栗原俊秀のレビュー一覧

  • すごい物理学講義

    Posted by ブクログ

    物理学史の総まとめ
    ウィットに富む



    二十世紀初頭、合理的知性を充分に備えたあらゆる人びとにとって(要するに、アルベルト・アインシュタインただ一人にとって)、これはきわめて自然な推論だった。

    0
    2022年10月31日
  • すごい物理学講義

    Posted by ブクログ

    古代から21世紀にいたる、宇宙の真理に迫る営みを、見通し良く、格調高く、崇高さすら読者に覚えさせるような文学的イメージも駆使して書かれている。ただ、量子力学の一応の成立よりあとの話は、やっぱりとっつきにくく、難しい。選ばれた物理学者(と、それを志す者)だけしか、その雰囲気を味わうことすら許されない高みにあるような気がする。

    0
    2022年08月20日
  • カルロ・ロヴェッリの 科学とは何か

    Posted by ブクログ

    現代科学に最も貢献した人物は、ニュートンでもアインシュタインでもなく、アナクシマンドロスらしい。
    彼は、地球を「なにもない空間に浮かぶ円柱」であると予想し、雨は海の水が蒸発したものであると予想し、すべての生き物は魚のようなものから派生したと予想した。

    彼の生きた紀元前5世紀では、まだ世界の理解には神が必要不可欠であったが、「自然」にその解答を見出そうとした。(しかもかなり真実に近い)
    これは当時にしてはかなりの発想の飛躍であり、常識を疑うという科学の本質を、初めて実践した人物らしい。

    こういった予想を立てることができた背景には、彼の天才的な才能だけでなく、当時のギリシャ(のミレトスという都

    0
    2022年05月29日
  • すごい物理学講義

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    日本では超ひも理論(超弦理論)が有名だが、本書は「ループ量子重力理論」の信奉者だ。古代ギリシャからアインシュタインの一般相対性理論までの物語はなかなか面白かったが、量子力学になった途端難解の極み、とは言っても超弦理論も似かよったものだが、とても納得いくものではない、挙句の果て時間は存在しないなんて言い出すんだもの。どっちの理論も決め手に欠くもので量子力学はまだまだ発展途上の学問のようだ。

    0
    2022年05月05日
  • 小説ムッソリーニ 世紀の落とし子 下

    Posted by ブクログ

    そもそもヒットラーに比べて影薄いムッソリーニやけど、先駆者はこっちなのよね。むしろヒットラーの方が少なくとも最初は格下やったわけで。
    で、1924年までの、ヒットラーが台頭する前のムッソリーニとなるとローマ進軍をピークとする権力獲得までの話がオモロいのかと思ったら、意外や意外、権力の座についた後の味方に足を引っ張られながらもがくところが良い。「本当にこわいのは有能な敵より無能な味方」ってヤツ。
    4部作らしいんで次作あたりでヒットラーが出て来て、その次で逆転して、最後でシチリア上陸からミラノで愛人と吊られるくらい?

    0
    2021年12月28日
  • すごい物理学講義

    Posted by ブクログ

    原題「現実は眼に映る姿とは異なる」のループ量子重力理論の解説書であり、3つのテーマが織り込まれながら、展開されていく。
    ①一般性相対理論と量子力学を統合する可能性がある理論「ループ量子重力理論」について
    ②「ループ量子重力理論」に至るまでの物理学の歩みをギリシア時代から遡る
    ③哲学と物理の関係、特に世界を認識してきた概念について

    訳者の力量も素晴らしく、読みやすく、非常に知的満足度の高い良書だった。幾分、③が冗長であったが、ヨーロッパの読者を想定した内容なので、そこは理解できる。

    0
    2020年10月26日
  • すごい物理学講義

    Posted by ブクログ

    この前読んだブルーバックスの本よりは分かり易かったな。こう言う本て日本人が書くより外国人が書いた方が全体の掴み方とか構成とか分かりやすく面白い気がするのだが気のせいか。日本はひも理論が優勢だが、この人はループ量子重力理論。正直違いは良く分かってないが、世界を理解しようと言う物理学の美学は伝わってきた。しかしこう言う事を四六時中考えている人は凄い。最後は哲学だなと思った。空想が追いつかない。数学って凄い。

    0
    2020年04月15日
  • すごい物理学講義

    Posted by ブクログ

    良かったことは、相対性理論に初めて面と向かったこと。残念だったことは、本書の主題はループ量子重力理論であって、相対性理論ではなかったこと。つまり、これはワタシが本書の序盤戦(に出てくる相対性理論)で苦戦し、本丸(ループ量子重力理論)までたどり着けなかったということ。
    それでも、投げ出さずに最後まで読めたのは、物理学と哲学には共通するものがあるという著者の指摘に共感できたから。時間と空間に関する議論は物理学のものだけではなく、古くから哲学者が取り上げてきた。その事実をデモクリトス、ダンテからプルーストまで引用して語っている。
    第9章には「科学とは、「技術」を提示するより前に、まずもって「見方」を

