NHK「欲望の資本主義」制作班のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ETVでやってた欲望の資本主義、結構面白かった(中だるみしたけどな)ので書籍が出ていると知って購入。なかなか面白かった。
だが、小林喜光、おまえはダメだ!
なにが「日本の若者も車やモノに興味を持たなくなっています」だよ。十分なお金と時間を提供できないだけじゃないのさ。
スティグリッツ氏の主張には耳を傾ける価値があった。法規の抜け穴でしかない<Uber
セドラチェク氏の主張は面白いモノの、耳をかしげることが多い。やはり、社会主義がどうしてうまくいかなかったのかが本質的に理解できていない/納得できていないのでは無いか?「欲望」の存在をシステム無いに取り入れることができないのが、机上の空論になった主たる原因なのでは?
その主張のおかしさは、最後の対談でより鮮明になっている。「政府が借金をするのでは無く、無借金の政府が逆にお金を貸すべき」とか入れて、どんな顔をすればいいのやら。
借金は未来からお金を取り寄せることだと見抜いている知性、どこに行った!
スタンフォード氏、耳を傾けたくなるのだが、やはりUberみたいな「シェアリングエコノミー」は、単なる法規制がかかるまでの間に稼いで逃げるビジネスモデルなのでは?
そして、「利子」が古くから多くの宗教で禁じられてきたというのは、それだけ利子を取ることが一般的だった証なのでは?
(誰も行っていないことを重ねて禁止することはあり得ない)
鵜呑みにするモノでは無く、刺激を受けて、自分で考えるヒントには良いのでは? -
Posted by ブクログ
スティグリッツもセドラチェックもGDPを指標とすることに疑問を投げかけているのが面白い。そもそも成長を前提としない経済のあり方が本当に必要なだと思う。
無理やり成長を追っているところに無理が生じているという主張にいたく共感した。
十分豊かな先進国では生活に必要な富は一部の生産活動で賄われており、その再配分がされればいいはず。
ベーシックインカムの話は出て来ていないが、より一層経済のあり方としてのポテンシャルを感じた。
◯スティグリッツ
・GDPは成長を図る指標として適さない、環境や資源といった外部要因を考慮できてない。
・最低限の生活レベルを享受できてない人のために経済成長は必要だし、国の仕組みが変われば達成はかのう。
・アダムスミスは間違っていた、市場は独力では効率的に社会を良い方向に導けない。経済活動において利益を追求するセクターは一部でしかない。
・市場経済の基本設計が間違っている。0.1%が富を吸い上げている。
◯セドラチェック
・サブプライムローンに皆が投資したのはケインズの"美人コンテスト"と同じ。
・成長は良いことだという思い込みが問題、資本主義の本質的な意義は自由。
・今の状態は食欲がないのに効率よく料理を更に作ろうとしている。料理をやめて休むべきでは?豊かな国で過労死が起きる悲劇
・ゼロ金利、財政赤字という状態でGDP成長率は意味がない。
・金利は倒産リスクを考慮して設定されているにも関わらず、実際に倒産するとシステム全体が崩壊する。
・何が仕事で何が娯楽かはランダム、時代によっても人々の心理によっても変わる。無償のが優勝より質の良い仕事をする場合が多いという結果もある。
・成長しなくてもやっていける経済が望ましい。収支を合わせることが必要。 -
Posted by ブクログ
アルコールはお金に似ている。
翌日の体力をタイムワープさせる。
■スティグリッツ
・不平等の是正のためには政府の介入を。
・目先の利益ではなく、長期的な投資ニーズと貯蓄に目を向ける。
・市場の論理とは、お金さえあれば誰でもプレーヤーになれる平等性。
そこに共同体の論理が入ることの是非もある。
■セドラチェク
・経済は、うつ病ではなく躁うつ病。
・ケインズの美人投票。
相手が投票しそうな美人を選ぼうと探り合うさまに、投資の世界は似ている。確固たる基準がない。
→ルネ・ジラールの「欲望の三角形」
欲望とは、主体的なものではなく、他者の模倣。相手が欲しいものを自分も欲する。
・経済成長は、必ずしも大事ではない。
本質は、自由である。
・原罪の解釈。イヴは需要、アダムは供給の呪い。
・クレイトン・クリステンセン。イノベーションとは、「一見関係なさそうな事柄を結びつける思考」
・悪は、世界を面白くするためにある。
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■スタンフォード
・イーロン・マスクの最大の武器は、「想像力」。
・生命の歴史とは、DNAがプラットフォームからプラットフォームに移動していること。
・神なき時代、テクノロジーこそが宗教。
すべての経済学者は、「妄想家」である。
時代の無意識である社会の潜在的な欲望を解き明かそうとした。
・欲望と欲求は違う。
