P・D・ジェイムズのレビュー一覧

  • 皮膚の下の頭蓋骨

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    ネタバレ

    20代で探偵事務所を背負って立つことになったコーデリアの、心の機微や葛藤が丁寧に描かれる。
    事件の謎よりそちらに重点が置かれているようにも思う。
    大きな事件を経験し、今後も悪との闘いが予期される終わり方の中、自分が価値と信じる良識を胸に、堅実に日々の仕事を積み上げていこうとする姿勢がいじらしく、「頑張ったね!ずーっと応援してるからね!」と抱きしめたくなる。

    作者は逝去しているようなので、こちらはコーデリア•グレイ2作目にして、最後の作品。
    これから30.40.50代と年齢を重ねたコーデリアはどう変化していくのだろう。いつか引退し、茶目っ気を身につけて幸せに暮らすおばあちゃんになっているといい

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    2024年10月07日
  • 高慢と偏見、そして殺人

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    母校が開催した公開講座「オースティンの世界」で紹介された本。
    原題[Death Comes to Pemberley(死がペンバリー館にやって来る)]よりも断然良い邦題だと思います。

    多少原作とは登場人物達の雰囲気が違うような気もしましたが、それは作者が違うからなのか、あれから六年経って彼らが成長したからなのか。
    まあ、些細な違和です。

    そしてミステリとしては…やられました。
    とりあえず「こいつが怪しい」と目をつけていた人物がいたのですが、違いました。

    貴族としての面子を保たなければならなかったり、家族を守らなければならなかったり、自分の都合を押し通したかったりといろいろな思惑が絡み合い

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    2023年07月01日
  • 皮膚の下の頭蓋骨

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    ネタバレ

     最後の解説で全てがしっくり来た。解説ってのは何かこう解釈の強要な気がしてよくないもののように感じがちだ。自分の感受性が解説を読んだ時点でどこかに行ってしまうような。でも僕は最後の解説って結構好き。コーデリア・グレイのシリーズの作風ってもんをきっちり形作ってくれる。これでこそ僕は「ここが好きだからこのシリーズが好き」も胸を張って言えるというもの。多分自分で考えてるだけだと「それってただの良いとこみっけだろ?」って水を差してくる嫌な自分がいるからだろう。解説はそんな嫌な僕に「そんなことないよ。胸を張って『ここが好き!』って言って良いんだよ!」って背中を押してくれるものなんだろうなぁ。
     殺人と顔

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    2023年06月13日
  • 皮膚の下の頭蓋骨

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    私立探偵として自立する女性・コーデリア。自分と重ねて読んだ。

    「女には向かない職業」も大好きだけどこっちも大好き。コーデリアの潔癖、清純、無垢なイメージは、決して弱々しいものではなくて、凛として背筋を伸ばしながら悪に立ち向かう美しさを感じる。

    犬猫探しみたいな小さな仕事ばかりで、お金もそんなになくても、世間の評価に左右されず自分で下した決断を信じる美しさ。

    とても良かった。

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    2020年01月03日
  • 高慢と偏見、そして殺人

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    「高慢と偏見、そして殺人」は、Jオースティンの「高慢と偏見(Pride and Prejudice)」のその後を描いた作品。私は原作の「高慢と偏見」が大好き、「高慢と偏見」に出てくるキャラクターも大好き。「高慢と偏見」のファンにはとても楽しめる作品。「高慢と偏見」関連の作品といえば、「高慢と偏見とゾンビ」も楽しかったけれど、「高慢と偏見、そして殺人」はまた違った楽しさがあります。「高慢と偏見とゾンビ」は映画化されてヒットしたけれど、「高慢と偏見、そして殺人」も映像化・ドラマ化されているみたいで、そちらも見てみたい。

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    2017年11月23日
  • 皮膚の下の頭蓋骨

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    P・D・ジェイムズに決定的にハマったきっかけがこれ。前作「女には向かない職業」もいい作品だけど、これはさらに読み応えがあって読後の満足感もアップ。それにしてもすごいラストだよなぁ……。

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    2009年10月04日
  • 神学校の死

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    貸してくれた人はやたら期待値を下げようとしていて、どれほどつまんないんだろうと思って読んだら、ふつうに面白いじゃん。これが初なので今までの雰囲気とかわかんないけど、ダルグリッシュのキャラが相当いい感じ。面白いのは最後にアクションシーンがあるところ。観客を楽しませるためだけにアクションシーンで終わる映画みたいな妙なサービス精神が面白い。それまでオーソドックスなミステリで、距離感がずーっと保たれているところが上品。ただ、これ面白いって言われて読んでたら、たぶん多少評価下がっている。やっぱり前半が長いよ、これ。でも、ダルグリッシュのキャラは相当好き。でも最初に読むのが、彼に久しぶりの恋が始まりそうな