    0
    2020年03月01日
  • イタリア人漫画家のマンガ帝国探訪記

    Posted by ブクログ

    90年代に『モーニング』で『ユーリ』を連載していたイタリア人漫画家による回想録。
    ---
    三島由紀夫や阿部定に関する知識の深さに日本に惹かれた様子が伺える。谷口ジロー氏や宮崎駿氏と会ったり週刊漫画雑誌でカラー漫画の連載を持つことができたり良い時代の日本を堪能されたようだ。

    言葉に関しては難しかったらしく手書きの日本語があやしかったり、日本に関する知識が深く考えすぎたり誤認したりしている面も味わいの範疇で良い。

    0
    2025年10月14日
  • イタリア人漫画家のマンガ帝国探訪記

    Posted by ブクログ

    あら。思ったよりずっと真面目だった。
    本当に昔、日本で漫画描いていた人なのね。
    1996年の『週刊モーニング』に連載してた
    その書影を見ると、かわいい感じの絵だ。

    連載に至った経緯や
    日本での生活の記憶と記録。
    自分の愛する日本の映画や漫画のこと。
    途中になぜか阿部定の物語をコミック化した
    物語があったりして。
    なかなかごった煮な一冊でした。

    0
    2025年10月03日
  • 無用の効用

    Posted by ブクログ

    バランスよく行くのが良いと思いました。
    自分は無用側だと思われるんですが、資本が無いと何も出来ません。
    資本主義な人は、そうで無い人をそんなふうに見ているのでしょうか、と思いました。

    0
    2024年01月12日
  • すごい物理学講義

    Posted by ブクログ

    学校で習ったニュートン力学が全てだと思っていたから、これはけっこう衝撃だった。この本は難しそうに見えるけど、意外と読みやすい方だったと思う。何となくは想像ができる。

    0
    2023年04月04日
  • カルロ・ロヴェッリの 科学とは何か

    Posted by ブクログ

    本書のテーマは「科学的思考の歴史」。
    著者のカルロ·ロヴェッリはその科学的思考の一大転機を、古代ギリシャの都市国家ミレトスのアナクシマンドロス(BC610生まれ)とする。
    その時代は、あらゆる事象はギリシャ神話に出てくる神々の意思と結びつけられてていたが、彼は
    1.雨水は元々海や川の水で、それが太陽の熱で蒸発して降ってくる。地震は酷暑や豪雨が引き金。
    2.大地は有限で宙に浮遊し、落下しない理由は落下さる特定の方向わ持たない=他の物体に支配されていないから。
    3.太陽、月、星は地球の周りを完全な円を描いて回っている。
    4.自然を形づくる事物の多様性は、全て唯一の起源(アペイロン)から生じている。

    0
    2022年05月02日
  • カルロ・ロヴェッリの 科学とは何か

    Posted by ブクログ

    カルロ・ロヴェッリさんの言えば「時間は存在しない」の著者
    何か読んでみたいと前々から思っていた
    たまたま書店で目についたのでこちらが1冊目のカルロ・ロヴェッリ氏


    アナクシマンドロス
    紀元前610年、ミレトス出身の古代ギリシアの哲学者
    著者によれば、科学史における、最初の概念上の革命を実現し、物理学、地理学、気象学、生物学の先駆けとなった人物とのこと
    さらには世界像を捉え直すことへの道を切り開いた科学的思考の源流に立つ思想家とする
    そのアナクシマドロスの今もなお影響が生きている革命について語られるのが本書だ

    アナクシマドロスの時代は巨大な宮殿も、半神のような王の存在も、組織化された宗教的権

    0
    2022年03月10日
  • 小説ムッソリーニ 世紀の落とし子 上

    Posted by ブクログ

    <上下巻合わせての評です>

    これは、戦後イタリアではじめて真正面からファシズムを描いた小説である。では、今までなぜそれができなかったのか。それは、偏にムッソリーニという人物のキャラクターにある。ある種の能力に恵まれてはいても、等身大の彼はどこにでもいるイタリアの大衆の一人に過ぎない。こんな人間を真正面から取り上げれば、いくら反ファシズムの思いで書かれたとしても、読者がムッソリーニに、ひいてはファシズムの荒々しい魅力に魅了される危険性がある。現にこの小説が評判になると、そういう批判が起きたという。

    ベニート・ムッソリーニが、戦闘ファッショを立ち上げ、ファシスト党独裁政権を樹立するまでを描く全

    0
    2021年09月25日
  • すごい物理学講義

    Posted by ブクログ

    超弦理論とは異なる一般相対性理論と量子力学の統合を目指すループ量子重力理論。
    違いを説明出来るほど理解できず。

    0
    2020年05月30日