川島隆のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ100分de名著本に掲載されていたので読んでみた。
カフカの変身
このタイトルを聞けばおおむね、『朝起きたら虫になっている主人公』は連想できると思う。
で、他には? と言われてちゃんとオチまで話せる人は何人いるだろうか?
そもそも読破したことある人は?
私もここにきてやっとこ本編に触れました。
最初の虫になった以外の物語知らないから。
主人公のグレゴールはある朝起きたら虫ケラのようなものになっていた。
で、家族はびっくり。
妹だけが頑張って兄と思われる虫ケラを世話しますが、最後には皆疲れ果て、グレゴールすらも疲れはてて死んでしまいます。
残った家族は何かの義務から解放されたかのように電車に乗って旅をするという…。
そんな話だったのか。
読む前までは映画「ザ・フライ」のイメージと重なっていたのですが、違うな甲虫だな。
フンコロガシとか、カナブンの地味な色系。
カフカは読者それぞれにグレゴールのイメージを持ってほしいと思っていたようなので、正解とされるイメージはありません。
訳者の川島さんは「虫」を「虫ケラ」とすることで今までイメージされていた変身のイメージを変えています。
なるほど、虫=無用の長物であり、外見ではなく内面というか置かれた状況をさしたものなのかと気づきます。
本文自体はそこまで長い文章ではないものの、なかなか読むのに手こずりました。
どうにも海外文学のリズムに蚊だらが慣れてなかったせいかと。
そして、本文と同等、いやそれ以上か? の訳者の補足というかカフカの人物像や書かれた時期の状況などが記されています。
この補足を読んでから本文を読むと、虫というのが比喩なのではないか?(引きこもりだったり、社会的に排除された何かだったり)…とわかってきます。
文学作品と思って構えて読まない方が良いかも。 -
Posted by ブクログ
ネタバレある日、巨大な虫になってしまったグレゴール。
会社で苦しい思いをしながらもがむしゃらに働いて家族を養ってきた彼が、目が覚めたら突然虫の姿になってしまい、家族にも避けられてしまうように。
虫になっても仕事に行こうとする彼の姿勢には植え付けられた義務感を感じ、胸が痛くなった。
そして人間時代のグレゴールに依存しきっていた家族はそれぞれ仕事を見つけ、自立していくようになり虫であるグレゴールの存在はどんどん“本物の虫けら”に。
最後の解説でも記されていたが、変身ものは最後に姿が戻ったり変身した理由がわかったりするものだが、最後まで虫の姿で、そのまま生涯を終えてしまう。
きわめて救いのない物語。社会から外れるというのがある意味救いと言われれば救いではあるけれど、虫になってからの孤独感は、人間であればできることである二足歩行で自由に動き回ることや、食事、そして人間関係を築くことができないことによって加速していく。
不条理が描かれたこの物語は、感情移入こそしないものの、同種族でしか成り立たないこの世界について考えさせられた。普段こういう不条理な話には触れないが、読む機会を作れてよかった。本編は100ページほどなのでサクッと読めた。
カフカの他の物語も読んでみたいと思った。 -
Posted by ブクログ
息子へ)
久しぶりに文学小説を読んだ。
朝起きると虫に変身してしまっていたサラリーマンと、
その家族の話だ。
とても奇妙で身の毛のよだつ話だ。
さすがに文学小説だけあって、こんなに現実離れした話にもかかわらず、、「自分がこれに似た境遇になったら、、、、」と考えさせられる、、、。
つまり、社会から脱落してしまったら、だ。
本にもいろいろな種類がある。
いろいろな方向から頭に刺激を与えるという意味で、この類の本も読むに値する。
(お父さんの本の買い方)
BOOKOFF \105
(読め、もしくは、読むな)
読みたければ読め!
(君が・・・歳のころに)
社会人になったら。 -
Posted by ブクログ
フランツ・カフカの名著「変身」を深掘りする。
NHKの名著を様々な側面から深掘りし読み解く教養番組「100分で名著」の書籍版。番組もわかりやすいが私には自分のペースでささっと読める書籍版がよかった。
カフカの変身は好きな作品だが、他のカフカ作品同様に暗く不条理。作者も暗く理解されない孤独の人生を歩んだのかと思いきやそうでもない。中島敦がクヨクヨ悩むタイプの作品を書きつつ自身はそういう人間と正反対の性格だったということに似ている。人間は傍目には恵まれていようと内面に人には理解できない闇を抱えているなんてことはよくあるものでそういった言語化できないやるせなさを作品として昇華しようとした時こういう読む人の解釈に任せる占いのような作品が生まれるのだろうか、と感じた。