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    2009年10月04日
  • 神学校の死

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    警視にして詩人 ダルグリッシュシリーズのなかで最高だと思っています。「どんな男の人がタイプ?」ときかれたら これからは迷わず「ダルグリッシュ警視のような。」と言います。これからは。2002年発行。いきなりこれを読むのでなく「女に向かない職業」から楽しんでほしい。

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    2009年10月04日
  • 皮膚の下の頭蓋骨

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    ネタバレ

    コーデリア・グレイもの。全二作の二作目。『女には向かない職業』でひたむきな新米女探偵ぶりをドキドキしながら見守ったあとの二作目は孤島もの。
    前作から今作までにコーデリアはパートタイムで人を雇ったり、迷い猫探しをしたり。経営は厳しく、それでも1人で探偵事務所をやりくりしている。
    そんなところに持ち込まれた依頼が死を仄めかす脅迫状に怯える女優の身辺警護。コーデリアは古典劇が開かれる不気味な伝説のある孤島へ渡り、そこで女優は惨殺される…

    80年代を舞台にしているとはとても思えないというか、舞台も事件もまさに黄金時代の趣。不気味な小道具、なにを考えてるかわからない使用人たち、聖書やシェイクスピアやら

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    2024年03月21日
  • 皮膚の下の頭蓋骨

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    ネタバレ

    真ん中くらいまでコーデリアちゃんも登場人物の1人くらいの扱いでどうなるのかハラハラしていたら、後半は活躍してくれてよかった。今作もおしゃれでアンティークな雰囲気がよかった。シェイクスピアを始めとした古典や聖書を理解しているとより楽しめるんだろうなぁ。登場人物1人1人のキャラがしっかりしていたので途中までコーデリアちゃんが全然出てこなくても面白かった。
    結末は全然想像できない展開で衝撃。ストレスがやばかった。今回もなんやかんや最後にはダルグリッシュさんが出てきて助けてくれたりするのかな、と思っていたら全然だったというのも残念というか悔しい。まあそんなに上手い話もないんだろうけど。
    ミステリーだけ

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    2023年08月09日
  • 皮膚の下の頭蓋骨

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    イギリスの作家「P・D・ジェイムズ」の長篇ミステリ作品『皮膚の下の頭蓋骨(原題:The Skull Beneath the Skin)』を読みました。

    「P・D・ジェイムズ」の作品は、今年1月に読んだ『女には向かない職業』以来なので約1年振りですね。

    -----story-------------
    二百年前の不気味な伝説が残る孤島コーシイ島。
    そこの贅を凝らした壮麗な舞台で演じられる古典劇に招かれ、いま、数人の客が島を訪れていた。
    主演女優「クラリッサ」の義理の息子、従姉妹、元愛人……女探偵「コーデリア・グレイ」もそのひとりだった。
    頻々ととどく死を暗示する脅迫状におびえる「クラリッサ」の

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    2023年04月01日
  • 高慢と偏見、そして殺人

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    いいですね。ミステリーの王道。毎回読むのはつらいけど、たまには、楽しい。イギリスの上流階級のしがらみと殺人事件。アガサの王道だ。PDジェイムズバアさん。バンザイ。

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    2022年04月09日
  • 皮膚の下の頭蓋骨

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    ネタバレ

    コーデリア・グレイが登場するシリーズの第2作。しかし、シリーズといっても2作しかない。著者はすでに亡くなっており、今後このシリーズが追加されることはない。率直に言って、それはとても残念だと思った。
     巻末の解説には、著者が来日した際の実際の言葉として、「その人の真の姿や人間性、人々が匿そうとしている本質をあばきたてる」ことに「興味がある」と述べている。これは著者の作品性を端的に物語るものだと、解説には述べられている。たしかにそのとおりであると感じた。著者本人が語っているように、本作は巧妙なトリックや、幾重にも伏線が張り巡らされ、それを解き明かす謎解きの醍醐味が味わえるというよりも、どちらかとい

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    2022年03月24日
  • 皮膚の下の頭蓋骨

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    コーデリア・グレイ・シリーズ第2作。

    脅迫状におびえる有名女優の警護を依頼され、孤島を訪れた探偵のコーデリア。島には壮麗な城と劇場があり、そこで行われる古典劇のために演劇関係者や女優の親戚等が集っていた。やがて殺人事件が起きて……。

    これまで読んだP. D. ジェイムズの本の題名は暗い印象のものが多い。今回は『皮膚の下の頭蓋骨』ときた。猟奇的な内容だと嫌だなと思いながら手に取ったが、恐れていたほどではなかった(殺害手口はむごい)。読み手を身構えさせ、恐怖感を増幅させるねらいで付けられたのであれば成功している。いわくありげな登場人物や孤島の陰惨な過去と、ひたむきで可憐なコーデリアとの対比が鮮

