小竹由美子のレビュー一覧

  • ホワイト・ティース(上)
    なんというか……、とにかくカオスだなあ、という印象の強い上巻でした。宗教観や異文化が登場人物の背景にあるのですが、その背景ゆえの思考や行動がなかなかこちらの理解が及ばないというか、ぶっ飛んでいるというか……。

    ただ、それゆえに物語の展開が予想できない上、登場人物の異様な行動にも一種のシュールさが生...続きを読む
  • 地中のディナー
    自分としては興味ある題材と思い、楽しみに手を取るが、肩透かしだったかも。ニューヨーク生まれだけど、ゴリゴリのユダヤ世界に育ち、ヘブライ語の翻訳までやっちゃってる作者が、パレスチナ、イスラエルの紛争を描いた。結局なんだか、よみどころがわからなかったよ。必要以上にラブロマンスが気だるく描かれ、それが集中...続きを読む
  • 神秘大通り(下)
    熊とレスリングはないですが、猥談下ネタ+唐突な死+サーカス+無駄に長いあたりまじアーヴィング節。

    人生は喜劇で、グアダルーペをよく知らなくて調べたら、ネット広告にグアダルーペ像の広告が出るようになったこと含めて。
  • 神秘大通り(下)
    現在と過去が入り混じる物語。
    主人公が物書きで孤独の影があるのがいい。
    残念ながら『サーカスの息子』みたいな感動はなかった。
  • 神秘大通り(上)
    同じ人物の名前を場面どころか一文の中で言い換えているので,非常に煩雑で始めは読みにくくて仕方がなかった.だんだん慣れてくるが,過去と未来,妄想と現実が入り乱れ,フワン・ディエゴとともにどこへ行くのか読み手の方も着地点が見えず,どんどん世界が広がっている感があるが,後半に期待するとしよう.カトリック(...続きを読む
  • 神秘大通り(下)
    アーヴィングの現代アメリカ小説。

    アーヴィングらしいといえば、作家の主人公の空想や収束に向かうための旅とか盛りだくさんで、そこに宗教的な奇跡や戦争における亡霊などが絡んで、ちょっとスティーヴン・キングチックな感じもあって面白かったです。
    過去の周囲の人物たちの死や現在の現実の人物たちのうっとおしさ...続きを読む
  • 神秘大通り(下)
    大好きなアーヴィングですが、この本は、他のアーヴィング作品と比べると読後の満足感が薄かった。というか、ほとんど無かった。新作が読めたことは幸せだけど。
  • 神秘大通り(上)
    メキシカン文学者の人生を描くアメリカ小説。

    久しぶりだったので、いきなりアーヴィングワールドの洗礼を浴びました。
    主人公フワン・ディエゴの呼称がダンプ・キッド、少年、ダンプ・リーダーと最初の10ページ足らずで多岐にわたり、父親的存在のリベラもダンプ・ボス、エル・ヘフェなどと呼ばれることから、何が誰...続きを読む