禅之助のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ上巻を読んでいるときは「いじめの話」と思った。
読みきった後は、そんな簡単な一言では表せない。
ネタバレを読まず、先入観を持たず読んでほしい。
上巻最初の2ページのこころのかわいいかわいい小さな夢。
それがこんな壮大な物語を経て、陽があたるようなそんな本。
登場人物たちの時間がずれていて、もしかしたら年代が違うのかも
というのはなんとなく早い段階で気づくことができたけど
具体的な年齢差や喜多島先生とオオカミさまの正体や
鍵のありかやお話などなど最後まで気付けず
最後まで謎が解けていくようにハラハラ読むことができた。
こころの話かと思ったけれど、そうじゃない。
みんなの物語。主人公はここ -
Posted by ブクログ
「学校に馴染めなかった人に刺さる」と聞いて、気になったので手に取ってみた。
とても良かった。冷えた心を、静かに温めてくれるような物語だった。
お気に入りのキャラクターはアキ。
理由はネタバレになるので言えないが、個人的には、みんなにとっての“救済者”のような存在に思えた。
10代の頃の僕のところにも、鏡が光ってほしかった。
いや、実は自分も昔、あの孤城に行っていて、誰かが願いを叶え、記憶を失っただけなのかもしれない。
しかし、だとすれば、どうして30を超えた今になっても、それらしき仲間と出会えていないんだ。
……というような妄想をしてしまう。いや、これから会うのかもしれない。
本作は世 -
Posted by ブクログ
苦しい経験から行動することを恐れていたこころが、皆のことを理解しようと少しづつ自分から行動していく成長がみられ、今子育て中の自分として親の立場的に見て嬉しかった。
アキの単独行動で皆が巻き込まれる形で大きく状況が変わり、最終的にこころがみんなの心に触れてそれぞれの心の痛みを抱えながら勇敢に立ち向かう様は素晴らしいと思った。
最終的な伏線回収でアキの人生が救われていて、そのアキに皆が救われるという構造が綺麗にまとまっていて良かった。
この本は読書会の課題本として読んで、この作者の本も初めて読んだが心情の表し方が素晴らしくて泣きそうになりながら読んだ。
人の心の機微な部分を書くのが上手だと -
Posted by ブクログ
めちゃくちゃよかった…!!読み終えて本を閉じたあと、物語の余韻が、こころたちの声が、彼らが見た光景が、頭のなかにはっきり残っていてしばらく放心状態になってしまった。
もう忘れてしまっていても、人生において、いつかの誰かの存在・言動が背中を押してくれる場面はたくさんある。一緒に笑った人たちや大切に思ってくれた人たち、その人たちにもらった言葉や感謝されたこと…
こころたちのように、昔の自分にとってはとても大切なことだったのに忘れてしまう可能性も十分ある。日常のなかでうまく説明できないけれどなぜか気になる、なぜかピンとくるものに出会ったとしたら、実は忘れてしまった大切なものかもしれない…それってめ -
Posted by ブクログ
泣いた。バチクソ泣いた。もう人目をはばからず泣いた。
下巻は、上巻で積み上げた謎と感情の行き場をいっきに回収していく勢いがあって、読後の満足感がかなり高かった。鏡の城のルールや7人の関係性が少しずつ意味を帯びていき、こころを中心に「学校へ行けないこと」の痛みが個人の問題ではなく、環境や周囲との関係の中で立ち上がってくる物語になっている。ファンタジーの装置が派手さだけで終わらず、現実を照らすために機能しているのがよかった。
特に印象に残ったのは、こころと仲間たちが互いの事情を知っていくにつれて、単純な励ましでは解決できない部分がある、ということまで丁寧に描かれているところ。誰かが急に強くなる -
Posted by ブクログ
不登校の中学生・こころが不思議な鏡の世界へ迷い込み、同じように学校から離れた7人が集まるファンタジー設定だけど、芯にあるのは現実のいじめや孤立の重さで、読み進めるほどその双方が絡み合っていく。ファンタジーとしての設定はシンプルで間口が広いと思う。
キャラクターそれぞれにちゃんと事情と輪郭があって、最初はぎこちなかった7人の距離が少しずつ縮まっていく過程が丁寧に描かれている。メンバーの一人ひとりが抱えているものはうっすらとしか見えないけど、それがかえってリアルで、各自の言動の背景を想像しながら読める。こころ視点で語られる苦しさや、「ここでなら息ができる」という感覚の描写が素直に刺さった。
上