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    2018年04月17日
  • 神学校の死

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    『正義』に続いて2作品目。
    事件発生までがかなり長く、読者側が推理するミステリでもないが、読ませる力があるのは作者の力量が素晴らしいからだろうと思う。
    たとえ事件が起きずとも、緊迫感を孕んだ濃厚な人間ドラマとして読み応えがあり、結果として事件に関わりのなかった人物達のサイドストーリーも秀逸だ。ただ、これを冗長と思う読者もいるだろうし、スピード感に欠けて退屈だと思う読者もいるかもしれない。警察の捜査も地道で無駄に終わる(でもこれが普通だろうけど)ことばかりでもどかしいばかり。万人受けではなく、じっくりと深く読書を楽しみたい人向けなんだと思う。

    意外だったのは、ダルグリッシュが前作の事件に悔恨の

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    2017年02月18日
  • 皮膚の下の頭蓋骨

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    女探偵コーデリア・グレイシリーズ2作目にして最後の作品。前作とはうってかわって、今度は孤島で起こる殺人事件の捜査にコーデリアが当たるという、古式ゆかしい黄金期のミステリのような本格ミステリ風作品になっている。

    コーデリアの事務所を訪れた元軍人。彼の妻は女優であり、彼女宛てに数日来から脅迫状が頻繁に届いているのだという。彼の依頼はその妻が今度古城を頂く孤島の持ち主より公演の依頼を受けた、ついてはコーデリアに滞在中の身辺保護を頼みたいというものだった。
    ヴィクトリア王朝様式の古城に招かれた人々は一見裕福そうに見えるが、それぞれに問題を抱えている、とミステリの王道を行くシチュエーション。

    後にジ

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    2016年12月04日
  • 神学校の死

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    ネタバレ

    どうも作者は、時としてダルグリッシュ警視長をロンドンから解き放ちたいらしい。

    もう二人も死んでいるというのに、
    いつものごとく追い詰められている人がいるなーと思っていたら、
    殺されてしまった。
    さらにもう一人。
    舞台が学生数20人の神学校なのに殺され過ぎでは。

    人種差別問題で情熱を失いかけていたケイトが、
    重要な証言を聞き出して、情熱を持ち直したのは良かった。

    事件の関係者だったエマ・ラヴェンナムとダルグリッシュ警視長の今後の展開はいかに。

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    2015年07月15日
  • 皮膚の下の頭蓋骨

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    「高慢と偏見、そして殺人」がすごくおもしろかったので、続けて読んでみたのだけれども、ううーん、ええと、すみません、こんな超名作ミステリについてとても言いにくいんですが途中で退屈しましたすみません。
    長い……。
    最初の、コーデリアが島に行くまでのあれこれや、島に行くメンバーそれぞれの話、殺人事件が起きるまでのいろいろあたり、死についての言及なんかはおもしろかったんですが、警察のひとりずつの尋問あたりで……コーデリアはどっかいっちゃったのかとか思いましたすみません。
    最後の対決や、ほかに類を見ないようなラストにはスリルを感じたんだけれども。
    謎解きがなきゃもっとおもしろいかもとか思っていたバカなわ

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    2013年10月28日
  • 高慢と偏見、そして殺人

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    原作の雰囲気ぶち壊しだったらどうしようと恐る恐る読み始めたのだが、さすがP・D・ジェイムズ。読み応えのあるミステリーになっていた。

    翻訳の力もあると思うが、18世紀から19世紀にかけてのジェントリ階級という『高慢と偏見』の世界にスッと入り込める。

    これは、原作から六年後、エリザベスは今や二人の男子の母となり、ダーシー夫人としての地位を確立している。

    そんな幸せなダーシー夫妻の生活に影を落とすのは、やっぱりウィッカム、リディア夫妻である。
    相変わらず人のお金を当てにするような生活を続け、挙げ句の果てに、自分が殺人事件の容疑者にまでなってしまう。

    事件が起こってからは、法廷もの的な流れにも

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    2013年07月02日
  • 高慢と偏見、そして殺人

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    英国ミステリの大家P・D・ジェイムズによる「高慢と偏見」の続編。
    みんなオースティンが好きなのね~。
    実力派なのでしっかり書き込まれ、19世紀初頭の捜査や裁判もありありと。

    「高慢と偏見」のあらすじが最初にまとめられていて、その辛らつさがとてもオースティンぽい。
    5人の娘を持つベネット夫人が4人までを結婚させられたのは幸運だったと思われていると。
    美しく優しい長女ジェーンの幸運な結婚は祝福されたが、次女エリザベスの不釣合いな結婚は驚きとやっかみを招いたと。
    ダーシーとエリザベスは当初反発し合っていたことを狭い世界の誰もが知っていたし、ダーシーは名門で格が違いすぎ、エリザベスが女主人となるペン

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    2013年03月30日