あらすじ
イタリアの独裁者ムッソリーニを主人公として書かれたイタリア文学史上初めての小説。すでに国内だけで50万部のベストセラーとなり41カ国で版権売れ。ファシズムをえぐる話題の小説。
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Posted by ブクログ
ファシズムの成立をムッソリーニを中心として描いた作品(「ファシズムの成立」ということ場自体が曖昧だが)。
第一次大戦後の1919-1924を舞台としている。小説としては登場人物と舞台/情景を短い節で描くことを繰り作りになっているので、瞬間瞬間の熱量を強く感じる。正直、本書を読んでファシズムの成立から政権奪取までをよんでも「ファシズムとは何か」がわかるのは難しい。ただし、少なくとも暴力性がその根本にあることだけは確かだ。また、今のイタリア議会に通じるのかもしれないが、ファシズム政権成立の過程は、民主主義の脆弱性を改めて考えさせられる。元祖ファシズムを学ぶにも、ムッソリーニについて学ぶにも、この時代のイタリアを通じて民主主義について考えるにも適した一冊。続刊があるとのことなので、是非翻訳、出版してほしい。