欲望の中でも原罪は「羨望」が強まっている。
承認欲求、他者が持っていて自分が持っていないことへの怒り。自爆テロ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ番組は10回くらいのシリーズだったのか?本が面白かったので番組も見たかった、それこそ"オンデマンド"で見られないものか。
本書はスティグリッツ氏、セドラチェク氏、スタンフォード氏3名の回(+おまけ?でセドラチェク氏と小林氏の会談有)に絞ってまとめられている。
経済学者2名vs資本家1名というか、前の2人の資本主義は成長にこだわるべきではなく、神の見えざる手なんか存在せず、国は適切に市場を制御すべきという概ね一致した意見を読んだ後、技術革新とそれに伴う成長はいやでも起こり続けるもの、従前の資本主義が機能しないなら新たなモデルCがこの世を席巻するまでよ、というイケイケな意見の洗礼を受ける構図かと。
「成長すべきという思い込み自体間違っていたのだな」と納得しかけた後でスタンフォード氏の「資本主義は先進国における生活水準の全体的な底上げには成功した」という話に揺り戻され。結局今の経済は変化しているのか停滞しているのか?現状のこの停滞感は現実か幻か。
ただ経済学者2名の話から、生活水準の底上げの恩恵に預かりきれていない国があることと、先進国が浅慮で無理に成長しようとすると他の地域の経済を大いに歪ませ得るらしいことはうっすら理解できた。そしてこれらを改善することのほうがツチノコ探しみたいな停滞感の正体探しより余程急務で重要で効果もはっきりしていることのように感じた。自分がこれにどう協力できるかは、難しいけれど常に考え続けていきたい。
セドラチェク氏はかなりの知の怪物のようで、著書の「善と悪の経済学」も是非チェックしたく。 -
Posted by ブクログ
この本はNHKテレビで放送されたものの書籍化らしいですが、見ていなかったので読んで見ました。読んだ後にテレビで観たかったなぁと思ったのは、Tesla P85Dが『IN-SANE MODE』で走る姿くらいで、後はむしろ書籍でじっくり『欲望』の加速感を味わうことができたのではないかと思っている。
安田洋祐氏(経済学者)が現在の経済の歩んでいる方向をインタビューを通じて、読者(視聴者)に伝えていく手法で進んでいく。最初にノーベル賞学者スティグリッツ、そして異端の奇才エコノミスト・セドラチェクと続いていくのだけれど、
私はセドラチェクが引用した古代ギリシャの話がこの番組を見事にイメージさせてくれたと思っている。
(以下)
〜〜ストア派《ヘレニズム哲学の学派。始祖はゼノン。徳を重んじ、欲望を抑制し人格の完成と心の平穏を追求した》とエピクロス派《欲しい物がこんなにあるのに、これしか持っていないと、需要に対して供給が足りないと主張します。》が論争する中で、ストア派が『供給に合わせて需要を減らせば幸せになる』
という場面が、後にインタビューするスコット・スタンフォード(シリコンバレーの投資家)をエピクロス派に、そしてセドラチェク自身をストア派として例えてイメージした構成したのではないかと感じたのだ。〜〜
というのは、セドラチェクの見つめている視点は訪れるかどうかわからない、“希求する人類の幸福”という未来からのものであるのに対して、スタンフォードの視点は、人間の“欲望”を見事に捉える感性を身につけた、時代を疾走するハンターの見る未来にある。
この対照性をテレビを観た人、本を読んだ人はどの様に捉えただろうか?
スタンフォードとのインタビューのあとで安田氏は『「禁断の果実」の味を知ってしまった人類はこれからも「進歩」の海を進み続けるのだろう。未来は空恐ろしくもあるが、やっぱりこの目で見てみたい。それが僕の欲望だ。』と語っているが、このような時代の流れのなかからの感想めいたインタビューで幕を閉じるわけにはいかない。
【セドラチェクと小林喜光との対談】は「現代の経済は安定を犠牲にすることで成長するシステム」と引き継いだあとに、
丸山俊一(NHKエンタープライズエグゼクティブ・プロデューサー)は、ルネ・ジラールの「欲望の三角形」(人の欲望というものは主体的なものではなく、往々にして他者の模倣であり、人が欲しいものを欲してしまうものだ。)という説、
メラニー・クラインの『人間は本能が壊れた生物』(本能の欠落を擬似的に埋めるのが文化というわけだが、その文化も規範を徐々に失い、記号が氾濫する中、いよいよ自分で自分がわからなくなった哀れな、アダムとイブの物語は流転し続く。)という説を紹介し最後に、
クラインの「羨望」の根源的・破壊的な性格である本質は「良いものほど壊そうとする」こと。人間が最も深いところに抱え込んでいるのが「羨望」という「欲望」の奥に潜む、恐ろしくなる洞察を紹介している。
でも、私にも微かにそういった幻影が見え始めてきている。
……この本で少し目が霞んでしまったのだろうか?
