尾崎英子のレビュー一覧
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中学受験に挑む4人の子どもの群像劇。
登場する4人の子どもたちは、それぞれに問題を抱えている。学校での人間関係であったり、家庭環境であったり。
そして、彼らの親もまた、未熟な一人の人間として、中学受験という魔物を前に狼狽え、迷いながら対峙し、乗り越えていく。(乗り越えない人もいる)
そんな4人にとって、塾はもう一つの居場所であり、受験勉強は彼らを結び付ける共通言語となる。
傷つき、迷いながらも、自分が掲げた目標に向かって突き進む。まるで、その努力が彼らの迷い、悩みを浄化していくようである。
もちろん、受験というものは合否が伴うもので、時に残酷な結末を寄越す。しかし、合否を超えたところに、中学受験という経験が子供たちにもたらす"何か"があり、その"何か"こそが彼らの未来を切り拓いていく。。。
爽やかな読後感のある一冊ではあるが一点気になった。
物語としてハッピーエンドで描いてくれるのウエルカムなのだが、何だか地元の小学校や家庭を「影」、中学受験(あるいは私立中への進学)を「光」であるように描いているようにも読め、それはちょっとばかり引っかかる部分ではある。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ数年前、母が倒れた。幸いにも大きく後遺症などが残ることはなく、今は(こちらから見る限りは)元気にしているけれども、うっすらと介護とか、その先を意識させられた出来事だったのは間違いない。
さらに、ものすごいバイタリティで、何歳になっても自転車で爆走してそうだと思っていた祖母が、ある時を境に一気に小さく小さくなってしまって、今は施設にお世話になっているけれども、たぶんそろそろお別れを意識しないといけないのは間違いない。
祖母の身の回りは、母と叔父(母の弟)がいろいろ動いているのだけれど、どうも母の方が、「祖母がどんどんなにもできなくなっていく」のをなかなか受け入れられずにいる様子で、そういうものなんだろうか、どう接していけばよいのかと、こちらも戸惑ってしまう。
未知の領域すぎて、不安しかないのをどうにか払しょくしたくて、少し先を行く皆さんの介護エッセイなどにはついつい手が伸びる。
今回は特に、「看取りのプロ」がメンバーにいるという心強さ。
余命わずかと分かってから、どう日々が進んでいくのかを、(もちろんこのケースにおいて、という話だろうけれども)何となくイメージできるようになって、それは個人的にすごく収穫だった。
あとは、最期のときに立ち会うのは難しい、立ち会えなくても後悔することはない、会えたときに最後だと思ってお別れをしておく、というのも、そういうものなんだろうなと思って受け取った。
(何となく、うちの母は「これが最後だと思ってお別れなんて!まだ長生きするんだから」と言いそうな気がする)
最期の時に立ち会うものなのに、自分の仕事も生活もあるのに、急に言われてもどうすればいいんだろうかと、すぐにだれかがどうなるわけでもないのに、うっすらと妙なプレッシャーがあったのを、少し軽くしてもらえたような。
それにしても、どこまでもどこまでも自分ファーストなんだな自分と、改めて感じたところでもある。 -
Posted by ブクログ
こんなフリースクールがあったらいいなぁ。
でもきっと、家や学校から遠く離れた場所に一人で飛び込むのは相当な勇気がいるだろう。
そうまでして主人公薫が選んだのは森にある寮付きのフリースクール。
何を学ぶかは自分次第。
これまでの生活や勉強との違いに戸惑うが、やがて自分なりのペースを掴み、同い年の仲間とも友情以上のものを築いていく。
そしてここに来ることになった、自分の心の中の傷にもゆっくりと向き合えるようになっていく...
そう、今の時代は何でも速すぎるのだ。
流れ作業のように短期間で課題の答えを出さなければならない。
でも人生はそう簡単に答えが見つかることばかりではない。
本当はちょっと立ち止まったり、遠回りしてもいいんだよ...物語を通してそんな風に励ましてくれているような気がする。
2024.6 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今年、中学受験を終えたムスメが読みたい!と言って、読み始めた本。
ついでなので、ワタシも読んでみた。
たぶん大人よりも、子ども向けのないような感じで、あっという間に読み終わり。
大人からすると、ちょっと物足りないかも。
でも、子どもはすごい読みやすそうに読んでいるので、そのぐらいの年頃の子におススメです。
軽く読めるけれど、ちょっと不合格すぎるところが気になった。
もちろん、出来なかったり、体調悪かったり、不合格になることはよくあることだろうけれど・・・、A判定のところが自分的にいつも通りにできた!と思えれば、それはたぶん合格するんじゃないの?
ワタシ個人の話になるけれど、うちの中学受験は家族全員でチームになったような気持ちでした。(親だけかもしれないけれど)
またやるか?と言われたら、またやりたい。子どもの本心は分からないけれど、ワタシは楽しかったし、いい思い出だな~ -
Posted by ブクログ
爽やかな中受小説。合格、偏差値アップという共通目的があり、その目的に照らして進捗が良い子が偉い、うまく行っていると捉えられがちだが、受験生という側面は人間としての一側面。塾のペルソナ、他者からの認識と学校、家庭でのそれは違うこともある。
そして中受はとても難しいもの、関わるステークホルダーの多さや受験にむけたメンタリティ、当日のデリバリーなど変動要素が極めて多い。やると決めた以上、本人の体験が良いものになるように親が覚悟させること、本人にいち早く受験生としてのマインドセットを獲得させるため手綱をうまく引いてあげる必要がある。
我が子への態度を考え直し、自己を省みる機会になった。