NHK「欲望の資本主義」制作班のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
五人の対談が特集される中、ほぼ皆が仮想通貨とトランプ大統領について語っているのが印象的。
特に仮想通貨を開発者であるホスキンソンの話は理解しやすい。何のこっちゃわからない状態だったが、仮想通貨が作られた背景や目指すもの、またブロックチェーン技術の一端の一端は理解できた。それだけでも価値があるかな。
続いて、仮想通貨に対して懐疑的な意見を持つティロールの対談が載せられているのも良い。
政府の介入がない自由な通貨の可能性と、自由すぎるが故に危険性があり制約すべきだと言う意見それぞれが聞けるので面白い。
一方、GAFAについて語るギャロウェイの話は余りピンとこない…
the fourも読んだけどなんだか当たり前の事をそれらしく言ってるだけに感じて。考察に深みが無いと思ってしまう。苦笑
後、ガブリエルはこのシリーズで知ったけど相変わらず主張が難しい…
この話についていくには自分の脳味噌だと、後3回は読み直さないといけなさそうです、ハイ…
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Posted by ブクログ
このシリーズは知識欲を刺激したいときに丁度いい読み物だと思う。経済学者、哲学者が考える現在の問題と解決案は新しい視点を与えてくれる。生活の質は確実に向上している。だけど人は幸せを感じない。過去に起きたことと現代の問題では性質が違う。全人類が今より多少マシになるにはどうすればいいのか、興味が尽きない。
だからこそ、このシリーズに出てくるスピーカーにもっと多様性があればもっと優れた本になるのにとおもう。
言い方が悪いが、研究する環境に恵まれた人たちの集まりという偏りがあるように見える。確かにそれぞれの生い立ちを見れば様々なバックボーンがあるだろうが、実際この世に生きてる人たちはもっと多様だ。知識を持った人間だけで経済の話が完結するとは思えない。
人は自分が経験していない出来事を知ることは出来ても自分の事として理解することはできない。だから多様性が必要だと思っている。男性、女性、富裕層、貧困層、健常者、障害者、難民、権力者、老人、青年、子供…それらのミクロな経済の視点を知らずにマクロが語れるのか。たしかにそれら全てを網羅することは不可能に近い。だからこそ偉大なる知識人たちにはその不可能に挑んでほしい。
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Posted by ブクログ
個人的に好きなNHKの番組の書籍化第2弾。
テクノロジーの進化によって発生した今日の産業革命は、過去の産業革命と全く性質が違うという発想が面白い。過去に起きた農業から工業への産業革命は、高スキルと低スキルという軸で捉えることができた。そして農業から追われた人たちの受け皿として産業があった。しかしテクノロジーによる産業革命はスキルの有無や学歴の高低関係なく、ルーティンワークが職を追われ不幸なことにそれに対する受け皿が存在しない。言い換えれば高所得のトレーダーや医療従事者でさえ、テクノロジーの発達により代用可能になれば職を失う可能性があるのだ。そしてテクノロジーでは今のところ代用できない、生産性が低く労働力の足りない分野である非ルーティンワーク(美容師、介護士、サービス業全般)は適切な賃金を得ることができず、低賃金で働かなければならない…
他にも、人々は芸術家であることを強いられている、どんなシステムも組織も自身を維持するためには他のシステムを排除しなければならない、など読んでいてワクワクする議論が散りばめられている。
巨人の肩から世界を眺めるとはよく言ったもので、普段生活していては見えない物の見方を教えてくれる良書だと思った。 -
Posted by ブクログ
今の資本主義がいい意味で機能していないという方に結論が傾いているだろう。そして、今の資本主義というシステムが、これからも同じように存在し続けることもない。今ままではなく、変化したシステムになる。なる必要があると。
