日
  • 網内人

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    前作「13・67」程の驚きは無かったが、十分楽しめた。構成や人物描写が鮮やか。ネットに疎くても、アイに説明させる事でわかり易くなり、さらなる共感をうませてくれた。

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    2020年10月24日
  • 13・67 上

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    短編ながらどの話も濃密で読み応えがある。「名探偵」の鮮やか過ぎる謎解きが痛快な香港ポリスストーリー。上巻は2013年から香港返還の1997年まで。時代を遡る連作という構成が斬新で面白い。“最期”が描かれる第1話は衝撃的です。

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    2020年10月17日
  • 13・67 下

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    著者の後書きにもあるが、本格派と社会派の結合や、短編と時代の遡りから浮かび上がってくるところの効果など、技がとにかく噛み合っている。
    そしてもちろん最後のカタルシスが素晴らしい。

    民衆の敵が守護者に代わり、かつての友が敵になる。面白かったし、興味深かった。

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    2020年09月22日
  • 世界を売った男

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    ネタバレ

    最後の一行の意味がわからず、皆さんの感想を読み漁って、やっと納得しました。
    私のようにわからなかった方は、最初に戻って読んでみて下さい。
    全体的に映像向きな面白さでした。もう一作つんでるので、また読みます!

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    2020年07月23日
  • ディオゲネス変奏曲

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    7/16/2020

    私は頭が硬いんだと思う、SFは苦手。(昔は眉村卓くらいは読んだんだけど。) なので2篇くらいあったSFは字面だけ追って読んだ感じ。逆にSF好きな方にはオススメかも。他にも異なったタッチのミステリー短編満載なので、陳浩基を読んでみるのにちょうどよい一冊。それこそ3ページ程度の超短編もあったりで、器用な人なんだと思う。

    追記 9/10/2020
    感情的になりそうだったので前回↑では敢えて触れなかったけど、読み始めようとして最初に目にした 「本書を謹んで天野健太郎氏に捧ぐ」。これは強烈すぎた。ここでしばらく止まってしまった。
    RIP

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    2020年07月17日
  • ディオゲネス変奏曲

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    ミステリ短編集。だけれど、本格ミステリありSFミステリありサスペンスありホラーっぽいのあり、と読み心地はかなりバラエティに富んでいます。
    お気に入りは「カーラ星第九号事件」。SFミステリで、論理もきっちりとした固めのミステリだと思ったら。ラストで明かされる真実が!
    「頭頂」と「霊視」もホラー好きとしてはかなり好みでした。怖いけれどどこかしらユーモラスな「頭頂」、でもこんなの……見たくないなあ。「霊視」はラストでぞくりとさせられます。
    一番本格ミステリだったのは「見えないX」かな。ある意味の犯人捜しミステリだけれど、日常の謎としても最低レベルに魅力的ではないつまんない謎、だと思っていたのに。いや

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    2020年05月17日
  • ディオゲネス変奏曲

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    ホラー、星新一風のSF、バカミス、バリバリの謎解きと、バラエティに満ちた作品集。いろいろな楽しみ方ができるけど反面、玉石混淆、ネタありきで広がりに欠ける作品も少なくない。しかし、作者があの陳浩基となると話が違ってくる。話題の華文ミステリの旗手にして、日本の新本格を引き継ぐ注目の作家なのだ。

    著者あとがきを参照しつつ作品を読むと、彼がとても実験的にこれらの作品を仕上げていることがわかる。個人的にお薦めは、金銭で時間をやり取りできる世界を描いた「時は金なり」、後の『世界を売った男』を思わせる「珈琲と煙草」。そして何と言っても「見えないX」。これは読み返すと、作者のフェアネスがわかり、さらに面白い

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    2020年02月18日
  • 世界を売った男

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    ひどい二日酔いとともに車の中で目覚めた主人公は6年間の記憶を失っていた。刑事である自分が追っていた事件と関わりがあるのか…? 何とも魅力的な謎で、かつての島田荘司作品のような疾走感。それもそのはず、第2回島田荘司賞の受賞作品なのだ。個人的には解決編が一捻りくらい多すぎるような印象だけど、まさに本格ミステリ。最後の一文には、思わずニヤリとしてしまった。実に見事!

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    2020年01月02日
  • ディオゲネス変奏曲

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    若干、玉石混淆なところもあるけれど、平均値高めと思う。『藍を見つける藍』『沈黙は必要だ』『いとしのエリー』○。特に『時は金なり』◎

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    2019年06月25日
  • 世界を売った男

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    よく練られたミステリー。若干無理やりなところはあるが、伏線の張り方・回収が見事で、真相にうならせられる。ラストもグッド。そして翻訳がすばらしい。読みづらさが一切なかった。中国人の名前を覚えるのが若干つらかったがしょうがない。

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    2019年05月23日
  • ディオゲネス変奏曲

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    華文ミステリの秀作『13・67』の著者の、デビュー10周年を記念した自選短編集。本格ミステリ、バカミス、SF、ホラー、ショートショートなど、ジャンルはごちゃ混ぜだったけど、一捻りある作品ばかりでとても面白かった。僅か2ページのショートショートにも仕掛けがあるのは凄い。
    登場人物を和名にしたら、日本人作家が書いたと言われても信じてしまう位に馴染みやすい文章が特にいいし、収録作の本格ミステリ二作は、いづれも傑作だった。
    華文ミステリの取っ付き難さを無くしたという事だけでも、この著者は称えられて良いと思う。

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    2019年05月05日
  • 世界を売った男

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    香港舞台の小説に関心があったので購入。スピード感があり面白かったが、登場人物の名前がややこしいです。最期の結末はさっと読んだだけではちょっと分かりにくい。

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    2018年12月16日