次は『知性の転覆』(橋本 治)を読んでみる。 -
Posted by ブクログ
経済学者の安田洋祐と世界経済のトップランナーたちとの対談でNHKで放送されたものが元になっている。ノーベル経済学賞受賞のスティグリッツ、24歳でチェコ大統領の経済アドバイザーになったセドラチェック、ベンチャー投資家のフォードの3人が本書の主人公である。
スティグリッツは、不平等の拡大・拡散を懸念しており、政府の政策転換、具体的には「テクノロジー、インフラ、教育への投資を増やし、経済構造の転換を促し、不平等の是正に取り組む」ことが大切だと断じる。セドラチェックは、経済学と他の分野の英知を統合することが大切だと説く。そして、現在の経済学は成長に取り憑かれていると警告する。成長は大切だが最優先事項ではないという言葉は今後の社会を考える上で大切だろう。フォードはイノベーションの大切さを語っている。「ぼくたちが考えるのは、大きな市場を獲得し、大きな収益を生み出し、客をハッピーにすることだけなんです」という言葉は楽観的とも受け取れるし、短絡的だとも感じられる。いずれにせよ、これからの社会を考える上でこれら3人の考えは間違いなく参考になる。 -
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最先端の意見は必ずしも一致しないが、おぼろげな方向性を指し示しているか。
◯余った資産を活用するための政策転換
→地球温暖化対策、インフラ、きょういく、テクノロジーなどに対する膨大な投資ニーズと過剰貯蓄過剰貯蓄
◯投資の調整機能は金利ではなく需要の拡大
◯イノベーションは本当に社会に貢献しているのか
→既存市場の奪い合い、既存法の目をかいくぐった短期的優位の可能性は?
◯経済の好況不況は躁鬱病
→ともに危険
◯成長資本主義ではなく、資本主義
◯利子はお酒
→節度を超えると二日酔い、ツケはいつか支払う
◯供給側を減らせばいい
◯オンデマンド需要の拡大
◯羨望、嫉妬、貪欲
◯「ほしいものが、ほしいわ」の捉え方 -
Posted by ブクログ
ネタバレセドラチェックの理論には結構?マークもあるものの、経済学者のスティグリッツとベンチャーキャピタリストのスタンフォード氏の視点にとても興味を持ちました。スティグリッツの場合、需要があるのは富裕層ではなく、中間層や貧困層の消費にあるので、中間層や貧困層にお金が行き渡るようにしないと「金」という経済の血流は滞り、経済は廻らなくなるというのは全く同感だ。倫理的に貧困層を救うとか、格差を是正すべきだとかそういうことではなくて、需要を喚起し、経済を活性化するための手法として、富裕層から中間層・貧困層に金を投入すべきということです。一方でスタンフォード氏は、未来の姿を我々に提示してくれている点で実に新鮮。いつかどこかに地点で全てがテクノロジーに取って代わられたら一体どんあ社会が生まれるのだろう。想像力をかき立てられる彼の説は実に興味深い。
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ビットコインは法定通貨になりえない。
なぜならビットコインがまさに「分散化」された仮想通貨だから。
資本主義社会の本質的な不安定性により、バブルやインフレの時に社会全体の安定性のために行動してくれる、公共的な機関がないから。
アリストテレスは、共同体のみならず、すべての事物はなんらかの「善」を目的にした存在だと考えた。
「善」という目的が実現されると、もはやそれ以上何も望む必要はなくなるから「善」のそれ自体で「自足」している状態であるといえる。
よって「無限」を目的にすることは、決して「自足」の状態に達することができないことを意味する。
すなわち究極の「悪」
「新古典派」=基本的に不純物がないほどに、純粋に市場原理が機能するほどに、効率性と安定性が実現され理想状態に近づくとする考え方。
「不均衡動学派」=効率性と安定性は二律背反である。
市場にあって純粋な競争が行われるほどに、恐慌またはハイパーインフレなどの可能性が増してしまう。
政府や中央銀行の存在があることで、曲がりなりにも安定性が生まれる -
Posted by ブクログ
生きるためのコストは、衣食住ではなく人と交流するためのコストが大きい、というのはなるほど、と思いました。
自分はわりと引きこもりタイプで、人との交流は疲れてしまい、ひとりでいることが好きですが、それでもやはり衣食住が整っていたとしてもひとりで生きていくのは精神的にも無理です。
そして、自分は特に節約しているわけではありませんが、生活コストがかなり低いのですが、交流コストがかなり低いからかな、と気付きました。そして田舎にいると東京に行きたいという人が必ず一クラスにひとり以上いますが、どれだけ交流を必要とするかは人それぞれですが生きるために多くの交流が必要なタイプだと田舎という閉ざされた世界では生きるのに苦しいのでしょう、きっと。
なんでかなあ、と思っていたものが、すっきりしました。 -
Posted by ブクログ
コロナ後の経済社会や格差などを5名の知識人が考察 する。
今後の社会について、世界の知識人が様々な考察や意見を述べているが、共通しているのは今後のことは誰にもわからないということ。世界が多様化して予測が難しい。彼等へのインタビューの中でよく出てくるのはケインズの話。彼の考えは、結果的に正しかったという意見が多かった。でも彼が現場まで見通していたかどうかはわからない。この5人の識者の意見も、いずれ誰かが正しかったのかが結果論として考察されると思う。
目次より
ハスケル~無形資産について 無形資産が拡大する社会
シラー~ ナラティブ経済 物語が経済を動かす
アヤモグル~ 経済への見方 税,生物,歴史
ドッド~ グローバル資本主義の終わり 人口的観点から
ロー~ 適応的市場仮説