小川敏子のレビュー一覧
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章ごとに明確なテーマがあり、それのための方法論が具体例と共に分かりやすく書かれている。
重要な部分は太字になっているため、「章題(または節題)=問い、太字=解」をサクサク目で追える。
時間がない場合は具体例を読み飛ばすこともできるので、読者のニーズに応じて読むことが可能である。
タイトルに心理学という単語が入っているが、専門用語は皆無である。
記述が詳しく説得力があり、しかもこの原著が日本人以外である点が大きい。
日本人であろうがそうでなかろうが、コミュニケーションの基本は変わらないのだろう。
決して話をする側だけの目線ではなく、コミュニケーションをトータルでとらえている。
その理由として -
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人間が生存していくために食糧は不可欠だ。その食糧を獲得するために、ヒトが狩猟採集から農耕牧畜へと舵を切ったことは大きな変化だった。
創意工夫を積み重ねて繁栄の歯車が回る→行く手に手斧が振り下ろされるように危機が訪れる→解決法を編み出して方向転換する、このようなサイクルを繰り返し、幾多の困難を乗り越え、ヒトはこれまで食料をまかなってきた。そこから、問題は必ず解決できるという楽韓論が一方に、仮に今まではそうだとしても、現代は地球温暖化や生物の絶滅など許容の限度を越えつつあると警告する悲観論とが対立している。
本書は単純にどちらかの立場に組するのではなく、まずは、人類の文明と地球が密接に関わ -
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【まとめ】
0 大増産の進化と転換点
食料増産の進化プロセスは次のように進む。まずは、空腹を満たすためにもっとも手っとり早く、かんたんな方法で食料を手に入れようとする。やがてあるとき、食べられる植物を栽培したり、作物に必要な養分を補給したりするなど、自然界に手を加える方法が編みだされる。より多くの食料がいきわたると徐々にヒトの数は増え、新天地へと生息の範囲を広げる。だが、どんなイノベーションも、いずれ壁に突き当たる。現状のままでは解決できない新しい要求が出てきたり、ひどい環境汚染を引き起こしたり、予想外の問題が生じたりする。食料が足りなくなるという不安が生まれ、危機感が募る。絶体絶命の危機にさ -
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つぎの一〇年において、これらの問題は日本にどのような結果をもたらすだろうか? 現実的にみて、日本が現在直面している問題は、一八五三年の唐突な鎖国政策の廃止や、一九四五年八月の敗戦による打撃に比べれば大したものではない。これらのトラウマから日本がみごとに回復したことを思えば、今日、もう一度日本が時代に合わなくなった価値観を捨て、意味のあるものだけを維持し、新しい時代状況に合わせて新しい価値観を取り入れること、つまり基本的価値観を選択的に再評価することは可能だという希望を私は持っている。
――本書の出版が2019年。さて10年後、本書で取り上げられた、日本、アメリカ、世界の問題はどうなっている -
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今や、社会には“デタラメ”――事実ではない情報があふれている。その中で真実を見抜くには、どうすればよいのか?人々を惑わせるデタラメの特徴、そして騙されない方法を説く書籍。
デタラメは広まりやすく、正すのが難しい。
例えば「ワクチンが自閉症の原因になる」というデマがある。その信憑性は、後の調査で完全に否定されたが、デマは今もはびこっている。
因果関係がないのに、因果関係を示唆するデタラメがある。
例えば、マシュマロ実験という社会心理学の研究では、マシュマロを食べるのを長時間我慢できた4歳児は、成長してからの学業成績がよかった。この自制心と成績は、因果関係ではないが、自制心が人生で成功をもたら -
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上巻と違い、現代日本をこき下ろしている。
まあ、客観的にはそうみられているのだろうなと言う感じ。
日本は国益にそうか、ということよりも国民感情みたいなところのプライオリティが高い施策が多く、それが客観的には、ちょっと政策がクソだなと思われていると。
まあ、アメリカも大概だが、日本ももっと国益を考えて考える部分が出てきても良いのではと思う。
ただし、結局ロビー活動とか対外的な発信力が異常に弱いため、国益にそう活動をしたとしても、それをアメリカに評価してもらうしかないと言う情けない状態。
国益にそう活動をすると言うことも必要だが、同時に英語での発信力をあげるということも、国益を考えた時に重要