例えば、GAFAは市場を独占的に覆い尽くしている。これから何年もGAFAによって、「新たな(イノベーションの)芽が摘まれてしまう」「市場による自由な競争が成立しない」状況や影響力を持ってしまうことにになれば、政府から規制をかけなければならない。しかし、ビッグデータ、AI、ブロックチェーン、などのテクノロジーは世界を救済する手段にも、脅威をもたらすものにもなり得るなかで、歴史は浅く、どう規制をかけるべきか、正解も最適解も導くことが難しい状況なのは確かである。
経済学だけでなく、社会学、心理学、生物学、法学、歴史など、さまざまな分野の知恵を結集し、今は資本主義の行く末を考え、再構築しなければならない段階に来ている。
この状況は、哲学者や経済学者だけが問題意識を持つものではない。一般消費者としても、ビジネスパーソンとしてでもある私たちも、これからが変わり続ける世の中で生きていくために、本当の個人主義を理解して、考えていこう。 -
Posted by ブクログ
この番組が好きで他のシリーズも見ている。映像では聞き流している部分が多いので、書籍を見つけて嬉しくなった。
全く方向性の異なる3人の有識者(スティグリッツとセドラチェクは成長資本主義に懐疑的で概ね似た意見)のそれぞれの言い分が面白い。立場や興味の対象が全く違うので当然といえば当然だが、テクノロジーの変化によって社会のあり方を変化させなければならないという落とし所が同じだったのはちょっとした希望だったように思える。
経済に関する本を読むと必然的に哲学や政治や思想、芸術、日常生活全てに派生していくのが面白い。人間として社会で生活していく上で絶対に切り離すことができないからこそ、魅力的なんだと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレガブリエルとセドラチェクの対談は話が難しすぎるのだが、いくつか理解できる主張があった。また、最初のコーエンの話は「なるほどね。確かに。」と納得するものだった。
特に、テクノロジーが進歩しているのに景気が低迷している理由に、失われた雇用の受け皿となる産業がないことをあげた。AIで仕事を奪われた人が、次に職を探すときは生産性の低い仕事しか残っていない。テクノロジーで生産性の向上の恩恵を受けるのは富裕層である。
こうしてテクノロジーの進歩は、富裕層はより生産性高く、中産階級は生産性の低い仕事に流れ、貧困層は変化なし、という現象を引き起こしているために、経済成長せず、景気が上向かないのだと。
農業から工業社会に移行しているときは、農家は工場へと、より賃金の高い仕事に就くことができた。つまり、工業が成長産業となり、農業から工業へと失われた雇用の受け皿が存在していたのだ。
今、私たちはテクノロジーが進歩、AIに仕事が代替されていくなかで、次なる成長産業への雇用を見いだせないでいる。だからといって、何の抵抗もなく時間が流れるように生産性の低い仕事に就くしかないのか。いや、それは違う。私たちはテクノロジーが常に日進月歩で進化する産業だからこそ、その産業の知識やスキルを身に付けて、挑戦していくことが、求められるのではないか。
資本主義は、いや、今の資本主義によって成り立つ社会システムが変わらない限り、格差は広がる一方だ。それを甘んずることなく、自ら未来への可能性を切り開いていかねばならいのだ。 -
Posted by ブクログ
欲望の資本主義の第三巻目である。欲望は資本主義を発展させるとともに、それが行き過ぎれば停滞も崩壊も齎らすのだ。そのメカニズムとその未来を世界の識者に聞いたのが本書である。インタネットの普及が正にその功罪の原因となり、未来のことは識者の中でも意見は分かれる。ビットコインについても、その推進者は、国の規制が外れることによって、より自由な経済活動が可能になるとし、一方哲学者は、いずれ失敗するだろうとの見解だ。哲学者によれば、インタネットの普及によりフェイクニュースや詐欺などの欺瞞が横行し、為政者の虚偽や隠蔽工作が加速すると予測している。実はその現象は、すでに現実となって表面化しているのだ。アメリカのトランプ、イギリスのボリス・ジョンソン、フランスでの極右政党の台頭、そして我が国の現状である。哲学者の言うように、民主主義の危機が迫っているのだろうか?