Fのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
筆者の着眼点とそれを巧く言葉に当てはめる言語化が素晴らしい。
私は近所をよく散歩する。それは自分の内側に雑然と散らばる考えを整理するためだ。だから散歩とはいえ常に上の空で歩いている。幾度か人とぶつかりそうになり車に轢かれそうになったりした。
そんな中でも、ふと思考を強制停止する光景に出会ったりする。考え事をしている最中、外界へふと意識を向けると、いつの間にか高台を歩いていて自分の街が一望できる。橙色に輝き夕日に燃える街並みを見ていると、自分がひどく矮小に感じられ同時に今の悩みが瑣末なものへと浄化される。
本書では時にこちらをハッとさせる指摘を交えてくる。そしてそれは筆者が狙って言ってい -
Posted by ブクログ
真の人たらしに惚れていた時期に本書を読んだ。
それはそれはとてつもなく刺さった。
刺さりすぎて浴槽にぼちゃんと落としたくなった程だ。
突き放したかと思えば、驚くほど見事に余白を残すくらい大きなシルクのように滑らかな肌触りの、いい匂いだしあたたかさすら感じる何かで包み込んでくる。
この人自身が人たらしなのか
人たらしにやり込められたくちなのか
男なのか
女なのか
蜃気楼のようなひとが書いている本だなあと思った。
軸がぶれないのでとても読みやすかった。
そこかしこに名文があったけど
すぐ感想を書かなかったので忘れてしまった。
忘れたということは、また読めるということ。
スクショしてたページがあっ -
Posted by ブクログ
都会の夜に漂う孤独や虚無感を見事に切り取った作品で、読んでいると静かな深夜に一人で歩いているような錯覚に陥ります。主人公の心情は複雑で、何かを変えたいけれど何も変えられないもどかしさ、世界から取り残されたような感覚が丁寧に描かれています。日常と非日常の境界が少しずつ曖昧になっていく展開は不安を煽ると同時にどこか心地よく、気づけば物語に引き込まれていました。比喩表現が多く、文章は少し難解ですが、詩的な美しさがあり、一文一文を味わうように読むと深い余韻が残ります。主人公に共感できる人とそうでない人で印象は大きく変わりそうですが、若さゆえの衝動や破壊願望、焦燥感に共鳴できる人には強く刺さるでしょう。
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Posted by ブクログ
普遍的にかつ現代的に今を生きる人へ向けた良書である。
本著は短編集である。タイトルと言葉が綴られいる。著者がこれまでの人生で出会ってきた人々や著者自身が気付いた数が反映されている。タイトルの通り20代で得た知見なのでどの世代が読んでもいいのだ。私やあなたにも振り返れば本著の言葉に合致するもの、または気づきを与えてくれるかも知れない。
私にとっては気づきを得たところは付箋をつけていつでも見返せるようにしている。ある種の言葉のお守りのようなものだ。
人生は気づきの数だけ成長する。修正も生き方も思考も変わる。成長というのは別に競争の中だけの話ではない。本著の指す「孤独であれ」という言葉と同じだ。孤独